極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

生命と非生命のあいだ ⑤

2024年11月08日 | ネオコンバーテック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:11月8日】

         秋深し公孫樹青立ち敏満寺   
                高山 宇 (赤鬼)

✳️ 朝からドライブ。お目当てのカフェは駐車できず反転。「鶴亀そば」
 でランチ。玄宮園の紅葉も青立ちという。「異常が正常の季節なり」と
 詠嘆し千四百年前を偲ぶ。また、同期の企業戦士であり、「サニー・ボ
 ーイズ倶楽部会員」の今井博氏並びに神鳥武文氏を悼む。


 高分子ネットワークで人工光合成
11月1日、北陸先端科学技術大らの研究グループは、人工光合成ゲルの研
究について特集論文を発表。人工光合成[の研究では、有機/無機にかかわ
らず様々な物質群の探索と電子移動の向上に注力されてきた。しかし、そ
の反応が起こる液相では、分子集団としての振る舞いが無秩序のため、拡
散律速によるエネルギー損失が問題。一方、実際の光合成を行う葉緑体で
は、その内部に在るチラコイド膜によって区画されたナノ空間がある。こ
の膜上では複数の分子団の位置関係が絶妙に制御されており、化学反応場
として必要不可欠。このような空間制御を可能とするシステムとしてゲル
相は有用であり、ハイドロゲルの網目構造は高いポテンシャルを持つ(図)。

事実、光エネルギー捕集分子、電子伝達分子、触媒分子など複数の機能団
高分子の網目構造を精密に導入することで、能動的な電子輸送が可能と
なる
。例えば、光エネルギーによる水の分解には、同時に複数の電子が輸
送される必要があり、多数の酸化還元反応が伴います。この化学反応が起
こる場に、刺激応答性高分子の網目を導入することで、反応に伴った高分
子の伸び縮みを利用することができます。これによって電子の能動輸送が
実現する。実際、光エネルギーによって水を分解して酸素発生や水素発生
するゲルシステムが提案された。

この人工光合成ゲルは、外界からのエネルギーや物質の授受が可能な開放
系マテリアルで、生物に倣った物質システムです。今後も、高分子ネット
ワークを活用した機能性材料の設計は、様々なエネルギー変換システムの
構築など、持続可能な社会の実現に資するものと考えられる。

pr20241106-11.jpg

図 葉緑体にヒントを得た人工光合成ゲルの概念図。A. 葉緑体の内部では
チラコイド膜に4つのタンパク質が連携して酸化還元反応を起こし、電子
伝達が達成されている。B. 水の可視光分解に必要な4つの機能団を高分子
ネットワークに組み込んだ概念図。
【掲載論文】
・Chemical Communications (The Royal Society of Chemistry)
・Bioinspired hydrogels: polymeric designs towards artificial photosynthesis
10.1039/d4cc04033C


⬛  新素材がCO2回収効率を向上

11月3日、高弾性の高弾性の多孔質構造を持つ画期的な材料は、ネガティ
ブエミッションを達成するための取り組みを加速させる可能性がある。


人間の活動から発生する二酸化炭素(CO2)を回収・貯留することは、大気
中の温室効果ガスを削減し、気候変動を安定化するための鍵しかし、今日
の炭素回収技術は、発電所の排気ガスなど、炭素の濃縮源には適している
が、周囲空気からCO2を回収する効率は低く、濃度は煙道ガスよりも数百
倍低くなっている。
しかし、直接空気回収(DAC)は、CO2レベルの上昇を逆転させると期待さ
れており、CO2レベルは現在426ppmに達し、産業革命前よりも約50%高
くなっています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、それが
なければ、世界の平均気温上昇を2°C(3.6°F)に抑えることは事実上不可能。
有望な道筋と思われるものとして、カリフォルニア大学バークレー校の
研究グループは、DACの新たなブレークスルーを報告。権威あるジャーナ
Natureに掲載された彼らの研究は、共有有機フレームワーク(COF)とし
て知られる多孔質材料について説明しており、既存のDAC技術の大きな制
限の1つである水やその他の汚染物質による劣化なしに、周囲の空気から
CO2を吸収する。

この材料の粉末を取り、チューブに入れ、バークレーの空気、つまり屋外
の空気だけを材料に通して、どのように機能するかを確認したと、カリフ
ォルニア大学バークレー校のオマール・ヤギは説明する。それは美しく、
空気中のCO2を完全除去した。パフォーマンスの面では他に類を見ないか
ら、ワクワクしている。これは、気候問題に取り組むための私たちの取り
組みに新たな地平を切り開くものだと。



前出のYaghi氏によると、新しい材料は、すでに展開されている、または
試験的に導入されている炭素回収システムに簡単に置き換えることができ
この材料は効率的で、わずか200グラム(0.4ポンド)で、1年間に20キログ
ラム(44ポンド)の木全体と同じくらいのCO2を隔離できる。
排ガス回収は、
CO2を大気中に放出しないようにするため、気候変動を遅らせる方法。ダ
イレクトエアキャプチャは、私たちを100年以上前の状態に戻す方法だと。
現在、大気中のCO2濃度は420ppmを超えだが、煙道ガス回収を完全に開
発して採用する前に、500~または550に増加。濃度を下げて300ppm~
300ppmに戻したい場合は、直接空気回収を使わなければならない。
世界
中の数十の観測所でCO2レベルを監視している米国海洋大気庁(NOAA)は
2024年までのデータで「pumphandle」アニメーションを更新。産業革命
以降の集中化は急速に進んでいるように見えるが、80万年前の地質学的な
長い時間スケールで見ると、垂直線になる。大気中のCO2のこのような急
激な変化は、地球の近年の歴史では前例がなく、通常、大規模な火山噴火
や小惑星の衝突などの壊滅的な出来事に関連しており。前回、CO2濃度が
420ppmに達したとき、海面は数メートル高く、生態系は今日私たちが知
っているものとは大きく異なっていた。


写真:Gigazine(11月3日)

ヤギ教授は、COFとMOF(金属有機構造体)の発明者であり、どちらも内部
に等間隔の細孔を持つ硬い結晶構造であり、ガスが付着または吸着するた
めの大きな表面積を提供。彼の研究室が開発したMOFの中には、乾燥し
た条件下でも空気中の水を吸着し、加熱すると水を放出して飲むことがで
きるものがあり、DACという言葉を耳にするずっと前の1990年代から、
CO2回収にMOFに取り入れている。

2年前、同チームは、CO2を吸着する非常に有望な材料であるMOF-808を
作製。しかし、研究者たちは、何百回もの吸着と脱着のサイクルの後、
MOFが破壊する。DACアプリケーションで劣化する理由を発見し、COF
-999と呼ばれるより強力な材料の設計を開始。

COF-999の細孔は、MOF-808と同様に、内部にNH2基(窒素原子が2つの
水素原子に結合した原子)であるアミンで装飾され、より多くのCO2分子を
取り込むが、MOFが金属原子により結合されているのに対し、COFは、自
然界で最も強い化学結合である炭素-炭素結合と炭素-窒素二重結合によっ
て結合されている。
空気中のCO2を捕捉することは非常に難しく。エネル
ギー的に要求が厳しく、二酸化炭素容量が高く、選択性が高く、水に安定
し、酸化に安定し、リサイクル可能な材料が必要。再生温度を低くする必
要があり、スケーラブルである必要がある。このCOFは、化学的および熱
的に安定した強力な骨格を持っている。必要なエネルギーが少なくて済み、
容量を損なうことなく100サイクルに耐えることができることを示す。そ
のような性能を発揮する材料は他にない。基本的には、直接空気捕捉する
のに最適な素材である。
人工知能が炭素回収やその他の目的で、特に結晶
構造の合成に必要な化学条件を特定することにより、さらに優れたCOFや
MOFの設計をスピードアップできる。


【掲載記事】
.
◾Carbon dioxide capture from open air using covalent organic frameworks.
 Nature635
, 96–101 (2024). https://doi.org/10.1038/s41586-024-08080-x
◾Capturing carbon from the air just got easier - Berkeley News
https://news.berkeley.edu/2024/10/23/capturing-carbon-from-the-air-just-got-easier/
This powder removes as much CO₂ from the air as a tree - Los Angeles Times
https://www.latimes.com/environment/story/2024-10-23/this-powder-can-remove-as-much-co2-from-the-air-as-a-tree

⬛ 最新 特許技術情報

【鍵語】二酸化炭素 吸着 吸収炭素 吸着 吸収/金属有機構造体

1. 特開2024-150184 二酸化炭素吸着材、二酸化炭素の吸着・分離・回
 収用モジュール及び直接空気回収方法 旭化成
2. 特開2024-101951 二酸化炭素吸着材二酸化炭素吸着材の担持体及
 び二酸化炭素吸着材の製造方法 株式会社エフ・シー・シー他
3. 特開2024-118877 二酸化炭素吸着材および二酸化炭素吸収放出デバ
 イス

 今日の楽曲『チューリップス 心にしみるベスト曲

        ❤️『サボテンの花(歌詞付き)財津和夫』



    お・ま・け『ぼくがつくった愛のうた ~いとしのEmily~』



今日の言葉:
 アメリカで 聴くジョン・レノン 海のごとし民族は さびしい船である 
                           小島ゆかり
マイ・ブログ「72歳のジョン・レノン」2012年5月21日
  そういえば、トランプもドイツ系移民の子だったけ?!

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