我が家には庭とおぼしき土地はないのだが、家の周りのわずかな
スペースと玄関周りはコンクリートが敷き詰められている。
その玄関周りには、母が買ってきて育ててる植木が10数個配置され、
それぞれが季節になると色とりどりの花を咲かせている。
いま母が病であまり活発に動けないので、わたしが毎日仕事を
終えて帰って来てから水をやっている。
当然ながらわたしでは手が行き届かないので、植木にはほかの雑草が
種をばらまき、一緒になって植木鉢に鎮座ましましているのだ。
散歩のときに母が「その雑草抜いてくれればいいのに」となげくのだが、
「雑草だって同じ植物なんだから差別しちゃかわいそうじゃん」と、
わたしはほったらかしである。
本音としては面倒くさがっていたのもあるのだが、そう思ってもいたのである。
雑草たちは我がもの顔に植木鉢を占拠し、季節にはへ~と驚くような
きれいな花を咲かせて、時に本家の植木の花と、たえなるハーモニーの
彩りをかざることがあるのだ。
我が拙句に
汝が名 雑草と言う 草を引く
という俳句があるのだが、考えてみると雑草とは又失礼な命名である。
彼らとて同じ命の重さを持った植物なのだ。
まあ…共存共栄でいきましょう。