<12月の鑑賞予定映画>
~愛したはずの夫は、まったくの別人でした~
2022年 日本映画 (2022.11.18公開)
配給:松竹 上映時間:121分
監督:石川慶
原作:平野啓一郎
脚本:向井康介
美術:我妻弘之
音楽:Cicada
出演:妻夫木聡/安藤サクラ/窪田正孝/清野菜名/真島秀和/小藪千豊
坂元愛登/山口美也子/きたろう/カトウシンスケ/河合優実
でんでん/池上季実子/仲野太賀/真木よう子/柄本明
<見どころ>
映画化もされた「マチネの終わりに」などで知られる平野啓一郎の小説を映画化。
死後に別人と判明した男の身元調査を依頼された弁護士が、他人として生きた男の
真実を追う。監督は『蜜蜂と遠雷』などの石川慶、脚本は向井康介が担当。
主人公を石川監督作『愚行録』などの妻夫木聡、彼に調査を依頼する女性を
『百円の恋』などの安藤サクラ、彼女の亡き夫を『初恋』などの窪田正孝が演じる
ほか、眞島秀和、仲野太賀、真木よう子、柄本明らが共演する。
<ストーリー>
弁護士の城戸章良(妻夫木聡)は、かつての依頼者である谷口里枝(安藤サクラ)
から亡き夫・大祐(窪田正孝)の身元調査を依頼される。離婚歴のある彼女は
子供と共に戻った故郷で大祐と出会い、彼と再婚して幸せな家庭を築いていたが、
大祐が不慮の事故で急死。その法要で、疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)
が遺影を見て大祐ではないと告げたことで、夫が全くの別人であることが判明したの
だった。章良は大祐と称していた男の素性を追う中、他人として生きた男への
複雑な思いを募らせていく。
<感想>
久々に妻夫木聡の主演映画ということで早々に鑑賞。
石川慶監督作品は少し苦手だったのですが、これは集中して鑑賞することが出来ました。
主要キャラ3人の演技は抜群の安定感。そして登場場面は少ないが
柄本明の存在感ある演技は毎度のことながら圧倒されます。
あと、息子を演じた坂元愛登君の演技にもらい泣き。
複雑な感情を自然に演じていて素晴らしかった。今後が楽しみです。
冒頭とラストに出てくるルネ・マグリットの絵画がなかなかシュール。
映画のカットでも「鏡」のような効果を狙ったアングルが出てきましたが
この絵画もそんな意味合いなのでしょう。
「xの正体」を通して主人公の生い立ちを自身が再確認させられてしまうという
ストーリーが本筋だったのではないか?となると、ラストのカットも
納得できます。
思想的には好みでないし、なかなか複雑な作品ですが、
結構余韻が残る映画でした。
これは賞レースに食い込んでくるでしょうねぇ~。
点数:7点/10