<1月の鑑賞予定映画>
~なぜ少年は、生きることができたのか~
2012年 アメリカ映画 (2013.01.25公開)
配給:20世紀フォックス映画 上映時間:127分
監督:アン・リー
原作:ヤン・マーテル 『パイの物語』(竹書房刊)
脚本:デヴィッド・マギー/ディーン・ジョーガリス
音楽:マイケル・ダナ
出演:スラージ・ジャルマ/イルファン・カーン/アディル・フセイン/タブー
レイフ・スポール/ジェラール・ドバルデュー
<見どころ>
世界的な文学賞ブッカー賞に輝いたヤン・マーテルのベストセラー小説「パイの物語」を、
『ブロークバック・マウンテン』などのアン・リー監督が映画化。
動物園を経営する家族と航行中に嵐に遭い、どう猛なトラと一緒に救命ボートで大海原を
漂流することになった16歳の少年のサバイバルを描く。主演は、オーディションで選ばれた
無名のインド人少年スラージ・シャルマ、共演にはフランスの名優ジェラール・ドパルデュー
が名を連ねる。227日間という長い漂流の中で、主人公がどのように危機的状況を乗り越え
たのかに注目。
<ストーリー>
1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住する
ため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残った
パイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、
ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラ
だけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を
狙っていて……。
<感想>
2Dで鑑賞しましたが、これは3Dで観た方がもっと幻想的に映ったでしょうね。
とにかく、映像がキレイでした。
CG撮影が多いのは、予告編でも予測できましたが、まさかトラがCGとは驚き!
どこから見ても本物にしか見えませんでした。「ナルニア国物語」のアスランより
本物でしたよ。CGの技術の高さに驚愕です。
パイという男性が、227日もの間、太平洋上をトラと一緒に漂流して生き延びた体験を
ライターに回想し語る形で話が進みます。
イギリスへ移民するために家族と船に乗って嵐で遭難、家族を失う悲しみに浸ることも
ままならず、トラとの漂流生活がスタート。
映画冒頭はまったりした展開で半分眠そうになりましたが、サバイバルな展開以降は
眠気も吹っ飛び見入ることが出来ました。とにかくパイの生命力が凄い。
頭のよい少年なので、機転が早い。私だったら、とっくにトラに食べられてますわ。
興味深かったのが、パイは獰猛なトラを飢えさせないことを常に考えていたこと。
そのために、自分のテリトリーと作りお互いの距離感を保っていたのに感心しました。
ちょっとでも油断すると食べられちゃう ・・・・この緊張感が巧く表現出来てると感じました。
観ていて、これは現実なのかパイの空想話なのか?
最後、ライターに話す「もうひとつの話」が、たぶん漂流生活の真実なのでしょう。
トラにはリチャード・パーカーという名前がついてましたが、あれ?どっかで聞いたこと
あるぞ?ともやっとしながら鑑賞してたので、帰宅後調べたらなるほどね。 ここクリック。
動物が出てくるので、お子さんが観てもそれなりに楽しめるでしょう。
「生きるということは、手放すことだ」
・・・生きるということの根本の重さを問いていて、なかなか奥深い映画でした。
ただ想像してたのとは違い、宗教・哲学色が強い作品なので、好き嫌い分かれるかも?
点数:7点 (10点満点)