いつものように、身内を学校に送って行ってると、
反対側の道路へ犬が飛び出してきた。
その貌が何とも言えない歓びに満ち溢れているのだ。
「何あの貌…」身内も思わず声を発した。
おおよそ、犬の貌の表情など分かるなどと言うことは
無いと思っていた。せいぜい嬉しそうに尾を振るときの
尾の勢いで、「あ、もすごく嬉しいんだな」と、判断する
ぐらいだったのだ。
しかし、その犬は明らかに、「ヤッホー!シェキナベイビー」
もし、あの犬に漫画の吹き出しを入れるなら、そんな
セリフを口にしていそうな表情だったのだ。
見ると、首輪はしているのにそれについているはずの
紐がないのだ。紐から解き放たれた飼い犬は、そのまま
突っ走って消え去ってしまったのだ。
身内と茫然と逃げ去ったほうを見ていたが、「犬も
あんな貌をするのね」と二人して何とも言えない苦笑
をしてしまった。
思えば、犬は繋がれるという不自由さと引き換えに、
安全と、餌の確保を保障されている。それでも、本心は
自由になりたいんだな…と、しみじみその心中に思いを
馳せてみた。
身内を送った後の緑地の散歩のまにまに、会社を
離れて、半年たった自分とオーバーラップさせ、あの
犬の見たこともないような嬉しそうな貌が離れなかった…。
反対側の道路へ犬が飛び出してきた。
その貌が何とも言えない歓びに満ち溢れているのだ。
「何あの貌…」身内も思わず声を発した。
おおよそ、犬の貌の表情など分かるなどと言うことは
無いと思っていた。せいぜい嬉しそうに尾を振るときの
尾の勢いで、「あ、もすごく嬉しいんだな」と、判断する
ぐらいだったのだ。
しかし、その犬は明らかに、「ヤッホー!シェキナベイビー」
もし、あの犬に漫画の吹き出しを入れるなら、そんな
セリフを口にしていそうな表情だったのだ。
見ると、首輪はしているのにそれについているはずの
紐がないのだ。紐から解き放たれた飼い犬は、そのまま
突っ走って消え去ってしまったのだ。
身内と茫然と逃げ去ったほうを見ていたが、「犬も
あんな貌をするのね」と二人して何とも言えない苦笑
をしてしまった。
思えば、犬は繋がれるという不自由さと引き換えに、
安全と、餌の確保を保障されている。それでも、本心は
自由になりたいんだな…と、しみじみその心中に思いを
馳せてみた。
身内を送った後の緑地の散歩のまにまに、会社を
離れて、半年たった自分とオーバーラップさせ、あの
犬の見たこともないような嬉しそうな貌が離れなかった…。