<12月の鑑賞予定映画>
~太平洋戦争前夜。時代の嵐が二人の運命を変えていく~
2020年 日本映画 (2020.10.16公開)
第77回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞(監督賞)受賞作品
配給:ビターズ・エンド 上映時間:115分
監督:黒沢清
脚本:黒沢清/濱口竜介/野原位
音楽:長岡亮介
美術:安宅紀史
出演:蒼井優/高橋一生/坂東龍汰/恒松祐理/みのすけ/玄理
東出昌大/笹野高史
<見どころ>
『トウキョウソナタ』『岸辺の旅』などの黒沢清監督によるドラマの劇場版。
太平洋戦争前夜を背景に、運命によってもてあそばれる夫婦の試練を描き出す。
蒼井優と高橋一生が『ロマンスドール』に続いて夫婦にふんし、『犬鳴村』
などの坂東龍汰や、『コンフィデンスマン JP』シリーズなどの東出昌大らが共演。
『寝ても覚めても』などの濱口竜介監督と、濱口監督の『ハッピーアワー』
などの脚本を担当した野原位が、黒沢監督と共に脚本を手掛ける。
<ストーリー>
1940年、神戸で貿易会社を経営する優作(高橋一生)は満州に渡り、
偶然恐ろしい国家機密を知る。正義のために一連の出来事を明るみに
出そうとした彼は、反逆者とみなされてしまう。優作の妻の聡子(蒼井優)は
反逆者と疑いの目で見られる夫を信じ、スパイの妻とそしりを受けても、
愛する夫と手に手を取って生きていこうと決意する。
(以上シネマトゥディより)
<感想>
ドラマ版=未見。ドラマ自体あったの知らなかったので、映画版は
絶対観に行こうと思っていたから、公開前から楽しみでした。
日本が舞台なのに、まるでヨーロッパ映画を観るかのような雰囲気ある
映像。作品自体も良かったですが、この雰囲気がベネチア映画祭でも
ポイントが高かったのではないでしょうか?
蒼井優さん、とても難しい役柄でしたが安定感ありましたし
高橋一生さんは、この役柄にぴったりだったと思います。また二人の
雰囲気もいいですよね。ヤマちゃん嫉妬しちゃったんじゃ?(笑)
あと、東出昌大さんがめちゃくちゃ良かった。
無表情の中の狂気じみた役柄は、とても合っているように思います。
彼の演技を観るだけでも価値ありです。
「戦争」というものに支配された人間の恐ろしさがひたひたと感じられ、
不気味さを感じましたし、今の世界も、そういうある種の似た感じを受けます。
「私は狂ってはおりません。
しかしやはりそれは“狂っている”ということなんです、この国では。」
最後のシーンで発する聡子のセリフが響きます。
映画でしたが、舞台を観ているようにも感じたので、舞台化も
ありなんじゃない?
点数:8点 (10点中)