<3月の鑑賞予定映画>
~世界一の臆病者が、英雄になった理由とは~
2016年 オーストラリア/アメリカ合作 PG-12指定 (2017.06.24公開)
配給:キノフィルムズ 上映時間:2時間19分
監督:メル・ギブソン
製作:ビル・メカニック
脚本:ロバート・シェンカン/ アンドリュー・ナイト
衣装:リジー・ガーディナー
音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ
出演:アンドリュー・ガーフィールド/サム・ワーシントン/テリーサ・パーマー
ヴィンス・ヴォーン/ルーク・ブレイシー/ヒューゴ・ウィーヴィング
<見どころ>
俳優として数々の話題作に出演し、監督としては『ブレイブハート』でオスカーも手にした
メル・ギブソンがメガホンを取って放つ感動作。第2次世界大戦中に銃を持たずに
戦地入りし、多くの負傷した兵士を救った実在の人物をモデルに奇跡の逸話を描く。
主人公を『沈黙 −サイレンス−』などのアンドリュー・ガーフィールドが熱演。自身の
信念に基づき、勇気ある行動をとった兵士の物語が胸を打つ。
<ストーリー>
第2次世界大戦中、デズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)は、人を殺しては
いけないという信念を持ち、軍隊に入ってもその意思を変えようとしなかった。
彼は、人の命を奪うことを禁ずる宗教の教えを守ろうとするが、最終的に軍法会議に
かけられる。その後、妻(テリーサ・パーマー)と父(ヒューゴ・ウィーヴィング)の尽力
により、デズモンドは武器の携行なしに戦場に向かうことを許可され……。
<感想>
恥ずかしながら、「ハクソー・リッジ」の舞台が、沖縄の高田高地ってこと初めて知りました。
加えて、「良心的兵役拒否者」という言葉も。
宗教上の理由などにより兵役を拒否する人のことを、こう呼ぶそうです。で、代替業務に
従事できるわけですが、ここが当時の大日本帝国と違いますね。きっと非国民扱いされ
家族まで避難轟轟言われるんだろうな。その点においては、アメリカは度量があるなと
思います。
物語は、デズモンド・ドスの幼少&家族について、志願兵の訓練時代、ハクソーリッジの戦闘
の3部構成。彼がどのようにしてハクソーリッジでの奇跡を起こすまでに至ったかが
丁寧に描かれていて良かったし、ハクソー・リッジでの戦闘はまさに地獄絵図。
肉弾戦のような描写はえぐいし、日本人としては複雑な思いもあったが、戦争の悲惨さや
愚かさを改めて感じます。と同時に、日本人でありながら高田高地の戦いを
全く知らなかった自分が恥ずかしいです。
アンドリュー・ガーフィールドは、「沈黙」に続き今作も宗教の教えに信念を持った役柄。
こちらは宗教の信念というより、彼自身の信念を感じましたが、いい役者さんに
なったなぁと感じました。
敗戦国の一国民としては、少々複雑な気持ちですが、ドスの行動は素直に感動しました。
「プライベート・ライアン」を超えた戦闘シーンも納得。
アメリカ視点ですが、日本人もぜひ観るべき映画だと思います。
点数:9点 (10点中)