くらぶとろぴか

きもちはいつもシパダンの海の中。シパダンとコタキナバル旅の備忘録、ときどき弾丸、そしてホームワークアウトおたく。

メダンでトランジット

2009-01-23 22:36:40 |  旅行
スマトラ島上陸
シンガポールからのシルクエアーがメダン・ポロニア空港への着陸態勢にはいると、眼下には緑の大地。だけどガスっていてぼんやりしている。やがて町が見えてきた。ずいぶんと大きな町だ。ポロニア空港は住宅街エリアにあって、さらに滑走路の使える部分が短いこと、近くに山があることで、着陸が難しいというのを思い出した。ポロニア空港の乗り継ぎ情報を求めて、ネットでいろいろ調べているうちに、ここ30年で4回ものクラッシュがあったことを知った。ロケーション自体が空港にふさわしくないということで、近く新空港に移転するらしい。なんとなくやだな、と思いながら無事着陸。

メダンはマトラの州都だ。地球の歩き方に、メダンはインドネシアでいちばん危険な町ともいわれると書かれていたので、乗り継ぎだけでもテンパってみる。


インドネシア入国・メダン編


イミグレーションの入り口で、まず黒ラブチェックを受ける。飛行機は満席だったのに、VISA ON ARRIVALの窓口は人影もまばら。シンガポリアンはインドネシアのビザはいらないから、到着ビザに並ぶ人達は数名といったとこころだった。ビザ代を払うところとビザ発給の窓口が隣り合わせの別室になっているが、あっという間に手続き完了。外国人パスポートのところもすいていて、入国手続きもスムーズ。

手荷物受け取り所はターンテーブルになっておらず、1本のコンベアーで流れてくるタイプ。私の荷物はすでに出てきていた。ポーターはたくさんいるが、ノーサンキューと言えば、ゆく道を阻まれることもなかった。税関は申告書だけ受け取るとだけで、なんのチェックもなくするするっと抜けられた。


いんちきポーター・メダン編
税関を抜けたところで時計はまだ8時をまわって少々。バンダアチェゆきのガルーダのフライトまで約4時間ある。早すぎてチェックインはオープンしていないかもしれないが、とりあえず国内線ターミナルにさっさと移動してしまいたい。外に出ると、さっそくわっとタクシーの客引きが集まって来た。みんな荷物を運ぼうとするので、ノーサンキューの一点張りで歩き続ける。みんな私が市内に出ると思っているようなので、「とらんすふぁーおんりー!」を連呼。するとだいぶ人が減った。「国内線ターミナルはどっち?両替所はどこにある?」と聞くと、「国内線はあっち、両替所は中だよ。」といわれた。一人のおじさんが両替所こっち、と荷物を手伝おうとするので、「荷物は自分で運ぶからほっといて。」と言うと、笑って「ここはそんな心配しなくていいから。」と言う。もちろん、引き続き猜疑心のかたまりでゆく。この空港は、両替所は外になく、税関通過前にすませる仕組みになっているようだ。おじさんが両替所を外からノックすると、愛想も態度もよくない両替所のお姉ちゃんが裏から中に入れてくれた。100ドル紙幣を出して、50ドル分だけ替えたいというと、お姉ちゃんはむっつりしたままさっさと替えてくれた。レートはバリよりずっと悪い。そしておねえちゃんはむっつり顔のまま、「気をつけて」と言ってくれた。さて両替所を出ると、ここまで連れて来てくれたおじさんはもういなくなっていた。そしてまた新たなる客引きたちが「タクシー?」と言いながらわらわらっとやって来た。同じことの繰り返し。国内線にゆくだけなので、用はないというと「バンダアチェだね。まだ時間があるから、出発まで30ドルでメダン観光はどう?」と言ってくる。市内に出るつもりも、観光するつもりも、そのお金もないと断る。ひたすら「NO」と、「Tidak mahu」をおうむのように言い続ける。ひとりの中年が「国内線まで案内してあげるよ。」と言うので、「あっちに歩くだけなんだから、ノーサンキュー!」と言い捨てるが、勝手に人からスーツケースを奪い、しかもあっという間に肩にかついでしまった。「最初に言っておくけれど、私は頼んでいないんだし、そうやって荷物を運んだって、あんたに払うお金は一円もない。荷物を即刻返しなさい。」と引導を渡す。インドネシアの空港のいんちき職員や悪質ポーターについて十分心得てるということをはっきりと伝える。「心配いりません、僕は空港で働いている者です。メダンに来てくれた人を助けたい。」などと言ってる。そのわりには二言目には市内観光30ドル、ホテルロビーでのお茶が20ドルと言ってくるので、絶対金をとろうとしているのは明白。とにかく荷物を返せと言っているうちに、5、6分で国内線に着いてしまった。「じゃ、どうもわざわざありがとう。」と荷物を返すように言うと、「ここは待つのにナイスな場所じゃないから、観光はしなくてもメダンのホテルで出発まで20ドルでお茶はどうですか。」「私はここで時間をつぶすから結構です。」それならチェックインをした方がいいでしょう、とそのままチェックインカウンターに行って、チェックインをする。ボーディングパスをもたせておくとロクなことはなさそうと思ったので、「ボーディングパスはこっちにください。」とボーディングパスをさっさと奪いとる。さて荷物も流れていったし身軽になった。ここでまた、「まだ時間がありますから観光はどうですか?ホテルのロビーでお茶はどうですか?」としつこいのと、さすがに5、6分21キロかついできたので、金で解決できるものは金で解決したい。チップでお引取り願おうと30,000ルピア出すと、「それは受け取れません。僕らは空港で働いていますが、退屈なので、好意で手伝ってるだけです。」と固辞する。嘘くさい。「町に出ないのでしたら、出発まで、空港内のドリンクやスナックがとれるところで待ちたいですか?」という。はたしてそんなラウンジ的なものが、ここにあるのだろうか?「そんな場所がここにあるの?」と聞き返すと「15ドルです。」ときた。「いりません。いろいろどうもありがとう。私はここで時間をつぶすから、もう戻ってください。」すると「それでは僕に20ドル払ってください。」そら来た。「なんであんたに20ドル?」「ここでお手伝いをした場合、オフイスに支払う取り決めになっているのです。」なんでカフェで飲食して15ドルが、飲食もなしに20ドルに値上がりするのか、おかしくなってしまった。「20ドルなんて持っていません。」「では、何札ならありますか。日本円、ルピア。」「円だろーがドルだろーが、ルピアだろーが、あんたに払う金はないとさっきから言ってるじゃない。ま、ここまで手伝ってくれたから、チップはあげるから、それでもう消えてちょーだい。」とまくしたてたら、「チップはいくらもらえますか?」「20,000だけ。」なぜ2万かというと、バリに着いた時にもらったバリチリの情報に、人に荷物を運んでもらったり、何かをお願いしたときには1万ルピアとあったのだ。実質距離が長かったのと、円高だから3万という考えだったのだが、やはりインチキだったので、2万に減らすことにしたのだ。本当はこいつが勝手に運んだのであり、私は頼んでいないので、払うべきではないのかもしれない。こういうふうに小額でも何らか払ってしまうのが、こいつらをつけあがらせる原因でよくないな、と思いつつも、とにかくさっさとこいつに視界から消えてほしい。すると「青いルピアが欲しいです。」と言い出す。50,000ルピアのことだ。「だめ。あんたは嘘つきだから20,000ルピアだけ。」と20,000つかませて、相手が呆然としてる間に「トゥリマカシあんどバイバイ」と立ち去った。最初に黙って30,000ルピアもらっとけばよかったのに、バーカと言ってやりたかった。インドネシアは、このポーターと、必ずおなかをこわすのがいやだ。


これでうっとおしいやつが消え、搭乗時刻まで約3時間半。出発ホールにすすむにはさすがに早いので、店を片っ端からひやかした。



インターナショナルな店はダンキンドーナッツがあるだけで、あとは全部ローカルなお店。ここまで来てダンキンでもないな、と思う。お店のほとんどはお菓子や新聞を売る店だ。まず小さな店でクエ(お菓子)を買う。パンダンリーフの生地に、ココナッツフレークを黒糖で味付けしたマレーシアでもよくあるお菓子。とてもおいしい。そのあと別の店へコピ(コーヒー)を飲みに入る。ここはスマトラ。スマトラコーヒーを期待していったが、なんとネスカフェしかなかった。それでも時間つぶしには、まあいいや。

どの店も20センチ角くらいのレイヤーケーキを売っていて、買っていけとうるさい。ひとり旅で食べきれないから無理というと、ハーフサイズに切ってあげると積極的だ。試食でもさせてくれたら買ってしまったかもしれないが試食はない。でも見ていると飛ぶように売れてゆく。きっとおいしいのだろう。ローカルの人々は、ダンボールに何箱かケーキを買っていくほどだ。店の人はケーキの箱が売れると、またどんどん補充していく。すばらしい売れ行きだ。

それから1時間半ほどローカルに混じって、ベンチに座ってぼーっとしていたが、エアコンもなく蒸し暑い。しケーキ販売事情をながめているのにも飽きてきたので、中に入って待つことにした。インドネシアは、今でも国内線の出発税を、空港で支払わなければならない。25,000ルピア。金額は小さいが、トイレにはトイレットペーパーないし、どうして税金がとれようと思う空港だ。



国内線の出発エリアはだだっぴろい。聞いたことのない名前のエアラインが次から次へと出発していく。どの便も、ボーディングタイムになると、ゲートには人がたくさん並んでいた。アナウンスはインドネシア語と英語があるが、広いホールにうわんうわんと響いてよく聞き取れない。1時間半、待ちに待って、やっとボーディングタイムになると、バンダアチェゆきは、ガラガラだった。 


飛行機の窓から見るメダンはどんより曇っていた。私のメダンへの印象をそのままあらわすようなよどみ具合だ。インチキポーターでイメージが決定づけられてしまったメダン。もう二度と訪れることはないと確信のメダン。さよならメダン。


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