2 作 戦
※ 「兵は拙速を聞く。未だ巧の久しきを観ず」-この篇では短期戦論が強調される。それ
は万全の準備に裏付けられ、一切を集中することによって、最小の犠牲で最大の効果をあげ
るのである。
「兵は拙速を聞く」
戦争ともなれば、兵車千台、輸送車千台、兵士十万人もの大軍を動員し、千里もの遠方へ糧
抹を輸送しなければならない。この大規模な戦争を遂行するには、内外の経費、外交使節の
接待、軍需物資、車輛、武器の補充などに一日千金もの莫大な費用がかかるのだ。たとい勝
つとしても、戦いを長びかせれば、軍隊は疲弊し、士気も衰えてくる。そうなってから慌て
て敵城攻撃をかけたとしても、失敗するばかりである。そしていつまでも軍隊を戦場にさら
す結果、国家財政は危機に追いこまれる。こうして軍隊が疲弊し、士気が衰え、攻撃に失敗
し、国力を使い果たせば、その隙に泉じて諸侯が攻めてくる。こうなってはどんな智者が現
われたところで、事態は収拾できない。
事実、短期決戦に出て成功した例はあっても、戦いを長びかせて成功した例は知らない。長
期戦は、国家になんの利益ももたらさない。それがいかに有害であるかを認識しなければ、
戦争によって利益を得ることはできないのだ。
【下の句トレッキング:しづ心なく花の散るらむ】
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ 紀友則
日の光がこんなにものどかな春の日に、どうして桜の花だけは(落ち着いた心がなく)散っ
ていってしまうのだろうか
On this gentle sunny spring day, I wonder why only the cherry blossoms cannot stay calm,
instead scattering every which way on the ground.
【ソーラータイル篇:最新ペロブスカイト太陽電池技術】
● ペロブスカイト太陽電池の結晶相に「超格子構造」を発見
2月19日、東京大学先端科学技術研究センタの研究グループは、高分解能電子顕微鏡で有機
金属ハライドペロブスカイト太陽電池の結晶相のナノ構造微細観察、従来、室温では正方晶(
Tetragonal)しか存在しないと思われていた有機金属ハライドペロブスカイト太陽電池の結晶相
に立方晶(Cubic)と正方晶(Tetragonal)が共存することを発見。この立方晶と正方晶は、塗
しただけで自発的に規則正しく交互に規則配列した超格子構造(Superlattice)を形成している
ことを世界で初めて確認したことを公表。
ペロブスカイト太陽電池は、今や世界の太陽電池開発を席巻。2018年1月現在、エネルギー変
換効率はNRELチャート上で22.7%が報告されて。 この値は同Lチャート上でCIGS(22.6%)、
CdTe(22.1%)、多結晶Si(22.3%)など競合するデバイスの効率を上回わり、それが大規模設
備の不要な溶液プロセスなどで実現できる。わずか数年でこの効率に到達した進化の速さも注
目されています。 昨年はペロブスカイト太陽電池がノーベル賞の受賞対象候補としても取り
上げられており、さらに高い「効率」「耐久性」「低コスト」の好適性を満たした実用デバイ
スとして期待されている。
従来、室温では正方晶しか存在しないと思われていたペロブスカイト層中に、ほぼ全領域に渡
って立方晶が共存していた(図1)。この結晶相の混合状態は作製方法が異なるペロブスカイ
トや、あるいは高効率化のために各種添加剤を加えたペロブスカイトいずれの試料においても
同様に観察された。また各結晶相の大きさは直径にして5〜10nm程度の不均質な粒子状からな
り、ナノグレインが形成されていた。
解析を進めるとこれら一部の混晶には規則性があり、場所によっては「正方晶(Tetragonal)-
立方晶(Cubic)-正方晶(Tetragonal)」3ユニットが1つの単位格子を構成、超格子(Superl-
attice)が形成されている(図2)。効率20%を越える有機金属ハライドペロブスカイト太陽
電池の中身が、実は結晶構造の異なる(即ち格子サイズや光学特性の異なる)結晶相の混合状
態になっているというのは従来の常識を覆す驚きの発見です。また、基板に塗布しただけで、
その一部が自発的に超格子構造を取ることは大きな発見です。今後、結晶工学的な立場から相
のコントロールを試みることで更なる高効率化が期待される。
❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.18
● 対談3 新しい現実をつくる
『原発廃炉には、政府から会計上のサポートが必要』
Jan. 17, 2013
小宮一慶(こみやかずよし) 株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役
だから、いかに外貨を稼ぐかということが目本においても、経済を維持するためにすごく大
事だと思うんです。そういう観点から国内産業を育成して、強い産業をつくって、輸入を減
らせるような産業構造をつくっていくことが大事なんじやないかと思います。
強い産業をつくってそれを世界中に広めていくというのは日本にとってはすごくいいことだ
と私は思っています。
原発がなくても経済は成長できる
鈴木 そうですね。
小宮 低成長ということで大事なのは心と経済との両方の豊かさだと思うんです。
鈴木 これまでの私たちの常識は、豊かさというのはGDPが増えることでした。それ
も豊かさの一つの指標であることは間違いないわけですが、すべてではないと思うんで
す。去年の「3・11」のいろんな経験を踏まえて「本当の豊かさって何?」と思った
とき、経済というのは数字だけじゃないと気づき始めた人が多いように思います。
小宮 働くことによって生きがいを得る。もう一つは世の中に貢献しているということ
で幸せを感じる豊かさがある。新しい産業を伸ばすことによって、世界に貢献できるじ
ゃないですか。日本人が持っている能力、そういう意味で、数字は結果だから、いい数
字が出るというのは貢献につながると思うんですよ。だから、数字を伸ばすのが目的で
はなくて、数字が伸びるくらいのいい産業をつくっていけばいいと思うんですね。
鈴木 いま、先生がおっしゃった経済力は規模ということですか。
小宮 規模と余裕です。いまの日本のように軍事にお金を使えないというようなことだ
と、一方で中国はどんどん稼いでいますから、空母を建造したり、ステルス戦闘機をつ
くったりということになっていきます。ただ、私がすごく恐れている点は中国は短期的
に成長力が落ち始めているということなんです。マクロ経済の用語で、子どもと高齢者
の数に比べ、働く世代の割合が増えていくことによって、経済成長が後押しされる1人
ロボーナス」という言葉があるんですが、中国は1人っ子政策をやっているので、若年
層が減ることによって、「人口ボーナス」がなくなってしまうんです。成長が落ちると
、56の多民族国家ですから動乱が起きる。求心力を得るのに一番効果があるのが外へ出
て行くことですから、その点、日本などは叩きやすいわけですよ。そういうときに軍事
的なバランスを欠くとですね、火がついてしまう可能性があるわけです。北朝鮮だって
同じように考えている。そうすると、軍事力を落とすということは日本にとっては問題
のあることだと思います。ただし、軍備だけ強化するというのも問題があります。経済
を伸ばしながら軍事力をそれに見合って強化していくということではないかと思います。
鈴木 理想主義的な見方かもしれませんが、日本は資源がないといわれていますが、見
方を変えれば、海も川も山も森も、自然の資源はあるわけですね。自然を活かしながら、
自然に活かされながら、経済がまわっていく仕組みをつくっていくことが、日本が世界
に貢献する最大の道筋だと思います。そのためにも日本が世界に先駆けた再生可能エネ
ルギーの技術を磨いていく意義は大きいのではないでしょうか。
世界一のエコ国家をめざして世界をリードする
小宮 日本は世界一のエコ国家になったらいいと思います。海洋国家でもありますしね。
そうなれば子不ルギーの輸入が減りますから、すごくいいと思います。
鈴木 願わくば日本という国の存在が世界にとってすごく価値があって、ということで
ありたいと思いますね。
小宮 再生可能エネルギーーの技術はすごくいい技術だと思うんです。それを世界中に
広めて輸出して、「日本がなきや困るぞ」と恩われるくらいになればいいですね。ただ
中国からみて、日本は4番目の貿易相手国なんです。1番がEUで、2番目がアメリカ
3番目がASEAN、日本はその次なんです。日本からみると中国は1番の貿易相手国
なんですよ。だから、立場が変わってしまって、そういう意味でも世界中に経済的な技
術的な恩恵を与えられる国になるというのはすごくいいことだと思います。
鈴木 世界中に経済的、技術的な恩恵を与えていく方法を、地域や土地に合うかたちに
していかないといけないわけですね。
小宮 そうです、そうです。その一つの大きな手段が再生可能子不ルギーというわけで
す。日本みたいに資源のない国はいっぱいあると思いますが、それと二酸化炭素の排出
問題もあるじゃないですか。そういう分野を新しいエネルギーで埋めるんだというとこ
ろを国家プロジェクトでやってほしいと思います。
鈴木 高度成長のときにはアメリカというモデルがあったので「追いつけ、追い越せで
よかったわけですが、いつの間にかアメリカがへろへろになってしまっていて、もう、
これからはアジアの時代だといわれて久しいわけですが、目本という国がアジアのなか
でどういうスタンスを取るか、まだ腰が据わっていないような気がするんです。
小宮 さっき申し上げましたけどね、世界一のエコ国家を目指して世界をり-ドするこ
とが大事だと思います。将来はどうなるかわかりませんが、オバマ政権は原発推進派で
あるがために、シェールガスを売らないといっている可能性もなきにしもあらずですか
ら、日本は日本なりにこれでいくんだと決めてやればいいと思いますよ。
鈴木 みんながそういうふうに腹をくくれば、日本人は知恵があるし、必ずがんばると
思うんですよね。
小宮 政府が腹をくくればいいと思うんです。ぼくは経営コンサルタントだから、「が
んばります」という意見が言葉の遊びみたいに聞こえて一番嫌いなんです。お客様には
何月何日までにどれだけやるのかやらないのか、それを決めてくださいと、よく申し上
げるんです。
鈴木 原発の事故にしても「私が責任を取ります≒国が責任を取ります」と言いますが、
責任など取りようがない。
小宮 今日までかなり努力して原発を推進してきたわけだから、これからは同じ努力を
再生可能子不ルギーに振り向ける。当面は天然ガスなどの代替エネルギーになると思い
ますが、原発を停止しても間違いなくやれますよ。
鈴木 さっきデンマークの話が出ましたが、あるデンマークの方から「デンマークは車
をつくる技術がない。日本はあれだけ優秀な車をつくる技術があるんだから、再生可能
エネルギーをなぜやらないのか」と言われたことがあります。
小宮 その通りだと思います。再生可能子不ルギーは日本でもやっているんですが、そ
れが採算ペースに乗るレベルまで政府が後押しすることをしないとダメだと思うんです。
太陽光もそうですが、ある程度までは国が決めてやることだと思います。地熱発電に対
して温泉地が反対しているというのは誤解もあるでしょうから、オープンにして、再生
可能エネルギーの1つとしてどんどん推進していく。
鈴木 再生可能子不ルギーだからこそできる、小さいからこそできるということに意味
があるわけですね。
小宮 何万戸という単位でなくても、何百戸単位でもやれることはいっぱいあって、い
ままで活かされてない子不ルギーを活かす工夫が大事ですよ。
鈴木 再生可能エネルギーはまだ日本のなかでほんの数パーセントしかないから、こん
なものは未来になっても頭りにならないとこきおろす議論があるわけですが、それは
ちょっと違うと思いますね。むしろ、太切なことは「俺の会社はもう20パーセントや
ってるよ」「うちの町内は5パーセントで始まったよ」「うちの町は50パーセントや
ってるよ」という小さな単位が無数に生まれ、その総和が力だと思うんです。たぶん、
そこでしか現状は変わっていかないと思いますね。
小宮 そうですね。鈴木さんの地元の小田原をはじめ、いろんなところが「うちは小さ
な水力発電だからやれるんじゃないか」とか言って始めればいいんです。今日の新聞を
読んでいたら、ガスタービンコンバインドサイクル発電のことが書かれていて、それで
何百戸かに電気を供給できるというような仕組みもあるようなのです。ちょっとした工
夫をたくさんやっていくということが大事だと思います。
鈴木 私は小さな企業の経営者として、できることが限られているわけです。国会にい
くら言ってもダメなので、「自分の会社、自分の住む地域でならできる。そこをしっか
りやろう」ということでスタートして、それを全国で同時多発的にやっていけば大きな
力になると思っています。
小宮 その通りです。エネ経会議の取り組みが日本の政治を変えるいいモデルになるん
じゃないですか。結局、政治を変えないとね。根本的なところが変わらないから、于不
ルギーから政治を変えていくという、すごく素晴らしい取り組みを鈴木さんはされてい
ると私は思います。
鈴木 実はエネルギーから、経済だけでなく、この国のあり方をも変えていく力になれ
ればと思っています。
小宮 仕組みというか、やり方を変えていく。ご本人は望んでないかもしれないけれど、
鈴木さんがやろうとしていることはみんなに尊敬されるというか、喜んでもらえること
だと思いますよ。すごいキッカケになるんじゃないかと私は思います。
鈴木 エネルギーのことを国と地域が健全なかたちでやっていく、それからいま言われ
た再生可能子不ルギーをつくって安全・安心な国をかたちづくっていく、そのための一
歩を私たちが踏み出そうということなんです。
小宮 違う言い方をしますとね、経済人であるわれわれの感覚で正しいと思っているこ
とが政治に反映されていない。そういう意味では、エネルギーということがいまは主題
になってますけれども、いろいろな物事に関して、われわれの感覚で正しいと思うこと
が国政に反映されるためには、どうしたらよいかということを考えることが大切です。
そのためにはまず地方から変わって国政に反映されるべきだと私は思います。そういう
意味ではすごくおもしろいし、やりがいのある取り組みじゃないかなと思います。
鈴木 先生がおっしゃられるように日本が世界に先駆けるというか、ナンバーワンにな
るべく役割を担っていく、とりあえず日本の社会に示していく、そういうことですね。
小宮 そうなれば、自然と経済も成長すると思うんです。成長のために何かやるのでは
なくてね、業績も成長も結果だと思うんです。これがぼくの持論です。企業の業績はい
い仕事をした結果だと。世界全体が成長しているわけですから、日本が成長しないのは
おかしいわけです。だけど、成長を目的にするのではなくて、いい仕事をするとかね、
みんなが幸せになること、エコをやっていけばね、自然と成長すると思うんです。経済
学的にも成長というのは民間の消費、それから政府の支出、あとは輸出入の差なんです。
だから、輸出が増えてね、輸入が減る、日本の輸入のかなりの部分は于不ルギーですか
ら、それが減って、みんなが幸せになれて、世界一のエコ国家になれてね、GDPも自
然に成長するというのがね、あるべき姿じゃないかと思いますけどね。
鈴木 そういうふうにこの国の未来をイメージしていくと、これからの時代はけっして
暗い時代じゃないと思いますね。若い人たちも犬入たちがつくってきてしまった閉塞感
に覆われた今の時代の先に、新しい豊かな世の中への夢と希望を感じることができるの
ではないでしょうか。
小宮 エコで豊かになろう。それでGDPがほんとうに伸びていけばね、債務問題だっ
て解決するわけですよ。名目GDPが、この20年間、アメリカと同じように成長して
いれば政府債務残高は対名目GDP比100パーセントで済んだわけです。エネルギー
政策がうまくいけば産業が仲びます。すると、海外へ行こうかと思っている企業も日本
に残るじゃないですか。不幸な災害がありましたけれどもね、それをきっかけにという
か、新しい産業、特にエネルギー産業をつくっていくいいチャンスじゃないかと思いま
す。そういうかたちに持っていかないと、「3・11」で亡くなった人たちに申し訳な
いし、いま、原発で避難されている方たちに顔向けできないと思います。
鈴木 エネ経会議のメンバーというのはみんな地域で生まれ育って商売しているので、
ふるさと意識が非常に強いわけです、私だって小田原からどこかへ行ってかまぼこ屋を
やるわけにはいかないわけです。ところが、福島ではやむなく他の土地に行ってしまっ
た例がたくさんあります。そういう意味では経済というのは人を豊かにしていく知恵仕
組みであるべきなのに、経済という枠組みだけが1人歩きしてしまっています。
小宮 いま、鈴木さんがおっしゃったことはすごくいいことだと思う。講演で東北へ向
かうとき、ぼくは飯舘村を通ったんですが、人っ子一人見当たらなかった。人を幸せにするなら
ともかく、人を不幸にするような仕組みは許せないですよ。私の師匠の曹洞宗のお坊さんがお
っしゃったのは、政治も経済も手段なんだということです。人が幸せになるための手段であり、
幸せにする手段なんです。だから、手段が一人歩きしたら意味がなくなってしまうのです。
鈴木 すばらしいご意見、お考えをたくさんおうかがいできました。今日はたいへんありがとうご
ざいました。
2012年6月6日
株式会社小宮コンサルタンツ応接室にて
この対談はここでおわり、次回は中野ともよとの対談「新しい地域経済をつこうることは、女性ネッ
トワークの活用を」に移る。
この項つづく
● 今夜の一曲
『Hello』 Song ; Adele, Music&Word; Adele Adkins, Greg Kurstin
Hello, it's me
I was wondering if after all these years you'd like to meet
To go over everything
They say that time's supposed to heal ya
But I ain't done much healing
Hello, can you hear me
I'm in California dreaming about who we used to be
When we were younger and free
I've forgotten how it felt before the world fell at our feet
And a million miles
I must have called a thousand times
To tell you I'm sorry for everything that I've done
But when I call you never seem to be home .....
もしもし、私。
考えていたの 何年も経ってしまったけれど
あなたは、忘れたいと思っているかんもしれないけれど
時が経てば傷は癒えると言うけれど
私は、まだ癒えないでいるの ......
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