大抵は食堂で、お茶やらコーヒーを飲んでとるので、わたしも休憩をとりに
食堂へ行った。
すでに他部署のパートの女性たちがお茶菓子をパクつき、
話しに花を咲かせていた。
わたしもお茶を飲もうとして、ふと、このところいつものケーキ屋さんの味に
不満が出て来ていたのを思い出した。
「そうだ、ケーキや甘いもののことなら女性に聞かなきゃ」と思い、
「この辺においしいケーキ屋さんないかな?」と聞いてみた。
彼女たちは「それならあそこのなん何屋がおいしいんじゃない…ウンウン
あそこのはおいしいわよ…」と言ってくれたのだが、もう1つ場所がわかりづらい。
そのうち時間が来てしまって、皆が席を立ちはじめた頃、ちょっときれいどころの
パートの一人が「後で…」と言ってウインクして去って行った。
わたしがそのままお茶を飲んでいると、そのパートの女性がスッとやって来たかと
思うと、真っ直ぐにわたしの方に来て一枚の紙を差し出したではないか。
周りには何人かの社員たちが同じく休憩中で居たので、わたしはちょっとドギマギしてその紙を受け取り、そっと開いてみると、簡単な地図と、ケーキ屋の屋号が書いてあるではないか。
「これでいい…」と一言言うとサッと立ち去ってしまった。
あっという間の出来事だったが、なんだかラブレターでも手渡されたような錯覚に
陥り、ちょっと胸がドキドキしてしまった。
でも、久々の心地よいドキドキだったので、周りに悟られないよう、何食わぬ顔で
お茶を飲み、余韻に浸ったのだった。
ウ~ムそれなら今度は「おいしいコーヒーを飲んで語り合える喫茶店を知りませんか」と言ってみようかなあ…。(こらこらーっ)
☆尚この物語はフィクションであり、この設定、登場人物等は
作者の妄想より発生したものと判明しました。
ただ…ここで述べている心情心理は嘘偽りはないと作者は
言い張っています。
さらにコーヒーを飲んで語り合いたいというのも作者によると
「できたらいいなあー」という希望だそうです。
以上…供述調書より