くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

ゾウと泳いだアンダマン おわり

2010-04-16 09:04:39 |  ダイビング
2010 年3月29日(月)。

オールという暴挙で、パヌニーヨット下船の朝を迎えた。

パヌニーヨットは、タイの船なので、積んであるビールはシンハだ。で、私はシンハがあまり好きではない。沖縄のオリオンにはじまり、シパダンでタイガー、フィリピンでサンミゲル、バリでビンタン、ラパスでコロナとサン、タヒチでヒナノ、ニユーカレでNo1、パラオでは日本では売ってない米国バドライトと、その土地、土地のビールと恋におちるのに。ビアチャンにいたっては、ほぼ飲めない。なので、日々、おつきあいでシンハを1カン、しかも氷を入れて飲む程度でヘルシーに過ごすはずだった。

ところが、今回はe-diveリピーター参加率が高いだけあって、持ち込みのお酒やお菓子が実に潤沢だったので、結局遠慮なく「いただきま~す!」…。下船前夜は、酒池酒林になれるほど、まだお酒が残っていたので、無駄にしないためにがんばってみた。がんばっているうちにしらんできた。

お酒を飲まない人も含め、一睡もしなかった人は3人。いまさら寝てもつらいでしょーと思っているうちに、パヌニーヨット粥が出る時間になった。



パヌニーヨットでは毎朝、お粥が出る。
朝のダイビングで体が冷えたあとにも、お酒のあとにも、ありがたいメニューだ。
食事はタイ料理がメインだが、食べやすい。
ただ、お粥とか、麺とか、主食部分の盛りは軽めだったので、がっつり系には足りないと思う。

パヌニーヨットのスタッフはみんなよく働く。
それに、ゲストに失礼な態度もないし、いつも私がボルネオで乗っているお船のやつらに、爪の垢をせんじて飲ませたいくらいだ。
船全体も、これまで乗ったクルーズの中では、いちばん使いやすかったように思う。
2部屋あるスイートをのぞいては、共同トイレ&シャワーなのが残念だが、メナドのミンピ号や、セレベス・エクスプローラーのような狭苦しいバスルームなら、むしろ部屋にないほうがましかも、と思える。
船内の階段も、ほかのクルーズとはちがい、広めな構造なので、のぼりおりがしやすい。
部屋も、気合の入ったカメラ野郎むけの部屋以外は、二段ベッドではなく、ツインなので、使いやすい。

さて、みんなパッキングや精算が落ち着くと、記念撮影タ~イムがあって、そして下船。

船を降りてまたチェンナイに飛ぶのかと思うと、憂うつになる。
チェンナイゆきのキングフィッシャー航空のポートブレア発は12時50分、チェンナイ着は14時45分。そして、一部、インド旅行を続けられる方をのぞいては、皆、またTGやSQで日本へ帰る。TGもSQも出発は深夜なので、夜まで時間をつぶさなければならない。そのため、スケジュールにはチェンナイ観光がくみこまれている。もともとチェンナイの観光に積極的ではないところにもってきて、徹夜あけにはつらい。自業自得だが。

午前10時頃、パヌニーヨットを下船し、炎天下、ディンギーでぎゅうぎゅうになりながら、港へ移動。港では、またパヌニーボーイズが裸足でコンクリの地面ぺったりなのに、あらためて驚く。そしてまた、エアコンのないバスが待っていた。

ポートブレア空港は、またまた大混雑で、エアコンもないところで、受託手荷物のセキュリティチェック行列、チェックイン行列、イミグレ行列、搭乗口のセキュリティチェック行列と、なかなかすすまないいらいらと疲労と暑さとでくらくらする。おまけに、ポートブレアの空港に着いた頃から、パヌニー乗船後はすっかりなりをひそめていたおなかに再度異変が・・・。先日同様、トイレにかけこむ必要はない。たぶん汚いことが予想される空港のトイレよりも、機内のトイレにしておこう、とコントロール可能なレベルだ。キングフィッシャーのベルト着用サインが消えるとともに、トイレへゆくと、またもぷちコレラ患者状態に陥っていた。

でも、しっかり機内食は食べる。もちろんミールはまたカレー。中5日あいてのカレー登板だ。いろんなスパイスがきいて、深~い味わいなのは、さすがインドだが、まだ食傷気味。あと、キングフィッシャーのコーヒーは、なかなかおいしかった。かわせみマークの、小さなミネラルウォーターボトルを2回もらえるのもうれしい。

チェンナイに到着し、「これから行く先々のトイレは、きついと思うので、空港で行っておいたほうがよい」というすすめもあり、トイレに行く。トイレに行けば、ぷちコレラ患者なので、トイレに行くこと自体が恐怖なのだが、あとで後悔するよりはよいかと、一応寄っておく。国際空港のくせに、備え付けのトイレットペーパーもない、水浸しのトイレ。ここでも十分きついトイレだ。こんなんで空港税なんてとらないでほしい。

そしてせまくるしいバスで観光スタート。車窓からの景色を見ても、東南アジアの町がゴミゴミした感じなだけで、なにも新鮮さを感じないので、眠る。バスが走っているあいだは、ほとんど寝ていた。ヒンドゥー寺院は、ヒンドゥー教徒のお祭りで入れないと言われつつも、みんなは降りていったが、入れないんならと、怠け者の私は、車内で半分眠ってた。

やがて、バスが止まると、ベージュのビーチだった。いったいどこまで歩いたら波打ち際?といった、広い砂浜。マリナビーチというのかな?



道路ぞいには、こんな屋台がいっぱい出ている。こちらは休業中だったが、7upファンなもんで・・・。



こうした屋台では、主にアイスクリームを売っている。ルピーの余っている方に、アイスクリームを買ってもらってたべる。おなかの中は、ごろんごろん言っているが、おかまいなく。おいしー。なんとなく心ひかれるパッケージのお顔。ちなみにキャラメル味。



このあたりは、スマトラ沖地震の津波で、大きな被害を受けたそうだ。沿岸の建物には、その爪痕が今も残っていた。ボロボロの家屋、地べたにつながって座ってる女性たち…と、スラム地域もあった。去年行ったバンダアチェは、あんなに復興めざましかったのに、ここはなぜこうも取り残されてしまっているのだろう。

こうして、起きたり眠ったりしながら、車窓からの景色をながめているうちに、サンセット。



さて、チェンナイ観光には、「チェンナイ市内インド料理店にてご夕食」というのが入っている。はぁー。しかし、こんどはちゃんとした料理店で、本格的で超おいしいインド料理が出てくるかも、と少しだけ期待してみたが、なんとまた、問題児チェッカーズホテルだった。脱力。

またも特別おいしくもないカレーを食べる。
ビールはキングフィッシャー・ビール。
キングフィッシャー航空は、このビール会社の傘下なんだそうだ。
デザートは、一部おいしいものもあった。
インド料理といえば、ナン、タンドリーチキンといったところだが、みかけない。
あとから知ったが、日本で食べるインド料理は、北インド料理がメインで、南インドとは少々おもむきが違うらしい。たしかに、ボンベイとか、インド&ネパール料理とか、北インド地方を思わせる名前の店がほとんどだ。

食後、このあともインドで旅を続けられる方々とお別れし、空港へ移動。SQのカウンターははがらがらで、さっさと手続き完了。空港の売店に、おいしそうなココナッツクッキーのパックがあったので、買おうかと思ったがルピーがない。国際線ターミナルのくせに、通貨はインドルピーとUSドルしか受けないそうだ。どこに行っても、日本円は通用するのに、インドはそうはいかなかった。ゲートで何名か集まると、ルピーの余った人の寄付でドリンクを買うことになった。しかし、ビールはノンアルコールでぬるく、ソフトドリンクもどれひとつ冷えちゃいなかった。そして、SQ組から出発。

旅行をしていると、だいたいいつも「もっとここにいたいよ。帰りたくないよ。」と思うものだが、まったく何の未練もなくインドを飛び立つ。

そして、ミールは、予想はしていたが、おいうちをかけるようにまたもカレー。



うぇっ、と思いながらも完食。ああ、もう二度とカレーはいらない。たぶん、この言葉を撤回する日がそう遠くない将来に来るとは思うが、立ち直るには少し時間がかかりそうだ。機内はガラガラで、食後は横になっておやすみなさい。そしてSQに乗ったとたん、おなかは正常に戻った。なんだったのだろう?もうこれは、想像コレラとしかいいようがない。

見慣れたチャンギのターミナル2に到着すると、名古屋や大阪方面へ帰るひとたちとお別れ。成田ゆきはターミナル3から出るが、ターミナル2のベンガワン・ソロのクッキー(安くて缶がしゃれていておいしいおすすめ品)と、行きに気になったAsian Diverを買ってからターミナル3に移動。ターミナル3をみてると空港にバクテを出す店があった。バクテ食べたい、がカレー攻撃の打撃は大きく無理。

残念なことに、シンガポール~成田は満席だったが、ひたすら窓に頭を押し付けたまま眠り続けた。食事で起こされ、フィッシュミールをしっかり食べた。Tigerも飲んだ。となりの多分アメリカ人は、張り切って和食をオーダーし、私だったらホークやスプーンで食べるものまで、ちまちまとお箸で、時間をかけてお召し上がりになっていた。あとは首が痛いと思いながら、トイレにたつこともなく眠り続けたので、あまり時間を感じずに成田に着いた。

地元に無事帰ると、桜がほぼ満開だった。これはなんだか得した気分。

これまでサンガラキ、ランカヤン、プラウ・ウェー、アンダマン諸島、マラブ(ニューカレドニアの北)と、人があまり潜っていないところに行こう、と辺境ねらいをするたびに、いまいちな結果で、ちょっと学習。モルディブにしても、オフシーズンに行って、「ちょっとこれまで潜ったことがないところを開拓してみましょう。」なんて行ってみると、まったくもってしょうもないポイントだったりする。手つかずの海イコール、ダイビングがおもしろいわけではない。

それにしても、シパダンのように、ディープから水面まで、マルチレベルで全深度で楽しめて、魚影も濃いというのは、稀有な環境だとしみじみ思う。

こうして、「花は桜木、海はシパダン」、と、しみじみ思うインド旅の終わりであった。


おしまい

アンダマン ゾウのあと(4) あとはジュゴンに会いたい!

2010-04-16 00:11:14 |  ダイビング
2010年3月28日(日)

最終日は、クルーズ中、比較的好評だったポイント、ミネルヴァ・レッジに戻ってまず1本。
ガイドは、きのうときょうは、日本人チコさん。気配りのできる、いい方だった。

あいにく、3日前とは違い、透明度は落ちていた。

あいかわらず、水底は、平凡な顔ぶれ。









Decoに注意して、早めに中層へ移動すると、バラクーダのしっかりとした群れが登場。
バラクーダは横長に広がる群れより、縦長に伸びる群れが好きだ。



しましまの連続はいつ見てもいいもんです。




2本めは、パイロット・リーフという浅めの砂地ポイント。
起伏にとぼしく、ひたすら砂地をはう。
何テンスかわからないが、テンス系幼魚がよく漂ってた。
下を向きがちなポイントであるが、チコさんがモビュラーさんx3を、みつけてくれた。



最終日は3ダイブのみで、ラストはラジャンさんの島近く。
ジュゴンも訪れることのあるという、期待のポイントだが、入ってみたらにごにご。
ジュゴンの食べるアマモもなく、入ってすぐ、ジュゴンなんて出るわけないな、と思った。
かつてサンゴが栄えていたようだが、ほぼ壊滅状態だ。
ジュゴンは、出たこともある、くらいの、レアレア既成事実なだけかもしれない。



透明度なし、見どころなしで、悲しいことに、最後がいちばん美しくないダイビングだった。

5日で19ダイブ。
おそらく、私にとって最初で最後であろうアンダマン諸島でのダイビングが終わった。