シルバーウィークはシパダンウィーク
毎年9月は南の海に潜りにゆく。それもだいたいシパダンなのだが、今年はコモドかバア環礁かで迷っていた。コモドであわよくば水中イルカをみて、帰りにバリでマンボウに会うっていうのと、ハニファルベイでマンタとジンベイにまみれるのではどっちがいいかなぁ、と悩んでるうちに、シパダンウィークを知ってしまった。C/E(セレベス・エクスプローラー)で5月から9月の特定の週だけ、シパダンに月~金の5日連続で潜れるの巻なのだ。そしてシルバーウィークが、そのシパダンウィークのラストだ。
シパダンにはマンタは玉になってやってくることはないし、ジンベイは年に1回ていど、それも単体で、よほど運がよくなければ会えない。シパダン毎日>マンタ玉ジンベエ≧もしかしたらイルカと低水温マンボウ。シパダンに5日間連続、それも1日4本潜れることのほうが今や貴重に思えて、迷いはふっとび、シパダンでアオウミガメまみれになることにした。それに、さすがにもうどうでもいい記念ダイブもやってくる。300本の頃より、記念ダイブは基本シパダンとしているのだ。
しかし今年のシルバーウィークのC/Eは、某旅行会社がチャーターしており、ツアー代金は衝撃の高さ。昨年の同時期にC/Eで仲良くなった人々からは、「よくそんなに払うね!」と言われるほどだ。船は、「ダイバーは海がよければいいんです!」精神だけでリピートしている、快適・設備充実とはほど遠いC/Eにかわりはないのに、アグレッサーですか?と思うようなお値段。それでもSipadan everydayは、馬の鼻にニンジン。お金にかえられない。それに9月はやはりシパダンじゃなくちゃ!それでも微妙にマンタ玉とジンベエに未練を残しつつ、シパダンへ出発だ。そして、今回も、普通の東京発着パッケージではない、お得意のオリジナルスケジュールだ。
なぜか関空
うちから成田までは、近くのホテルから出るリムジンバス1本で90分。
なのにゴールデンウィークはセントレア、今回は関空発。
ゴールデンウィークは、KKゆきのフライトがまったくとれず、なんでもいいからKKにゆける便ということでセントレア発となった。シルバーウィークは、さすがにゴールデンウィークほどは混んでおらず、なかなかとれてはこなかったものの、MH便をちゃんと確保できた。なぜに都民が関西かといえば、成田発は関西発より3万近く高い便しかとれず、安い方にこしたことはないとケチったこと、それとC/Eに同行する友だちが関西発ということもあって、私も往路だけ関西にしてみた。成田発だと、MHの出発時間は10時半なので、午前6時台のエアポート・リムジンに乗らねばならい。これだと羽田まで30分の私には、ANAの7時台の羽田発関西行きに乗るよりもむしろ家を早くでなくてはならないのだ。土曜日は、成田からは2便あり、13:30発というのもあるが、これだと到着が真夜中なのでそれも避けたい。
安い関西発にしたことで、羽田→関西の航空券を買ってもまだまだおつりがくるが、前回の名古屋ゆき深夜バスに味をしめ、今回もバス。実は、今話題の設備豪華な深夜バスに乗ってみたかった。しかしさすがに3連休前の金曜夜の便は満席でとれずにがっかり。1席だけ残っていたドリーム号を利用して、OCAT(大阪シティエアターミナル)で降り、そこから関空ゆきのリムジンにのりかえることにした。夜型の私は、朝はもたもたしているので、早朝羽田発の場合は、だいたいいつも乗り遅れるかも、という事態に陥る。羽田のチェックインで受託手荷物を預けられるタイミングでチェックインができたことがまずなく、ほぼ毎回、ダイビング器材の入った大荷物をひきずってコンコース走り、搭乗口で預けるといったパターンだ。ドリーム号のリクライニングはほどほどで、深い眠りではないにしても、ほとんど眠っていた。東京駅八重洲口から乗車したが、新宿駅新南口に着く前に、もうごうごういびきをかきバクスイしてる二人のおっさんがうらやましかった。出発後、山梨県のどこかのSAで1回だけ休憩のあとは、ノンストップで走る。格安バスとは違い、2時間に一度の休憩で、車が止まったことを契機に起きてしまうことがないのは楽だ。OCATには6時ちょい前に着き、むだなく6時10分の関西ゆきリムジンにのりかえ、7時には関空に着いた。
関西国際空港
フライトは11時発。チェックインは2時間半前からだから、時間はじゅうぶんある。2階にあるKANKU LOUNGEでシャワーを浴びることにした。ネットカフェ併設だが、シャワーのみの利用で500円。昔、海の家や、伊豆ダイバーだった頃に子浦の漁港で見たような簡易シャワーに毛がはえた感じ。15分間お湯が使えるが、しょせん簡易シャワーなので、5分でもうちょっと安いほうがよい。
シャワー後朝食を、と思うが、空腹感なくスタバでコーヒーのみオーダー。ショートで、「350円でございます」と言われ、軽く衝撃。東京では290円、カップ値引きなら270円なのに。ショートのカップが小さいと思うのはさすがに気のせい?しかも、現在のアニバーサリーブレンドではなくスマトラ。スマトラも好きなタイプのコーヒーなのでよいのだが、アニバーサリーのアの字もなかった・・・。スタバの横には、ブルーシールがあるので、紅いもソフトを朝ごはんがわりにした。ちゃっかりiPhoneのチャージを終えるとスタバを出て、3階のあんまり好みではないユニクロで、いろいろ服をあててみたり帽子をかぶってみたりしてから、友だちの到着予定の9時前になったので、そろそろチェックインと国際線出発フロアの4階へ移動することにした。
マレーシア航空 (MH53便 関西11:00KUL16:40)
4階は、2階・3階の静けさが嘘のように人だらけ。想像していたよりもはるかに人が多かった。とりあえず、MHのAカウンター前に移動し、友だちが来るのを待とうと思うが、Aカウンター手前のベンチに着くや否や、おなかが急降下。空胃にコーヒーとソフトクリームという暴挙のたまものか!?トイレ駆け込みでタイムロスしてる間に、友だちから「どこいる?」着信があった。ふたたびAカウンターにむかうと、ものすごい長蛇の列がとぐろを巻いていた。そのとぐろの尻尾の方に、友だちの姿をみつけ無事合流。少しずつしか進まない列も、やっと先頭に到達し、次は私たちの番という段階になると、MHの空港職員から「おひとりさまですか?」と聞かれる。「いいえ、ふたりです。」と返事。その職員、カウンターへ到達すると、また「おひとりさまですか?」「ふたりです」・・・荷物を乗せようとすると、またまた「おひとりさまですか?」・・・どんだけおひとりさまにしたいんだ。それかあまりの混雑にこわれちゃったか?チェックインをすると、事前座席指定がはずれていた。2名並べるのは4席並びの真ん中2席だけ、通路側はないというので、めいめい窓側をとってもらう。こんなんだから、おひとりさまにしたかったのか?チェックインを終えてから気づいたが、そういえばリクエストしておいた、私のアジアンベジタリアンミールもはずれていた。オンボード限定ベジタリアンなので、すっかり忘れていたが・・・。
DUTY FREEも冷やかさず、さっさと搭乗口のベンチでずっとしゃべっていると、ずいぶんあとになって、ボルネオ・ダイバーズにゆく名古屋の友だちが「もう最悪!」と言いながらやってきた。MHチェックインカウンターの長蛇の列にご立腹であった。さて、搭乗してみると、最近、SQばかり乗っていたせいもあるのだろうが、MHの機内サービスがずいぶん雑に感じた。アテンダントのサービス態度が、国際線とは思えない雑さなのだ。ひとりひとりに配るメニューカードは廃止され、ミールをサーブする段階で、手書きのメニューが差し出されて選ぶしくみ。エコノミークラスのメニューなんて、個々人に配るほどのものでもないし、これは資源節約でよいかも。メニューはチキンと魚から選べ、私は「白身魚のトマトソースあえ、マッシュポテトぞえ」にした。味は普通だが、とにかく、ボリュームが少ない。ドリンクは、コーヒー・紅茶・オレンジジュースとあけてあるワインしかオファーしたくないようだった。雑なマレー女子アテンダントにタイガービールを頼むが、タイガーはなくカールスだけという。マレーシアなのにタイガーがないとはなにごと!?と思いつつ、カールスで妥協。カールスは、だいぶあとになって、ぬる~いのをしぶしぶといった感じでサービスされた。
エアバスA330には、パーソナルスクリーンもない。のだめをやっていたが、画面小さすぎ。以前は、Whiteなる本や、ポスター目当てにCDを買うほど玉木宏の大ファンだったが、そんなこと忘れるともなく忘れてしまっている今は、眠ることにした、
到着2時間ほど前になると、アイスクリームとマフィンが出てきた。アイスは玉露で、かちんこちん。ランチボリュームは少なかったが、さすがにマフィンは重たい・・・。
KLIA(クアラルンプール国際空港)
KLIAに到着すると、まわりの飛行機は見慣れたMHの凧マークだらけで、いつものことだが落ち着く。KLでは約4時間のトランジットタイムがある。普通は入国後、そのまま国内線ターミナルへ移動するが、私たち3人はあえてトランジットエリアからは出て、ビアタイムにすることにした。まずは、サテライトビルの出発階にあがり、何か適当な店がないかのチェックと両替。円高でずいぶんいっぱいリンギットが来た。そのあと、ビールを置いているカフェにゆくが、ビールによいあてがない。インド系店員たちに商売っ気はなく、ゆる~い感じなので、協議の結果、バーガーキングで、フレンチフライとオニオンリングをテイクアウトしてカフェに持参。タイガービールで乾杯。
KL→KK (MH2628 クアラルンプール20:00 コタキナバル22:35)
けっこうぎりぎりまでカフェでうだうだしていたので、国内線ターミナルへは早足での移動をするはめになった。冷えすぎた国内線ターミナル。免税品の誘惑を横目にゲートへ着くと、飛行機は20分ほど遅れていて、な~んだ、こんなに急ぐんじゃなかった・・・。そしてまた機内食…。国内線アテンダントのサービスの方が、国際線よりよほどまともだ。日本線の、片言の日本語でのサービスが、ぞんざいな感じに思えるのかもしれないと感じた。もうミールはいりません、と思ったが、食べてみたら、ビーフレダンが案外おいしくて完食。
KK
KKに着くと、セレベス・エクスプローラーの送迎くんが待っていて、その場で、今日宿泊するシャングリラ・ホテルのカードキーをくれた。送迎くんは、もっと遅いフライトで着くゲストを待たなければならないので、送迎車に乗ってホテルにゆくようにと言ってバイバイ。シャングリラのレセプションも、バスがつくたびに行列になったものだが、チェックインする必要がないというのはありがたい。
シャングリラへ着くと、フライトが遅れたために、もう深夜0時が近かった。それでも荷物だけ置いて、さっさとじゃらんじゃらんへ出かけた。KKの夜の街も、歩きなれたもんだが、深夜は、ごきぶりやどぶねずみの通行量が多い。バーのあるエリアは、シャングリラから10分ほどかかるが、何分も歩くことにクレームが出たので、市役所手前まで行ったところで、カンポンアイルあらためカンポンスレラへ戻り、またタイガー。早めの時間は観光客が多いものの、深夜はローカルばかり、それもがらがら。ここにはたくさんの店があるが、入り口のところに構えている店の押しに負けて、奥には行かしてもらえず。「ビール飲むだけだよ。」と言って、テーブルに着く。近くに見える水槽は、シャコたちが、おのおのペットボトルを巣としてはいっていたが、けっこうきもい。貝もきもい。近くにいたサバハンが話しかけてきて、地元民とも交流。そのうち、店は水槽にカバーをかけはじめ、水槽のみなさん、きょうは命拾い。おなかもすいていないが、「飲んだあとはミースープでしょ」、ってことで、ミースープシーフードを食べる。カンポン・スレラは午前3時まで空いていると聞いたものの、午前2時にはクローズとなった。
シャングリラに戻り、朝シャワーにしようかな、とも思うが、朝がつらいのはわかりきっているので、烏の行水にして、頭もよくかわかさないまま、おやすみなさい。