緑地公園の、いつもの散歩コースである菖蒲園に入ると、
水溜りが出来ていて、どういうわけか、そこにカルガモがいて、
盛んに嘴で餌を漁っていた。
すると、そのすぐ近くにカラスが一羽止まって様子を
窺っている。
よく見ると、カルガモは完全な親鳥の大きさではなく、
一回り小ぶりのまだ若いカルガモだ。
しばらくすると、そのカルガモの周りを取り囲むように
カラスが、3~4羽舞い降りてきたではないか。
明らかに、若いカルガモを狙っているようだ。
「こらーっ!」何とかしなければ、と足を踏み鳴らし、
声を発してみたが、ちょっと跳ね避けただけで、
相変わらず、周りに陣取っている。
さすがに、それに気付いたカルガモが、「グワー!」と
威嚇の一声を発したが、ちょっと動いただけで、
陣容は変えていなかった。
カルガモは、又、水溜りに嘴を突っ込んで、しきりに
漁り始めた。こちらは、踏み込んでカルガモを救い出す
というわけにもいかず、しばしカラスとのにらみ合い
をした後、後ろ髪引く思いでその場を後にした。
池を一回りしてカルガモのいた場所をもう一度
見て帰ろうかと思ったが、何だか怖いような気がして、
結局、見れずに帰路に着いたのだった。
見ればよかったのか、いや、いはり見ない方が…
ちょっと悶々としてしまった…。