つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

漆黒の中の自分

2007-10-27 09:09:41 | ちょっとした出来事
先日通勤途中に聴いたカーラジオで、「最近は本当の闇が日本には
なくなってしまった」と、あるイラストレーターの方が話をしていた。

確かに、深夜でもどこかに灯りがともっている、家の中で
明かりを消しても、どこかに電化製品の灯りだ。

彼が言うには「本当の闇は自分を見つめるのに必要だ」と言うのである。
自分を見つめるのに本当の闇?わたしは聞き耳をたてた。

「自分の目では自分は絶対に見れないのだが、本当の闇
では見えるというのである。

ど…どういうこと?。彼が言うには、ある外国の地で真っ暗な夜を
体験したことがあって、そのとき闇に慣れてきた頃に、ある
光が見えたというのだ。

もちろんそれは月や星の光ではなく、自分の中の光だというのである。
ほう…わたしはさらに聞き耳をたてた。

彼が言うには、本当の闇というのは実は自分の中の宇宙が
見えるのだというのである。

そして人間はその気になれば、いつでも本当の闇を見ることが
できるというのだ。

え…ど、どこで?と頭をめぐらせてみたが、それは眼を閉じることだという。

なあ~んだと思ったが、人体の器官の、目・耳・口・鼻のうちで
閉じることができるのは目と口で、中でも目はすぐに闇が作れるというのである。

まあ考えてみれば当たり前のことなのだが、闇を作るなどとは
普段考えないのでないだろうか。

そう言われれば、座禅の瞑想などはまさしく己を見つめるための
瞑目ではないだろうか。ウ~ムこの人は深い…と感じ入ってしまった。

雑念が多すぎていつも自分を見失っているわたしには、この
本当の闇が必要ではないかと、思わずにはいられなかった。

さっそくその日の寝入りばなに目をつぶり、今度描き直そうとしている
「はいまん彩」のことを、心頭滅却して念じてみた。

“身を染めて 明日にちぎる とんぼのように”…“身を染めて 
 明日にちぎる とんぼのように”…身を染めて 明日にちぎる
 とんぼのように…身を染めて…Z…Z…Z…Z………。

あ~あ   

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もやもや…

2007-10-17 06:33:48 | つらつら思うこと
先日車で信号待ちをしていたところ、車体に
いろんなものを装着したバイクが横切って行った。

「ン…?なんじゃありゃあ」それはよく見ると屋台の
ように生活用品を一式積み込んでいるようだった。

さらによく見ると、それはバイクではなくエッチラオッチラ
漕いでいる自転車のペダルではないか。
乗っているのは50~60歳ぐらいのおじさんだった。

私はそれを見送りながら、一体何をやってる人なんだろう?と
思いつつ、かすかな嫉妬をおぼえた。

私はいま会社員をしている。もともと勤めなんかの経験はあまり無く、
漫画家をめざして東京の新宿あたりをふらふらした生活をしていたのである。

つまり世間一般では、まっとうな暮らしではなかったのである。
そんな私がいま一応まっとうな勤め人をしているのだが、どこかに
じくじたる思いが残っているのだ。

一体自分は本来の自分の姿で、人生を送っているのか…そんな
思いが常にもやもやと胸の中に渦巻いているのである。

そんな時にああいう個性的な生き方、暮らし方を垣間見ると、
ついそんなもやもやな気持ちから、うらやましく思えるのだった。

もちろん現実の暮らしは大変だと思うのだが、あの人は自分本来の
人生を送っているのではないだろうか…と思えるのである。

路上で絵や詩を売って暮らしを立てている人、路上ライブで
お金を稼いでいる人、楽器1つで吟遊詩人として暮らしを立てている人。
などを見ると、もやもや~が噴出してしまうのだった。

ああ…我が「さすらいのはいまん彩師」となれるのはいつの日なのか…
もやもや…もやもや…と待っているのだった。
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ハゼの運命

2007-10-15 04:50:26 | ちょっとした出来事
「きょうサンマだから大根買ってきて」との
カミさんからの仰せで、会社の帰りにスーパーへ
立ち寄り、大根を買って帰った。

我が家のサンマの塩焼きはオーブンで焼くのである。
カミさんがサンマを並べているのを見て、ふと…
釣って持ち帰ったハゼを思い出した。

ハゼはビニールパックに入れて保存していたのである。
ハゼを冷凍庫から取り出して、水洗いしてウロコを取り、
内臓を取り除くとサンマの横に並べた。

「かわいいー」娘が来て覗き込む。長いサンマの横で
ちんまりとした姿は、なんだか妙な感じだった。

本来ハゼは天ぷらが一番うまいのだが、この一匹では
天ぷらというわけにもいかず、こうなった次第なのだ。

やがて焼き上がると全員でハゼに箸を出して、つまんだ。
「おいしいー」「うまい」と口々に出て、瞬く間に骨だけにされてしまった。
元々ハゼはおいしい魚なのだが、塩焼きでこんなに…とは思わなかったのだ。

こうして、ハゼは我が一家の血となり肉となって我らの
一部になったのだった。

せめては、あのハゼのしぶとさが見に付いてくれれば…と
願う次第である。
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そして、ついに…

2007-10-13 03:57:12 | ちょっとした出来事
釣り人にとって何がつらいかというと、まったく
魚がいないんではないか…と思えるような手答えの
なさなのである。こんな時は、一種の虚脱状態になってしまう。

逆に確実な手答えを感じたときは、体に電流が
走り、全神経が研ぎ澄まされるのだ。

いま確実なアタリ(魚信)を感じて、帰れるはずもない。
新しくエサを付け直すと、先ほど手答えのあった場所を
集中的に攻めるべく、投げ入れてはゆっくりリールを巻いて
探ってくる。

しかしあれっきり反応がなくなってしまったのである。
刻々と時は迫ってきて、もう30分が過ぎようと
していた。さすがにこれ以上伸ばせば帰り道が暗くなってくる。

「だめか…」何度目かの最後の一投を探ってきたとき
「ゴツ…ツ・ツ」先ほどと同じアタリが来た!。スッと
竿を立ててアワセル(掛ける)とグッと乗った手答え…。

リールを慎重に巻き上げると2番目のハリに魚がしっかり
掛かっていた。何とよく見るとそれはキスではなく、ハゼであった。

通常ハゼは河口域で釣れ、キスは遠浅の砂地で釣れるのだ。
ここは遠浅の砂地なのである。過去の経験でキスとハゼを
一緒に釣ったことはなかったので、まったくハゼは予測して
いなかったのである。

15センチ程のまあまあの型である。「わあカワイイ!」
「かわいそう…」カミさんと娘は好き勝手なことを言っている。

これでまあ意気揚々とまではいかないまでも、ちょっと胸を
なでおろして帰れるというものである。
ハゼはクーラーボックスの氷の上でチンマリと鎮座ましましておりました。

帰り際に周りを見ると、釣り人たちがちらほらとやって来る姿が見える。
そう本当はこの夕日が沈みかける、夕まずめ時と、朝日が出てくる
朝まずめ時というのが一番魚の食いが立つときなのだ。

その一番いい時間帯を、後ろ髪を引かれる思いで後にしたのだった。
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あ~メゴチでもいい~

2007-10-10 02:51:40 | ちょっとした出来事
岩で組み合わされた防波堤は、いわば波止場みたいに
なっていて、陸から海へ突き出ている。

それがここでは4~5基ほどあって、そのうちの一つに
乗って釣っているのだが、竿先はピクリともしない。

広く探るため、左から右へと広角に投げてリールをゆっくり
巻いてくる。しかしサッパリ手答えがない、竿に生体反応を
まったく感じないのである。

ま…ここは一服…と、置き竿にして座って海を眺めた。
少し波が出てきたようで、時折りドーンと足元の岩を
打ち付けてくる。

カミさんと娘は少し怖くなってきたようで、「わあー大丈夫?」
などと叫んでいる。

どうやら潮が満ちてきているようで、段々防波堤の潮位が
上がってきているのだ。

さて…とそろそろ上げてみるかとリールを巻き上げてくると、
何やら抵抗感がある。「ん?」ハリに何か掛かっているではないか。

「なんじゃこりゃあ」ホヤのような、イソギンチャクのようなもので、
直径5センチ程のまるい形をしている。うごめいているので、
生き物であることは確かであるが、初めて見るしろものだった。

「何それぇ~」と娘が興味津々に覗き込んできた。
私はハリから外して海へ放り投げた。

それからもう1つそいつが掛かってきたので、
「どうなってんだ」とまた放り投げた。

「こりゃだめだにゃあ」と置き竿にして、また海を眺める。
「もうそろそろ帰ろうか」とカミさんから帰るコールだ。
時間は3時を回ろうとしていた。

帰りに母の入院している病院に寄る予定なので、
できれば早めに寄りたいのである。

しかし、釣り人の性としてはこのまま帰れないのだった。
「後30分!」と告げて、竿を振った。

しかしいっこうにアタリらしきものはない。「ダメか…」
30分過ぎようとして最後にリールを巻いていると、「ゴツ、ツ…」
と、あきらかなアタリが来た、「ン…」あまりにふいに来たので
最初のアタリで掛けることはできなかったが、次にきたアタリで…と
ジ…と待ったが、それっきりだった。巻き上げると餌はなくなっていた。

「もう3時半まわったよ」と言うカミさんに、「後30分!」
と叫んでいた。
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