<12月の鑑賞予定映画>
~あの古典的名作絵本がついに実写!~
原作絵本を持っているので、やはり気になって観に行きました。
2009年 アメリカ (ワーナー・ブラザーズ配給) 10.1・15公開
監督:スパイク・ジョーンズ
製作:トム・ハンクス、ゲイリー・ゲッツマン、モーリス・センダック、
ジョン・カールズ、ビンセント・ランディ
原作:モーリス・センダック 『かいじゅうたちのいるところ』
上映時間:1時間41分
出演:マックス・レコーズ・・・・・・・・・・・・・・マックス (主人公)
キャサリン・キーナー・・・・・・・・・・・ママ (マックスの母)
ジェイムズ・ガンドルフィーニ・・・・・キャロル
ローレン・アンブローズ・・・・・・・・・・KW
<見どころ>
世界中で愛されている絵本「かいじゅうたちのいるところ」を実写化した
ファンタジー・アドベンチャー。原作者モーリス・センダックたっての希望により、
『マルコヴィッチの穴』『アダプテーション』のスパイク・ジョーンズがメガホンを取る。
<あらすじ>
いたずら好きなマックス(マックス・レコーズ)はいつものように
ママ(キャサリン・キーナー)とケンカして、外に飛び出してしまう。
ふと気付くとボートに乗っていたマックスは、海を渡り、ある島にたどり着いていた。
島に住んでいる怪獣たちはマックスを見つけ、王様に仕立て上げるが……。
<感想>
原作は、1963年に発表された同名の絵本。私が生まれる前に既に出版
されてたんですね。^^; 原作は、ひじょ~に言葉も少なくシンプルで
ものの数分で読めてしまうような内容。これを1時間41分まで話を膨らませたから
すごいな~というのが、まず最初に思いました。
主人公のマックスは、母子家庭。まだ小学生だから、母の愛をもっと受けたいけれど
母親のほうは、生きていくために働かなくてはいけない。そして、その仕事も
思うようにいかなくてストレスはたまる。そして、母も女性、ボーイフレンドも出来る。
それがマックスは面白くない。いたずらをして母の気を引こうとするが逆効果。
それが原因で家出をしてしまい、この不思議なところへいくわけです。
全編を通して伝わってくるのは、相手の気持ちを考えて言葉にしよう、ということ。
本編では、「そこでそんなこというかなぁ?」というセリフがけっこう出てきます。
言ったら相手が傷つくのに、感情が先に出てそれが言葉となって出てしまう。
私自身が、よくそういう行動に出てしまうので、登場人物にイラっとしながらも
耳が痛かったです。
島の様子は、↑のような↓のような風景がたくさんあって、このシーンだけでも
なんだか癒されました。でも、「ネバーエンディングストーリー」のような
印象も受けたのは私だけですかね?
かいじゅうたちは、CGではなく着ぐるみ。原作のイメージに合っていて
よかったけど、やっぱりかわいくないなぁ・・・っていうか、怖い。^^;
怖いと言えば、かいじゅうの何匹かはマックスを食べようと追いかけたりしたり
仲間の腕?を引っこ抜いたり・・なんていう演出もありました。
このあたりは、幼い子供に受けるかどうか・・・ただでさえ姿が怖いので
ちと厳しいかもしれませんね。
シンプルな絵本を1時間半まで引き延ばしたから、どうしてもまったりした
展開になるのは仕方ないです。現に中盤だるい場面があり、思わずウトっと
してしまいました。 ですが、ラストはやっぱりウルっときましたね~。
けっして、お互いの相互理解が出来てお別れするという展開にはならず
ほろ苦いお別れになってしまいますが、そのあたりの着ぐるみたちの表情とかが
なんとも哀愁が漂っていまして・・・・だから遠吠えもグッときてしまうわけです。
というわけで、かなり奥深い作品に仕上がっています。
ですが、子供にはこの奥深さが退屈に感じるかもしれません。
あと、やっぱ着ぐるみがどこかグロテスクで、子供受けしないかも・・・。
現に、うちの子供たちがそうですし、レッスンに来てくれる生徒さんも軒並み
「着ぐるみが怖いから観に行かない」と総すかんでした。
絵本なんだけど、大人向けのファンタジー映画ですね。
子供より、大人が観てハッとして気づいてもらいたい作品だと思います。
点数:7.5点 (10点満点)