つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

蒼い稲妻Ⅱ

2005-11-23 06:17:06 | 動物ウオッチング
私はカワセミを見るために双眼鏡を購入した。
緑地公園に行っては端から端までウォッチング。それでわかったことは毎日飛来してきているらしいということだった。いいぞ!
カワセミはある程度同じコースをとることもわかったので、そのコースを中心に双眼鏡を向けた。
意外だったのはここへ来る人のほとんどが、カワセミに気付いていないことだった。
カワセミは俳句で夏の季語になっているが、ウオッチングでは冬場もちゃんと来ていた。
池の上をスーーッと糸を引くように飛んできては枝に止まる。枝に止まると何度も首をすくめるようにして息を整える。これがかわいいのだ。
私はだぁーれも知らないカワセミウオッチングを一人で楽しんでいた。

■ 翡翠のいること教えてやんない   by issei
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蒼い稲妻

2005-11-22 05:31:24 | 動物ウオッチング
いつもの散歩コースである緑地公園の池の縁を歩いていると、スーーッと青白い光のようなものが過ぎるのが目の端に入った。
「エッ何だ今の…」と思ってあたりを見回したが、すでに光は消えていて何にも無い。
そこは大きな池に隣り合う小さなゴミだらけの池で、もう池というより大きな水溜りといったほうが正解かも知れない。その上を過ぎって行ったのである。
もしかして…私はあるひらめきが頭を過ぎった。しかし、まさか…。

その日はそれで終わったが、それからそこを通るたび目を凝らし、公園中に目を凝らし始めた。
そしてついにその正体がわかったのだ。
コバルトブルーの羽根、胸はオレンジに輝いて、それはまさに飛ぶ宝石。
…思ったとおり、カワセミだった。

■ 翡翠の発って枯れ木の色無くす     by issei
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カルガモの子

2005-11-19 20:25:02 | 動物ウオッチング
我が家の近くに小さな汚れた川があるのだが、国道の下を流れているせいかその川沿いの道は人通りが少なく、私は好んでそこを通る。
何気なく川を眺めていると、なんとカルガモの親子がいるではないか、テレビで見るようなあれである。親の後ろに5羽の子供が着いている。周りをみても誰も気づいていない。
私はしばらく眺めていたが、ふと…これを地元のケーブルテレビに教えてやろうかと頭を過ぎったが、そんなことをしたらこのカルガモの小さな幸せが壊れてしまうではないかと、思いとどまった。 翌日川を覗いたらもうどこにもいなかった。ガッカリしたがまあいいか、きっとどこか広い川に引っ越したに違いないと思った。

それから2~3日して近くの緑地公園に散歩に出かけた。
ふと池の方を見ると、なんとカルガモの親子がいたのである。
まさかあの…同じカルガモがかどうか区別はつかないが、同じく5羽の子供を連れている。もしかして…いや…と思いつつ眺めていた。
そういえばあの川はこの公園に繋がっているのである。

以来緑地公園に行っては様子を見ていたが、一ヶ月も経つかたたないかのうちにたちまち子供は大きくなり、親子の区別すらつかなくなってきた。
そして親の後ろにくっ付いてばかりいた子供がいつの間にかバラバラに行動するようになり、次第に距離を取るようになった。
ああして大人になっていくものなんだなあ…。
そのうちに一羽一羽いなくなり、ついには二羽だけになってしまった。

この日は久しぶりの親子三人での散歩だったので、チラ…と娘の方に目をやったが、娘は知らん顔してカルガモを眺めていた。

■ 軽鴨の子の親より舫解かれる日  by issei  
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ワアワア鳥

2005-11-18 03:43:11 | 動物ウオッチング

「ほら早く家に入らないとワアワア鳥が来るよ」と母らの声。私はあわてて走り出した。
その時、「ワア…ワア…」と暗くなった空から声が聞こえてきた。
その瞬間私の足はすくみ、その場に動けなくなりワンワン泣きじゃくった。
これが幼い頃のワアワア鳥の記憶である。
大人になって、あのワアワア鳥の正体は一体何だったのか、時折思い出しては考えてみるのだがわからない。鳥であるのは間違いないと思うのだが…。

ある日家族で夕食に出かけた帰り、ふとワアワア鳥のことを思い出して話始めた。
辺りはもう真っ暗である。
その時、「ワア…ワア…」とあの声が聞こえてきたのである。
「あっほらあれだよ!」と空を見上げるが、闇が広がるばかり…。
「ワア…ワア…」次第に声は遠ざかっていった。
まさかここで聞こうとは。果たしてその正体は…。
ふつう渡り鳥といえば雁・鶴などだが、ここら辺りではまず考えにくいので、一番考えられるのは鴨ではないか。鴨も渡るのである。「鴨帰る」は、立派な春の季語である。
私はワアワア鳥の正体は鴨と勝手に決定した。

鴨は春になると寒い繁殖地に帰る。あの「ワア…ワア…」と間を空けて鳴く声は、鴨がこの地を離れる名残りの声なのかも…と思えてきて、幼い頃怖かったあの声が何だかしんみり心に残る声に変わっていた。

■ 鴨帰る空追憶の声洩らす     by issei

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翼の折れたエンゼル

2005-11-13 05:32:56 | 動物ウオッチング

家の近くに大きな緑地公園がある。以前毎日のように散歩に行っていた。大きな池が2つあって、そこには色々な鳥たちがやってくる。
いつものように散歩しながら池を眺めていると、池の縁に白鷺が一羽佇んでいた。何となく寂しそうにしている。よく見ると片方の翼が垂れ下がっている。明らかに折れているとわかった。このままではあの白鷺は生きてはいけない。何とかしなければ、何とかすると言っても私にはどうすることもできない。
家へ帰るとすぐにその旨を保健所に電話した。「はあ…はあ…う…ん」保健所の人も戸惑っていたようだが、「わかりました」と言ってくれた。
とりあえずホッとしたのだが、どうやってあの白鷺を救ってくれるのか、あれこれ想像を巡らせたが、とにかくまかせるしか…。

翌日早速見に行ってみた。しかし白鷺はいた。まあ昨日の今日だし、しかたないかと思い、次の日
も見に行った。しかしまだ白鷺はいた。次の日もいた、次の日も…。
結局一週間たってもそのままだったのだ。その日は雨で、白鷺は背を丸め濡れそぼって立ったままだった。なんとかしてやれよー。

この声が届いたか翌日白鷺はいなかったのだ。池は静かに水をたたえ他の鳥たちも何も無かったように浮いていた。果たして白鷺は無事救われたのかそれとも…。
私は確認の電話をしようかとも思ったのだが何だかその気になれず、ただ白鷺の無事を祈るのみだった。その日の空は晴れ渡り青く澄み切っていた。

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