<1月の鑑賞予定映画>
~夫婦には「さよなら」の前に、やらなければならないことがある~
2010年、一発目は邦画から始まり。薬師丸さんの演技、何気に好きです。
2010年 日本 (東映) 10.1.16公開
監督:行定勲 プロデューサー:天野和人、國松達也
原作:中谷まゆみ 『今度は愛妻家』 竹書房文庫
脚本:伊藤ちひろ
音楽:めいなCo. 主題歌:井上陽水 上映時間:2時間11分
出演者:豊川悦司・・・・・・・・北見俊介 (かつては売れっ子のカメラマン)
薬師丸ひろ子・・・・・北見さくら (健康オタクな俊介の妻)
水川あさみ・・・・・・・吉沢蘭子 (女優志望の女性)
濱田岳・・・・・・・・・・古田誠 (俊介の助手・カメラマン志望)
石橋蓮司・・・・・・・・原文太 (オカマバーに勤める・通称:ブンちゃん)
<見どころ>
中谷まゆみ原作の舞台劇をベースに、ヒットメーカーの行定勲監督が
涙と笑いが交互に訪れる感動ドラマとして演出。
夫婦を演じるのは、『サウスバウンド』の豊川悦司と『ALWAYS 三丁目の夕日』
薬師丸ひろ子。ダメ夫婦から誰もがうらやむ理想の関係に変わる、
夫婦のきずなに心動かされる。
<あらすじ>
かつては売れっ子カメラマンだったが、今や仕事をせずプータロー同然の生活を
送る俊介(豊川悦司)は、健康マニアの妻さくら(薬師丸ひろ子)に日々ニンジン茶を
注がれ、子づくり旅行をせがまれていた。
やがて、クリスマス直前のある日、二人は沖縄旅行に行くことにするが、
その日を境に俊介とさくらに微妙な変化が訪れる。
<感想>
予告編を観ると、結婚10年でダメ亭主に愛想を尽かした妻に対して
夫が改心して、愛妻家になる・・・てな具合のハッピーエンドな作品だと
思っていましたが、いやいやそうでなかった。奥が深くて、意外な?しかけがあり
笑える部分もたくさんあったけど、最後泣かされてしまいました。
この作品は、もともと舞台劇なので、夫婦が沖縄旅行へいく以外は
ほとんど夫婦の家がメインになっています。
どおりで、終わり方舞台っぽいな~~と思ったのよね。
この物語は、ある“オチ”があるんですが、これ早い段階でわかってしまいました。
ある配役が、ほかの登場人物たちとまったく関わっていないんですよね。
「あれ?ひょっとして、このオチは、まるであの作品と同じような?」
という感じで観ていたら、本当にそうだったとわかった時はちぃとガックリ
きましたが、そのオチがわかって以降が良かった。
10年も一緒に暮らせば、“なれあい”が生じてくるもの。
豊川さん演じる俊介もそんなふつ~の亭主。というか、妻のさくらにずいぶん
甘えているような印象を受けちゃいます。で、愛情表現がものすごく下手。
ぶっきらぼうな夫、それを「しょうがない」と思いつつも寂しく思う妻。
そんな夫婦を豊川悦司さん・薬師丸ひろ子さんは、うまく演じてたと思います。
特に薬師丸さんの、憂いを帯びた眼の演技は秀逸です。
そういや、映画「きらきらひかる」でもこの2人、夫婦をやっていましたっけ?
なんかねぇ~ものすごく自然な雰囲気でしたよ、うん、良い。
個人的に評価をあげたいのが、オカマを演じた石橋蓮司さん。
この人の位置がすごくよかった。後半、その意外さがわかるんだけど
作品の中で重要なキャストでした。この役は、この方でしか出来なかったでしょう。
それぐらいハマっていました、賞あげたいぐらいです。
いやぁ~こんな役出来るんですね。
石橋さんの新たな一面を観るには必見の価値あり!です。
作品を観てると、あきらかに私ら世代に訴えているのがわかります。
だから、これは若い人が観るより、アラフォー以上の人たちが観たほうが
いいかもしれません。それと、ダメ夫でない旦那、できた亭主をもっている
奥さまは、「なんか甘ったるいなぁ~」と共感できないかも?
それぐらい、主人公の俊介はダメ夫です。
NAOさんは、この映画を観て、実家の父が浮かんできましたわ。
だって母が「友達と旅行に行く」と言ったら、父ったら「今日の晩ご飯はどうすれば
いいんだ!」と怒ってたことありましたものね。
おんなじセリフ、俊介が言った時、笑ってしまいました。
マイナス点は、サブストーリー的な若いカップルのお話。
あれは別にいらなかったかも?それとラストのクリスマスパ^ティーの
シーンは、ちぃとだるく感じました。舞台だったらいいかもしれませんが
映画にすると、このシーンはもう少しシンプルにまとめてもよかったように思います。
私は、この映画を観て、やっぱり素直に口に出して言うべきことは
言ったほうがいいな、後々後悔のないように・・と思いました。
当たり前の生活が実は幸せだったりするのですよね・・・。
そういう意味では、アラフォー世代に向けた映画ではありますが
これから結婚しよう、と思う若い世代の方にも観てほしい作品です。
点数:8点 (10点満点)