カメはマレー語でPenyu。
「ぷにゅ」と発音。
甲羅におおわれたレプタイルさんなのに、なんだか弾力がありそうな響き。
シパダンほど多くのアオウミガメに出会えるところはないだろう。
おまけにここのカメには、人に対する警戒心はほぼない。
だから近寄れる。
そして、いろんなポーズや表情を見せてくれる。
ハッケヨイ
前はカメが流し目をするという噂があった。
確かに、甲羅のまだ綺麗な若いカメは、すれ違いざまに瞳孔が左から右へ動くのをよく見た。
畳一畳ほどもある巨大で、亀甲模様が目立たなくなったような老カメたちの瞳孔は動かない。
そんな大きな個体には、コバンザメもついている。
最近は、流し目しなくなったように思う。
でも、正面からなら目も合う。
半目で上から目線だったりもする。
いろんなカメのまなざしがある。
すいすい・・・。
脚は結構、やわらかい。
浅瀬で強い日差しを浴びて、レインボー。
水面近くでは、いつもカメウンねらいのツバメウオにストーキングされている。
泳いでいるカメもいれば、休憩中のカメもいる。
岩陰にはさまって、は定番。
ときにはぐっすり。
それから、よくイソバナをベッドにしている。
でも、近づけば目を開く。
なぜか十字架ポーズでたたずむカメ。
クリーニングのときは、ハッケヨイポーズが多い。
うっとり。
クリーニング・ステーションの場所取りはゆるやかに熾烈。
ときに大混雑。
また、たまにはこんなことも。
タートルメイティングは、水面でよくジタバタしてるが、バラクーダポイントに降りて来た。
今は昔、母ガメ産卵風景。
泣いているのではないと言うが、涙を流し、フーッという大きなため息で苦しそう。
水中でも、よく目から涙らしき成分を流している。
今は昔、子ガメの放流風景。
とてもかわいいのだけれど、ドロップオフに入るや否や、空からは鳥が、水中ではバラクーダが・・・で、見ていて複雑。
というわけで、シパダンにはたくさんのカメがいるが、みんな生き残った超エリートたちだ。
今は昔、ハッチアウトした子ガメがなぜか海にいかず、SDCに上がって来たことがあった。
カメは万年。
はじめてシパダンに行った頃よりも、さらにダイバーへの無関心度は高まっているように思う。
ダイバーの人数は制限されても、みんな長生きだから、彼らにとってはダイバーは海の普通種だろう。
きっと、私のシパダンデビューから、やがて訪れるダイビング引退までの、長いおつきあいになる個体もいるはず・・・。
みんなタートルカバーンに迷い込むことなく、ボートとサメに気をつけて、元気で!
というわけで、カメ3ダースでした。