つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

目からうろこ

2005-10-28 22:21:44 | 絵・まんが

ある日郵便局に所用をすませようと入ると、壁一面に日本画が飾ってあった。全部同じ人物の作品である。
局員に聞いてみると「個人でも無料で一ヶ月展示できますよ」とのこと。
私は、さっそく展示を申し込んだ。
絵描きは誰かに絵を見てもらいたいし、その反応を知りたいものなのだ。
申し込んだ後で、郵便局というのは別に絵を見る目的で行くわけではないのだし、ちゃんと見てくれる人がいるんだろうか…と不安になった。

展示している一ヶ月の間に、時折顔を出して様子をうかがったが、絵にチラッと目をやる人、まったく見ない人がほとんどで、たまにじーっと顔を近づけて見ている人もいた。
やがて一ヶ月が過ぎ、絵の回収に出かけた。
やっぱり見た人の反応が欲しかったなあと思いつつ絵を車に運んでいると、
手伝ってくれた女性局員が
「この絵売らないんですか?私買いたいのがあるんですけど」と言うのである。
エッ…私は思わぬ反応に一瞬あっけにとられた。
「いや…作品は売らないんですよ。もしコピーでも宜しかったら差し上げますけど…」と答えた。
私は局員も作品を見るという事をまったく考えていなかったのである。
彼女は働きながらも時折絵を見てくれていたのだ。
なんだか目から鱗という感じで、新たな認識に目覚めさせられた。
これだから展示はやめられない。
以降、年に一度ずつ展示させてもらう事になった。そして反応を知るために感想を書いてもらうノートを置くことにしたのです。

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オールディーズ

2005-10-22 22:39:29 | ちょっとした出来事

オールディーズのベストアルバムを作ること。これは私の悲願なのだが、先日ほしかった曲をスーパーの特売で見つけて買おうとしたところ、
カミさんが「こんなのネットでもっと安く買えるよ」と言うのである。
手に握り締めたCDをしぶしぶ棚に戻して、カミさんにネットで探してもらった。
そして同じものを手に入れたのだ!
それはフォートップスの『リーチアウトアールビーゼア』とトレメローズの『サイレントイズゴールデン』である。
しかもそのCDには他にも欲しかった曲が何曲かあってラッキー!と喜び勇んでかけてみた。
ン…?確かにフォートップスが歌い、トレメローズが歌っているのだが、明らかに変。
そうなのだ、当時歌ったそのままの曲が欲しいのに、なんか年とったご本人が歌ってる風なのである。そりゃあまあ、ニセ物とまでは言わないけれど、違うんだよなあ…。
懐メロに現在の舟木一夫が出てきて、変な「高校三年生」を聞いている風なのである。
こうなると逆に当時の曲を聴きたーいという欲求が体中に溢れかえってきたのだ。
当時のやつが欲しーいゾ。

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絵の力

2005-10-22 00:03:28 | 絵・まんが

ある日の美術系TV番組で、その国を代表する画家の絵が海外流出の危機に陥ったという話を放送していた。その当時国中が不況にあえいでいて、その絵を所有していた貴族も絵を手放すことになり、競売に出されたのだ。
この時、国民や政府が一斉に立ち上がり、新聞のキャンペーンなどで寄付や募金を募って海外流出を防いだという。

それを何気なく見ていた私は、不意に涙が止まらなくなってしまった。幸い休日の早朝で家族の誰にも見られなかったのだが、どうしてこんなに涙が出たのか、このとき自分の心の奥にあったものがハッキリと見えてきた。
音楽や歌は一瞬にして人を魅了する力を持っているが、声無き声の絵画という表現には非力さを感じていた。
それが一枚の絵が国中の気持ちをひとつにしてしまったのだ。私は、一番好きだったはずの『絵の力』を信じてはいなかったのだ。そんな自分自身がたまらなく恥ずかしかった。
以来、私は本当に絵というものの力を信じるようになった。そしてそれを描く自分自身も…。

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はじめての作品展示

2005-10-16 00:38:08 | 絵・まんが

「絵も展示してあげないとくすんでしまうよ」絵描き仲間が言った。
私の初めての展示はアート喫茶みたいな所で、展示料は無料だった。作品はB4サイズを額に入れた約15点。ほぼ店一杯に飾ることができた。
正直お客さんにはそれほど期待できなかったので(ゴメンナサイ)友人知人、俳句仲間、絵描き仲間へと案内状を出す事にした。全て初めての経験だった。

私は仕事が休みの日は一日中店に居ることにした。
例によって店に居ると、ドヤドヤと顔見知りの人達がやって来た。
今日吟行会に行ったはずの俳句仲間たちであった。しかもご老体の先生まで一緒だったのである。
私はカミさんと二人でいたのだが、一気に緊張して全身金縛りにあったようにコチコチになってしまった。まさか今日ここへ、みんなで来てくれるとは思ってもみなかったのである。
うちのカミさんは感激屋なのでもう涙ポロポロ流すし、 私にとっては大変な一日となった。
案内状を出した人は遠方からも来てくれて、本当に
有り難かった。

この事が、作品展示の意義を私に教えてくれたのであった。
『人に見てもらう』という喜びとプレッシャーを初めて知ったのである。
生半可な作品では来てもらう人に失礼だ。
『心はアマチュア、技術はプロ』を目指すことを固く心に誓ったのです。

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17文字の宇宙

2005-10-10 18:42:52 | 俳句
しかし俳句というシステムは自分の性に合っていた。
自分の句が採られるのか採られないのか、誰の句を採ったのか、もともとあがり性の私は心臓バクバクドキドキして心地いい興奮にときめいた。
夢中になって一日に10句とか作り、全身ですっぽり俳句にのめりこんでしまった。
たかが五七五、されど五七五、このわずか17文字の中に無限の宇宙があることを知ったのです。
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