つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

シリーズ黄色い涙「漫画家残酷物語」

2006-08-31 18:20:19 | ちょっとした出来事
シリーズ黄色い涙「漫画家残酷物語」は、
漫画家の永島慎二さんが、S,30年代頃に描かれた
作品だと思う。

昨年、俳優の森本レオのトーク番組(TV)で、
その永島慎二さんが、亡くなったのを知った。多分60才代だと思う。
森本レオは、永島慎二さんのファンで、NHKTVの「シリーズ黄色い涙」に
出演していたのである。

私は今でもそのシリーズの単行本を、いくつか持っているが、
貸し本世代の漫画家志望者たちによる青春群像の傑作漫画である。
大抵は、食うや食わずの生活をしている主人公が、
漫画というものへのこだわりから、陥る悲劇で、“哀歌”といってもいいだろう。
私もまた同じような生活の中に居たので、実写に近く、深い共感を覚えつつ
むさぼり読んだものである。

一種の「漫画家志望者バイブル」とでも言えるものだった。
聞いた話だが、集英社のマンガ編集部では、この「漫画家残酷物語」を
新入社員に見せて、漫画家の生態を知る為の資料として、使ったという。

慎二さんは、いかにも身体が弱そうだったので、
亡くなったと、聞いた時は「エェ…」と悲しかったが、
何となく、早く亡くなるような気がしていたのだ。

しかし、この「漫画家残酷物語」は、慎二さんが漫画家を目指す者に、
いのちを削って送ったメッセージである。心しての一読をお勧めしたい。
私は漫画家をやめた今でも、時折り読んでは、心を清めているのだ。
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はるかなる夢

2006-08-28 16:27:04 | ちょっとした出来事
今年最後の展示をすべく、あいち造形デザイン専門学校へ
作品搬入のため向かう。

一階ガラス張りのフロアーに全24点、T教諭の
協力の元に、展示し終わった。

私の作品は最大でも、F6サイズ。
広いフロアーには何だか物足りない大きさであったが、
表から見えるスペース全部に飾ることができた。

きょうから3週間、デザイン学校の生徒や先生達の鋭い
視線にさらされるのである。やはりちょっと緊張する。
心なしか、作品たちもかしこまっているように思えた。

T教諭にお昼をごちそうになり、(ごちそうさまでした)
校内を案内していただいた。

8階建てのビルは8階から全て、各課のデザイン教室として
使われていて、各課では、それぞれ体験学習の生徒たちが
先生に色々教わっていた。
特に5Fの漫画科に案内していただいたとき、やはり体験学習の生徒や、
OGがいて、一緒に漫画を描いていた。

聞けばこの夏休みを利用して、東京の出版社に持ち込んだという。
持ち込みというのは、自分の描いた漫画を出版社に直接
持って行き、編集者にじかに見てもらうことである。

元漫画家の私はさんざん経験したことなので、「作品のいいときは
厳しく言われ、あまり良くないときはかえってやさしく言われるよ」
など、よけいな事ながら話したのだった。

全て女の子だったが、この頃のひたむきさに触れ、かつての
自分の初心を思い出していた。この頃は夢が全てなのである。
それにしてもこの恵まれた環境で同じ思いの人たちと一緒に
学べるというのは、すばらしい事だと思った。
できるなら私も入学したいくらいである。

心から彼女等の夢の実現を祈らずにはいられなかった。
あきらめさえしなければ、何とかなるものなのである。
今一度展示してある作品を確認して、にわかに降り出した
雨の中、帰途についた。
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無罪放免

2006-08-26 09:00:17 | ちょっとした出来事
「食道、胃、十二指腸、まったく異常なし、きれいなもんだ、
無罪放免!」と、がんセンターの先生が写真を見ながら言った。
きょうは先日の胃カメラの結果を聞きに来たのである。

胃カメラを撮り終った時、組織を採る生検がなかったので、
これは大丈夫だなとは思ったものの、やはり正式に結果を言われると
ほっとする。先生に御礼を言って診察室を意気揚々と出てきたのだが、
何か頭の隅にモヤモヤっと引っ掛かったものがあった。

そうあの無罪放免って言葉だ。ってことは、私は犯罪を
犯した容疑者ということになる。犯罪?ン…確かに
暴飲暴食の罪は、認めよう。今年はけっこう多めに飲んで
多めに食べた、ので、それが罪といえば罪になる。ま、
いいか。

先生達、多分一日に何度かはこの言葉を発しているに違いない。
でもよく考えてみると、さすが先生だなあと思う。

つまり有罪ということは、癌細胞が見つかった、ということであり、
切腹か放射線かその他か、判決を申し渡され、その結果何年かの執行猶予
を得られるか、ヘタをすると、「死ケ~イ」(手遅れ)ということに
相成るわけである。

なーるほど、ピッタリと当てはまる。しかし、私のような不摂生者は
身から出たさびで、犯罪容疑者になっても仕方ないが、品行方正に
暮らしてても、癌を心配する人に犯罪容疑者はかわいそうな気がする。

それこそ冤罪のそしりを受けかねない。
ここはひとつ、無罪放免ではなく、「無実無根!」なーんて
言ってみてはいかがだろうか。などとふと、思ったりしてみた。
でもまあ、「チェ面白くねえなあ、何ともないよ!」
と言われたって、何ともなけりゃあいいんだよね。

そういうことだ、よかった、よかった…。
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あ~あ夏休み

2006-08-24 05:08:38 | ちょっとした出来事
とうとう夏休みが終わってしまった。
今年は9日間だったが、過ぎてしまえばあっという間である。
特に今年は心に期するものがあっただけに、もっと
ああすれば…こうすれば…と悔いが、残る。

ま、しょうがないか。毎年何らかの悔いは残して
いるような気がするのだ。

私の場合、公の「勤め人」と私の「俳漫彩師」の
二重構造の生活を送っているので、「勤め人」が
休みの夏休みは「俳漫彩」の始まりでもあるので、
本当の夏休みは、初日の1~2日である。

しかし、描いた絵が6枚。うちボツが2枚と、
実質4枚で、描き直しが2枚、俳句なしが1枚なので
純粋な新作は何と1枚なのである。情けなあ~

しかも最後の展示が8/26(土)と、間近に迫っているで
もうその準備でいっぱいである。なんだかせわしないなあ~
「の~んびりいこお~ぜお~れ~た~ち~は~、な~んとかな~るさ
世のなか~は~、気楽に行こう~のんびり行こう~お」
と、自分に言い聞かせているのだ。
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甲子園の決勝はすごかった

2006-08-22 04:34:16 | ちょっとした出来事
今年の夏の高校野球は、球史に残る延長再試合の末、早稲田実業の
夏の甲子園大会初優勝で幕を閉じた。
毎年の甲子園の戦いだが、今年は早々と地元愛知の
出場校が敗れ、私はかなり興味が薄らいでいた。しかし
決勝が夏三連覇をめざす駒大苫小牧高と夏初優勝を
めざす早実という最高の組み合わせとあって、
最初からTVにくぎづけになった。

これは、両エースの見応えのある投手戦になったが、前日の
早実のエース斉藤と駒苫のエース田中の投げ合いは圧巻だった。
ほぼ互角と見たが、斉藤の15回裏ラストのピッチングには驚いた。
ストレートばかり146キロ、147キロ、と立て続けに出したのである。
これは投げようとしても簡単に投げれるものではないのだ。
結果として、早実が夏初優勝を飾ったのだが、
この純真な高校野球に対して、まことに不謹慎ながら、
わたくし、プロ球団のスカウトの目になって見てしまったのである。
斉藤の潜在能力の高さは、当然ながら二重丸。

斉藤のスライダーの切れと田中のスライダーもほぼ互角。
スピードは、田中が絶好調のときは150キロ出るそうで、
やや田中が上か。しかし、延長を含めて四連投ながら、「思ったより
疲れていなかった」と言って決勝戦を投げきった斉藤の無尽蔵の
スタミナは、何より勝る能力ではないだろうか。
それと強い相手に対して燃える闘志、これも二人とも持っている。

高校球児は、才能の片鱗を見せているだけで、まだ子供なのだ。
子供の頃は、猫の子も虎の子も一緒にいて、見分けは付きにくいものだが、
私はこの二人を虎の子とみた。つまりプロで通用するとみたのである。

この二人を見て、ふと気づいたことがある、それは
二人の顔である。特に駒苫の田中の顔だが、
闘志を前面に出している時、あの大魔神によく似ていると思ったのだ。
ご当人は不本意かもしれないが、これは決して悪い表情ではなく、
ピッチャーとしては、とてもいい表情だと思う。なんたって
元横浜ベイスターズのストッパー佐々木が賜った愛称なのだから。

それと、早実の斉藤は、あの大魔神が怒りの顔に変わる前の静かな
表情に似ているのである。つまり二人は大魔神の表と裏の顔をしているのだ。
ということは、二人は表裏一体の大魔神ではないだろうか。
この二人が揃ってプロ入りしたとき、両魔人の対決が再び
実現するかもしれないのだ。こうして考えた時、より野球が面白くなる。

それにしても、再試合決勝の最終回、一点差に詰め寄った駒苫
最後のバッターに、田中が登場して斉藤と対決なんて、最高の
見せ場だった。そして最後ストレートで三振した直後の田中の
表情が、忘れられない。
それは、その瞬間を味わうような満ち足りた表情だった。
さわやかに微笑んでいた。
最高の感動をありがとう。
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