小さい頃、クマゼミの鳴いている木に登ってよくセミを採っていた。
その時のコツは、クマゼミの止まっている枝に手を伸ばして、鳴いている
後ろでじっと待っているのである。
すると、クマゼミがワシワシ鳴きながらバックしてきて、待っている手に
スッポリ入ってしまうのだ。
クマゼミは、鳴きながらバックするという習性を知っていたのである。
今朝、ゴミ出しに行くために、マンション階段の踊り場に行ったら、
目の前の木で、クマゼミが鳴きまくっていた。
今でもバックするのかと、じっと見ていたら、数匹のクマゼミが
鳴きながらバックしてきて、下で鳴いていたクマゼミの頭をズンズン
押しているではないか、たまらず、逃げ出すやつもいれば、負けるかと
踏んばっているのもいて、目の前で押し合いへし合いのクマゼミバトルが
繰り広げられていたのだ。
懐かしさを超えたすごさに、あっけにとられてしばし、見入ってしまった。W