<4月の鑑賞予定映画>
~全員、他人事じゃない~
2012年 日本映画 (2012.08.11公開)
配給:ショウゲート 上映時間:103分
監督:吉田大八
原作:朝井リョウ 『桐島、部活やめるってよ』(集英社刊)
脚本:吉田大八/喜安浩平
音楽:近藤達郎
主題歌:高橋優 『陽はまた昇る』
出演:神木隆之介・・・・・・・前田涼也(映画部)
橋本愛・・・・・・・・・・・東原かすみ(バドミントン部)
大後寿々花・・・・・・・沢島亜矢(吹奏楽部)
東出昌大・・・・・・・・・菊池宏樹(野球部)
清水くるみ・・・・・・・・宮部実果(バドミントン部)
山本美月・・・・・・・・・梨紗
松岡茉優・・・・・・・・・沙奈
落合モトキ・・・・・・・・竜汰
浅香航太・・・・・・・・・友弘
<見どころ>
早稲田大学在学中に第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウのデビュー作を映画化した
青春群像劇。学校一の人気者である男子生徒・桐島が部活をやめたことから、少しずつ校内の
微妙な人間関係に波紋が広がっていくさまを描く。
学校生活に潜む不穏な空気感を巧みにあぶり出したのは、吉田大八監督。
クラスでは目立たず地味な存在の主人公に神木隆之介がふんするほか、『告白』の橋本愛、
『SAYURI』の大後寿々花らが共演する。
<ストーリー>
とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也(神木隆之介)は、クラスの中では地味で
目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。そんな彼の学校の生徒たちは、
金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど
それぞれの日常を過ごしていた。ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。
それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。
<感想>
原作=未読
予告編から気になって観に行きましたが、タイトルに出てくる「桐島」君は一度も出てこないんですね。
なんとなく予想はしてましたが、最後までホントに出ないとは・・・・。
話は、学校のスター的存在、「桐島」がバレー部を辞めたことによって波紋が広がる様子を描いてます。
注目すべき点は、学校生活における「格差社会」を明確に描いていること。
「桐島」は成績優秀・スポーツ万能で人気者、そして彼女はマドンナ的存在の美人。
いわば、学校内でトップ階級の存在。その「桐島」が突然、部活をやめて学校に来なくなってしまう。
スターの彼に何が起こったのか?周りは騒然となる。と同時に、今まで同じ階級にいたと思ってた者
同士にに亀裂が走ったり、一番下っぱ扱いされていた者が逆襲したり・・・と、不安定な中にかろうじて
安定を保っていたものが、崩れてしまう。
「桐島」の部活を辞めた理由が、この映画の本題ではなく、そのことによって、10代の抱える
ドロドロとした物を描いていると思います。主役は、ここに出てくる高校生みんなというわけですね。
主演を演じた神木くんは、さすがの演技。子役あがりですが、うまく子役~俳優に進んで行ってると
思います。映画オタク少年ぶりは、なかなかのものでした。
かすみ役の橋本愛さんは、今年絶好調ですね。「アナザー」にも出てますが、確かにホラー顔かも。
「告白」でもいい演技してましたし、この後も映画目白押しなので、楽しみな女優さんです。
大後寿々花さんも、うっとおしい女子高生役ナイスでした。
実際、こういう子いたらほんとにうっとおしいでしょうね。。。。。。。あれを見て諦めたのかな?
男子のリアルなボーイズトークは、なるほどねぇ~と思って見てました。
うちの息子も似たようなこと言ってるな。(中学生なのに
)
桐島が部活をやめる・・・・・・以外は、高校生の日常を淡々と描いているので、オチとかヤマを
期待している人には、拍子抜けかもしれません。
私は、全く同じ年頃の子供を持っているせいか?高校生のリアルな日常をうまく描いているなぁ~と
思いながら観ていました。
学校という閉塞な社会、そこに生まれる「格差社会」をうまく描いていると思いました。
ただ、タイムリーな高校生には理解しづらいかも?
現に、映画館に来ていた子、半数は高校生でしたが見終わった後、口々に
「マジ、意味わかんない」という声があちこち聞えてきました。
高校生活を謳歌している子、かつてしていた子には、不向きな作品。
逆に、大人になってみてわかる作品かと思います。
キレイごとを並べていない青春映画です。 賛否両論ありますが、見て損はないかと。
点数:8点 (10点満点)
~予告編~