<3月の鑑賞予定映画>
~クリムトが描いた、一枚の肖像画~
2015年 アメリカ/イギリス (2015.11.27公開)
配給・提供:GAGA 上映時間:1時間49分
監督:サイモン・カーティス
原案:E・ランドル・シェーンベルク/マリア・アルトマン
脚本:アレクシ・ケイ・キャンベル
音楽:ハンス・ジマー/マーティン・フィップス
出演:ヘレン・ミレン/ライアン・レイノルズ/ダニエル・ブリュール/ケイティ・ホームズ
タチアナ・マズラニー/マックス・アイアンズ
<見どころ>
ナチスに奪われた世界的に有名なグスタフ・クリムトの名画を取り戻すため、オーストリア
政府を相手に返還訴訟を起こした女性の実話を基に描いた人間ドラマ。
肖像画のモデルとなった女性のめいで、戦争に運命を翻弄された実在の主人公を
オスカー女優ヘレン・ミレンが好演する。彼女とタッグを組む弁護士に、『[リミット]』などの
ライアン・レイノルズがふんし、『ラッシュ/プライドと友情』などのダニエル・ブリュールらが共演。
『マリリン 7日間の恋』などのサイモン・カーティスがメガホンを取る。
<ストーリー>
アメリカ在住の82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は、グスタフ・クリムトが描いた
伯母の肖像画で第2次世界大戦中ナチスに奪われた名画が、オーストリアにあることを知る。
彼女は新米弁護士ランディ(ライアン・レイノルズ)の助けを借り、オーストリア政府に絵画の
返還を求めて訴訟を起こす。法廷闘争の一方、マリアは自身の半生を振り返り……。
<感想>
クリムトの傑作「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像」」をめぐる実話を基にしたお話。
あの絵画にこんな裏話があったの全然知りませんでしたよ。
それに加えて弁護にたった弁護士が、あの大作曲家シェーンベルクのお孫さんというのも驚き。
何気にエスティ・ローダーのご子息も絡んでたのにも驚きましたわ(笑)
オチがわかっているとは言え、やっぱり見応えありましたね。
マリアを演じたヘレン・ミレンは、さすがの演技力。
でも、ライアン・レイノルズの弁護士も凄く良かった。最初ダメダメの新米弁護士が
ホロコースト記念碑を見て、自分のアイデンティテイーに気づいた後からの変化は
目覚ましいものでした。
20世紀美術史の知られざれるお話は、美術に興味ある私としてはやっぱり感動。
裁判で決着した後に、マリアがオーストリア側の弁護士へ言い放った言葉が良かったですね。
彼女に所蔵権を渡して、オーストリアの美術館に寄贈という形を取ればまるく収まったのに
あんな態度とるんですもの。
それにしても、今年は戦後70年ということで、邦画も洋画も第二次世界大戦時代を
扱った作品が多いですね。
実話もの好き、美術史関連が好きな私にとっては、好きな映画でした。
あ!一つ不満が。邦題タイトル、めっちゃダサイ。
ふつーの原題「woman in gold」で良かったのでは?
点数:9点 (10点中)