<12月の鑑賞予定映画>
今年は、5日からピアノ教室は動きだしました。
お正月ボケをしていた子はほとんどいなくて、9割方冬休みの課題を
きちんとこなして来てくれていました。えらいぞ、うちの生徒ちゃん達。
特に目を見張るのが、幼稚園に通っている5人の子供たち。
年末に行った「おさらい会」の効果があったようで、レッスンがあったその日に
私が注意した点を、“復習”している生徒が半分以上いました。
みんな口にはしませんが、人の演奏を聴いたり、人前で演奏することで
目に見えないものを得たのでしょう。
こういう生徒さんはきっと伸びると思います。
さっそく、新しいテキストへレベルアップした子が何人かいました。
「つぎもがんばるぞっ!」と目を輝かしている様子を見ている私もうれしいです。
と同時に、ちゃんとまっすぐに伸ばしたいな・・・と身が引き締まる思いも。
さて、今月は恒例?の『今年の目標』を作成する月。
毎年のことなので、用紙を配布すると、「今年も来た~」とか
「なんか1年って早いな~」という声がかえってきました。
↑、小学生が言うか~とツッコミ入れたくなりましたが。
まだ全員は出ていませんが、大体の子が書いてきてくれました。
* 曲をりかいして演奏するよう努力する (年長・男の子)
* 練習をたくさんする。
先生といっぱい連弾の曲をひく (年長・男の子)
* 部活との両立が大変になると思うけど、時間を確保して頑張りたい
(小6・女の子⇒4月に新中1)
* 発表会では、どうどうと弾きたい (年長・女の子)
* 発表会で、ミスを少なく演奏し、テンポの速い曲が弾きたい
(小4・女の子)
* 音の粒が揃えて弾けるようになって、速い曲が弾けるようになりたい
(小4・女の子)
昨年より、また少し具体的に書けるようになったみたいです。
あと、目標カードには書いていなかったけど、「中学で行う合唱コンクールの
伴奏者になれるようがんばる」と話してくれた子もいました。
ぜひ、これはクリアしてほしいですね!
今年1年、生徒さんがどのように成長するか、静かに見守りたいと思います。
~かなわない恋だとわかってた~
2009年 韓国 (アスミック・エース配給) R15作品 10.1.23公開
監督:イ・ジェハン 製作:シム・ジェソプ、ファン・ヨンサン
原作:辻仁成 『サヨナライツカ』
音楽:ソ・ジェヒョク 上映時間:2時間14分
出演:中山美穂・・・・・・・・・・真中沓子 (ホテルのスイートで生活する謎の美女)
西島秀俊・・・・・・・・・・東垣内豊 (29歳のエリートビジネスマン)
石田ゆり子・・・・・・・・・尋末光子 (豊の婚約者)
加藤雅也・・・・・・・・・・桜田善次郎 (豊の上司)
マギー・・・・・・・・・・・・・木下恒久 (豊の同僚)
<見どころ>
私の頭の中の消しゴム』イ・ジェハン監督がメガホンを取り、監督から熱烈な
ラブコールを受けた中山美穂が、『東京日和』以来12年ぶりの映画主演作で
愛に生きる強く純真な女性を熱演。原作は中山の夫・辻仁成。
バンコクで始まった恋が東京、ニューヨークと場所を移し、25年の時を超えて
愛へと変わる過程が切ない。
<あらすじ>
1975年、バンコクの高級ホテルに暮らしている沓子(中山美穂)は、お金に
不自由なく、男性から愛される満された日々を送っていた。
ある日、沓子はバンコクに赴任してきたエリートビジネスマンの豊(西島秀俊)と
出会い、二人はたちまち惹(ひ)かれ合うが、実は豊には東京に残してきた
光子(石田ゆり子)という婚約者がいた。
<感想>
中山美穂のご主人、辻仁成の小説を映画化。
ちなみに、NAOさん原作を読んでいます。
辻さんの描写って、どことなく哲学的な要素があるので、ちぃと苦手なのですが
映画は哲学的要素を薄くした感じに仕上がっていました。
主演は、12年ぶり主演の中山美穂さん。決して好きな顔立ちではないですが
オリエンタルな雰囲気が作品にマッチ。
衣装もとっかえひっかえで出ていましたが、胸がでかかったら着てみたいわ~と
思いました。個人的には右のワンピが着てみたいです。(胸があったらね・・・)
ミポリン演じる沓子と恋に落ちる豊に、西島秀俊さん。
原作読んでる時、「豊を演じるならこの人が合うな」と思っていたので
ほんと、ハマリ役だと思いました。煮え切らん男性を演じるの巧いな~この人。
で、R15作品なので、ミポリンとけっこう激しいベッドシーンが何回かありました。
なので、上半身の西島さんを拝むことが出来たんですが・・・。
男前とわかっているんですが、ちぃと好みの顔でなくて・・・。
だから上半身を拝む事が出来ても、激しいベッドシーンを観ても、
ファンの方すいません、ちっとも萌えませんでした。
原作と映画では、けっこう内容が違っていました。
沓子と光子の対照的な女性を描いているのですが、この点は原作のほうが
より明確に出ていたように思います。
原作では、沓子と光子は1回も会うことはないのですが、本編では
光子が沓子のすむサマセット・モームスイートを訪れます。
ここでの光子演じる石田ゆり子さんの演技は光っていましたね。
キャスティング自体、沓子=ミポリン、光子=石田ゆり子は、最高でしたが
二人の対照的な姿は、見事でした。
ただ個人的には、2人が会うことで光子の純な感じが薄れた感もあり。
沓子に言うとどめのセリフは、したたかな女を感じさせ、原作を読んだ私には
どうも馴染めませんでした。
豊は結局、自分の夢のために、沓子と別れることになります。
本当は、沓子のほうを愛してたのでしょう。
最後まで、「愛してる」と言うに言えなかったのは、言ったらすべてが崩れると
思った故での行動だったのと思います。
しかし、原作でも思いましたが、男の身勝手さがずいぶん出ていますね。
沓子と光子をたして2で割った女性が、たぶん男の人は理想なんでしょうか?
で、25年後のシーンが出てくるのですが・・・・・これ、長すぎ。
メイクで老け顔してるんですが、なんかしっくりこない。
老けてからのシーンが短ければ、なんてことないのですが、無駄に長い。
というか、盛り上がったと思ったら、まただらだらしてまた盛り上がる・・・
なんていうのが何回もあるから、じれったいのなんの。
ここは、もう少しコンパクトにまとめてほしかったです。
おかげで盛り下がった気分になって、余韻に浸れませんでした。
前半がよかっただけに、もったいないです。
さて、劇中のほとんどは、タイ・バンコクのシーンでした。
目をひくのが、舞台となったザ・オリエンタルホテルバンコク。
世界的に有名なホテルです。ここのスイートルームがためいきものでした。
イギリスの作家ウィリアム・サマセット・モームがこよなく愛した一室が
映画の舞台でしたが、ほんと素敵でした。映画を観ていると、タイに行きたいな~
なんて思うほど、素晴らしかったです。
しかし、原作でも男の都合のよい女性の描き方が目につきましたが
映像化すると、さらに際立ちますね。豊、沓子、光子それぞれの立場からみると
わからなくもないんですが、どの立場をとっても共感は持てませんでした。
後半、映像がところどころチグハグな所があったのが気になりましたが
あのあたりをもう少しつなげば、唐突に感じた部分も減ったように思うのですが。
“わかっちゃいるけど、ついそうなってしまい、苦悩する人間の様”が
原作では細かく描写されていますが、残念ながらこれがなかった。
日本人監督なら、心理的描写をうまく描いてくれたかもしれません。
重ね重ね、もったいないし、残念です。
でも、「サヨナライツカ」の詩は、ジ~ンときますね。心に響くというか・・・。
好きな人には、ちゃんと「愛してる」って伝えなきゃね。
いなくなってからでは遅いんだよね。なんだかんだで、そう思っちゃいました。
点数:5点 (10点満点)