<12月の鑑賞予定映画>
~その一皿がフランスを変えた~
2012年 フランス映画 (2013.09.07公開)
配給:GAGA 上映時間:1時間35分
監督:クリスチャン・ヴァンサン
原案:ダニエル・マゼ=デルプシュ
美術:パトリック・デュラン
音楽:ガブリエル・ヤーレ
出演:カトリーヌ・フロ/ジャン・ドルメッソン/イポリット・ジラルド/アルチュール・デュポン
ジャン=マルク・ルロ/アルリ・ホベール/ブリス・フルニエ
<見どころ>
『恋愛小説ができるまで』のクリスチャン・ヴァンサンが監督と脚本を務め、
フランス大統領官邸史上唯一の女性料理人の実話を基につづる感動作。
フランソワ・ミッテラン大統領のプライベートシェフとして腕を振るった主人公の奮闘を描く。
『地上5センチの恋心』などで知られるセザール賞の常連カトリーヌ・フロが、ポジティブな
ヒロインを熱演。一皿一皿を丁寧かつ心を込めて作る料理人が生み出す小さな奇跡や
絆が心を打つ。
<ストーリー>
ある日、フランスの田舎でこじんまりとしたレストランを経営するオルタンス(カトリーヌ・フロ)
のもとにフランス政府の公用車がやって来る。彼女はパリ中心部にあるエリゼ宮殿と
呼ばれる大統領官邸へと招かれ、フランソワ・ミッテラン大統領のプライベートシェフに
任命されたのだ。だが、これまで女性料理人がいなかった男社会の厨房ではオルタンスは
よそ者でしかなく……。
<感想>
ミッテラン元仏大統領のプライベートシェフだった、デルプシュ氏のお話。
フランス映画らしいオシャレな作品でしたが、内容はかなりシビアでしたね。
大統領ご指名のシェフに選ばれたのはいいが、男社会の厨房世界でいじめ?られても
持ち前のポジティブと笑顔で、立ち向かいます。ちょっとスポ根的かしら?
観ていて、「負けるな~~!」と心の中で叫んじゃいます。
料理のお話なので、おいしそうなフランス料理がいっぱい出てきます。
大統領は、「シンプルなフランス料理が食べたい」ということで、フランス田舎料理を
作ることが出来る彼女を選んだのですが、これでもシンプルなんだ・・・・・。
料理をおいしそうに見せるカットがとっても良かったです。
一番食欲そそったのは、フランスパンの上にトリュフをこれでもか!とのってたバゲット。
なんて贅沢なんでしょっ。
男性シェフたちの嫌がらせや妨害にもめげずに立ち向かい、克服してハッピーエンドに
なるお話かと思いきや、そうではなかった。わずか2年で専属シェフを辞め、南極基地の
厨房へ転職し、そこでのシーンと専属シェフ時代のお話とが交差する展開になってます。
双方の仕事の対比を通して、彼女が料理人として欲していたものが描かれていました。
なので、ドラマティックな展開はちょっと薄かったですが、「料理は誰の為にするの?」って
いうのがわかる作品でしたね。
エリゼ宮で、いくら大統領に美味しいものを作っても、真近でおいしい!と感じて笑顔で
食べてくれる姿が見られないのじゃね。
基地では、目の前で「おいしいおいしい!」と言ってくれる隊員たちがいる。
料理人にとっては、後者の方が絶対遣り甲斐があるよね。
シビアなお話でしたが、フランス映画らしい小粋な感じの映画でした。
映画:8点 (10点満点)