4月23日、粟国で2本だけ潜ってきた。
粟国といえばギンガメの群れ。
シパダンで、これでもかというほどギンガメにまみれているのに、何が私を粟国に駆り立てたのかは、自分でもよくわからない。
たぶん、まわりのダイバーたちが、粟国粟国と言っていたのが刷り込まれ、いっちょ行っとくか、ってなとこだと思う。
実は粟国は3回目。
とはいえ、90年代前半に2回という、レトロな話だ。
2回とも、ゴールデンウィーク前の梅雨入り間近という時期で、空はぐずついていた。
朝、宜野湾から出港しようとしても、漁師から、「今前線がちょうど通過しているところだから、あと一時間待って」とか言われて、1時間どころではなく、数時間待ってから出港して、海は大荒れ。
それでも、渡名喜の美しいテーブルさんご、粟国のギンガメの大群、イソマグロ50本くらいの群れは感動的で、労多くして益多しだったのだ。
しかも、3ミリのウエットで、潜っていたというおそろしさ。
都会のダイビングショップでウエットをオーダーすると、「ゴールデンウィークの沖縄なら3ミリでしょう」とか、「伊豆は6月からは3ミリでいいですよ」と言われたものだ。
今思えば、ずいぶん無茶な話である。
まだまだ初心者で、寒さに気がつかなかったのか、若かったからなのか!?
白をベースに、蛍光ピンクやグリーンをポイントにした、今ではおよそありえないカラリングの3ミリで、たいして寒がりもせず、平気で潜っていた。
それが今や、ロクハン両面スキン。
時の流れはオソロシイ。
さて、粟国のシーズンは、4月~7月と言われるが、あえて、まだ水も冷たいであろう4月にした。
あわよくば、久米島でクジラと泳げるかも!?という淡い期待を持っていたのも否めないが、ロクハンを作ったのは、粟国のため。
さらに、ワイドな粟国に行くというのに、あえて、那覇のこぢんまりした、マクロ専門店といえるダイビングサービスを選んだ。
ボートは他のサービスとの乗り合いで、おそらく大規模店のもの。
まず、前の晩に、あしたのピックアップは午前5時と聞いて、一瞬絶句。
夜明け前、まだ中天に浮かぶ、満月の残りを見ながら、ボートに乗り込む。
船上で器材や荷物をごそごそやっているうちに、どんどん明るくなり、6時ころ出港。
今は船足も早く、1時間半くらいで粟国に着いた。
記憶どおりの、粟国の特徴的な断崖絶壁、筆ん崎。
ただ、違っているのは、私の記憶にある粟国は、鉛色の空に黒い海だったが、きょうは青空。
きのうの予報は雨だったけれど、晴れてくれた。
天気予報での海上の波の高さは1.5mだったので、過去2回の粟国を思えば、ついでに、久米のくじら船を思えば、なんてことない。
ボートが止まると、揺れに翻弄されながら、ウエット来たり、器材かついだりで、体幹の強さが問われるとき!?
エントリーを急いでいるようで、悠長にやっていちゃダメそうなので、島の写真をとって、粟国なう、なんてことはしてられない。
そして、神子元的緊張感が走る中、サクっとエントリー。
沖縄らしい水底だな…と思ってきょろきょろ。
イントラさんは、ふだんマクロを紹介しているとは思えないほど、ハイパーに泳ぎ、ボートのオーナーである那覇のショップイントラさんたちよりも先に、ものの3分でギンガメ発見。
寄れる、寄れる。
ときどきイソマグロがぶーん。
エキジットすると、老若(?)男女、多くの人が、もうダメです、って顔でへたっていた。
そして、2本目は、多くの人がパス。
揺れるボートの上にいるよりも、海の中が楽なのに、もったいない…。
2本目も筆ん崎。
エントリーしたら、岩場にはりついている小さなサンゴのまわりには、ナンヨウハギがいっぱいいた。
最近、ドンキ水槽のボロボロになったナンヨウハギしか見ていなかったので、ああ、ナンヨウハギって、こんなに鮮やかだったんだな、と思う。
でも、ちょっと寄ると、すぐに隠れてしまう。
何番の根だが忘れたけれど、ギンガメはおらず、根の周りをぐるーっとひとまわり。
何にもいないなぁ~と思いながら、1週すると、待ってましたとばかりに、前方にギンガメ登場。
そして、ひたすらギンガメ。
他のチームは、現れない。
私が参加したサービスは、もともとゲスト3名+イントラ1名のところ、1名様船酔い撃沈のため、3人でギンガメを占有。
最後まで、他のチームの影がなかったので、ギンガメの群れに突っ込むことができて、ギンガメ走馬燈。
それなのに、ここでギンガメに会ったら、バラクーダポイントのギンガメたちに、無性に会いたくなってしまった。
粟国のギンガメは、シパダンのギンガメたちよりも、スレンダー。
ギンガメの季節は限られているというのに、ダイバーを寄せ付けて、あんまり野性味はないかも。
モルディブの南下や、ラヤンラヤンなど、季節限定ポイントで出会うギンガメたちは、好奇心で人を見に来てもすぐに逃げたり、逆に逃げなければ、口をパクパクやって大きな音を立てて威嚇してきたり、野性味たっぷりなのに。
粟国のギンガメはおだやかだ。
でも、シパダンの子たちとちがって、ダイバーと目を合わせない!?
2本目からエキジットしたら、船上では、パスした人びとが、今なお青ざめていた。
床に座り込んだり、目を閉じて固まったまま…。
こんなに多くの人が、船酔いに苦しむほどの揺れではないと思うが、早朝発の寝不足がたったっているのではないか説。
そんなこんなで、風があたっている粟国は去って、ケラマへ移動となった。
3本目は、寒いし、ケラマならパスしようかなぁ~、と思ったが、ウガンと聞いて、「行く行くー!」と即答。
ケラマに縁のない私も知っている、有名ポイント。
きっと今日潜らなければ、二度とケラマで潜ることはないだろう。
せっかくだし、ネームバリューに負けて入っておくことにした。
入ってみて、ふーん、地形はなかなか。
でも、なんにもいなかった。
アオウミガメを遠巻きに見たくらい…
エキジットして、朝仕入れたコンビニ弁当を食べて、那覇に戻って、まだ午後1時半。
すっかりいいお天気で暑いほどの陽気。
みんなは疲労困憊みたいだけれど、元気な私は、こんなに早く解散されても…と、途方にくれつつホテルに帰るのだった。
粟国といえばギンガメの群れ。
シパダンで、これでもかというほどギンガメにまみれているのに、何が私を粟国に駆り立てたのかは、自分でもよくわからない。
たぶん、まわりのダイバーたちが、粟国粟国と言っていたのが刷り込まれ、いっちょ行っとくか、ってなとこだと思う。
実は粟国は3回目。
とはいえ、90年代前半に2回という、レトロな話だ。
2回とも、ゴールデンウィーク前の梅雨入り間近という時期で、空はぐずついていた。
朝、宜野湾から出港しようとしても、漁師から、「今前線がちょうど通過しているところだから、あと一時間待って」とか言われて、1時間どころではなく、数時間待ってから出港して、海は大荒れ。
それでも、渡名喜の美しいテーブルさんご、粟国のギンガメの大群、イソマグロ50本くらいの群れは感動的で、労多くして益多しだったのだ。
しかも、3ミリのウエットで、潜っていたというおそろしさ。
都会のダイビングショップでウエットをオーダーすると、「ゴールデンウィークの沖縄なら3ミリでしょう」とか、「伊豆は6月からは3ミリでいいですよ」と言われたものだ。
今思えば、ずいぶん無茶な話である。
まだまだ初心者で、寒さに気がつかなかったのか、若かったからなのか!?
白をベースに、蛍光ピンクやグリーンをポイントにした、今ではおよそありえないカラリングの3ミリで、たいして寒がりもせず、平気で潜っていた。
それが今や、ロクハン両面スキン。
時の流れはオソロシイ。
さて、粟国のシーズンは、4月~7月と言われるが、あえて、まだ水も冷たいであろう4月にした。
あわよくば、久米島でクジラと泳げるかも!?という淡い期待を持っていたのも否めないが、ロクハンを作ったのは、粟国のため。
さらに、ワイドな粟国に行くというのに、あえて、那覇のこぢんまりした、マクロ専門店といえるダイビングサービスを選んだ。
ボートは他のサービスとの乗り合いで、おそらく大規模店のもの。
まず、前の晩に、あしたのピックアップは午前5時と聞いて、一瞬絶句。
夜明け前、まだ中天に浮かぶ、満月の残りを見ながら、ボートに乗り込む。
船上で器材や荷物をごそごそやっているうちに、どんどん明るくなり、6時ころ出港。
今は船足も早く、1時間半くらいで粟国に着いた。
記憶どおりの、粟国の特徴的な断崖絶壁、筆ん崎。
ただ、違っているのは、私の記憶にある粟国は、鉛色の空に黒い海だったが、きょうは青空。
きのうの予報は雨だったけれど、晴れてくれた。
天気予報での海上の波の高さは1.5mだったので、過去2回の粟国を思えば、ついでに、久米のくじら船を思えば、なんてことない。
ボートが止まると、揺れに翻弄されながら、ウエット来たり、器材かついだりで、体幹の強さが問われるとき!?
エントリーを急いでいるようで、悠長にやっていちゃダメそうなので、島の写真をとって、粟国なう、なんてことはしてられない。
そして、神子元的緊張感が走る中、サクっとエントリー。
沖縄らしい水底だな…と思ってきょろきょろ。
イントラさんは、ふだんマクロを紹介しているとは思えないほど、ハイパーに泳ぎ、ボートのオーナーである那覇のショップイントラさんたちよりも先に、ものの3分でギンガメ発見。
寄れる、寄れる。
ときどきイソマグロがぶーん。
エキジットすると、老若(?)男女、多くの人が、もうダメです、って顔でへたっていた。
そして、2本目は、多くの人がパス。
揺れるボートの上にいるよりも、海の中が楽なのに、もったいない…。
2本目も筆ん崎。
エントリーしたら、岩場にはりついている小さなサンゴのまわりには、ナンヨウハギがいっぱいいた。
最近、ドンキ水槽のボロボロになったナンヨウハギしか見ていなかったので、ああ、ナンヨウハギって、こんなに鮮やかだったんだな、と思う。
でも、ちょっと寄ると、すぐに隠れてしまう。
何番の根だが忘れたけれど、ギンガメはおらず、根の周りをぐるーっとひとまわり。
何にもいないなぁ~と思いながら、1週すると、待ってましたとばかりに、前方にギンガメ登場。
そして、ひたすらギンガメ。
他のチームは、現れない。
私が参加したサービスは、もともとゲスト3名+イントラ1名のところ、1名様船酔い撃沈のため、3人でギンガメを占有。
最後まで、他のチームの影がなかったので、ギンガメの群れに突っ込むことができて、ギンガメ走馬燈。
それなのに、ここでギンガメに会ったら、バラクーダポイントのギンガメたちに、無性に会いたくなってしまった。
粟国のギンガメは、シパダンのギンガメたちよりも、スレンダー。
ギンガメの季節は限られているというのに、ダイバーを寄せ付けて、あんまり野性味はないかも。
モルディブの南下や、ラヤンラヤンなど、季節限定ポイントで出会うギンガメたちは、好奇心で人を見に来てもすぐに逃げたり、逆に逃げなければ、口をパクパクやって大きな音を立てて威嚇してきたり、野性味たっぷりなのに。
粟国のギンガメはおだやかだ。
でも、シパダンの子たちとちがって、ダイバーと目を合わせない!?
2本目からエキジットしたら、船上では、パスした人びとが、今なお青ざめていた。
床に座り込んだり、目を閉じて固まったまま…。
こんなに多くの人が、船酔いに苦しむほどの揺れではないと思うが、早朝発の寝不足がたったっているのではないか説。
そんなこんなで、風があたっている粟国は去って、ケラマへ移動となった。
3本目は、寒いし、ケラマならパスしようかなぁ~、と思ったが、ウガンと聞いて、「行く行くー!」と即答。
ケラマに縁のない私も知っている、有名ポイント。
きっと今日潜らなければ、二度とケラマで潜ることはないだろう。
せっかくだし、ネームバリューに負けて入っておくことにした。
入ってみて、ふーん、地形はなかなか。
でも、なんにもいなかった。
アオウミガメを遠巻きに見たくらい…
エキジットして、朝仕入れたコンビニ弁当を食べて、那覇に戻って、まだ午後1時半。
すっかりいいお天気で暑いほどの陽気。
みんなは疲労困憊みたいだけれど、元気な私は、こんなに早く解散されても…と、途方にくれつつホテルに帰るのだった。