虚脱歩き

歩く姿勢が大事なのは承知している
つもりなので、意識してなるべく、
背筋をピッと張って歩くようには
意識している。

…が、時折りヨタヨタ虚脱歩きなるものを
やっているのである。

ほぼ、家の中でやるのだが、全身の
力を抜いて、肩をガックリと落として、
へろへろヨタヨタと歩くのである。

見ようによっては、酔っ払いの千鳥足か
ゾンビ歩きのようなものなので、ほとんどは
誰も見ていない時にやるようにしている。

これは、一種の我がリラックス法なのだが、
お酒を飲んだ直後とか、何か一休みした後
とか、ちょっと体がだる重いときに、ヨタヨタ
へろへろと大げさにゆっくりと歩くのである。

時折り身内らに見られると、「ナ〜二ィ〜
それやめてよ〜」と眉をひそめられるので、
なるべく誰もいない時にやっている。

我ながら変だとは思うのだが、つい出てしまう
のである。

ところが、ある日TVを観ていたら、ある
お医者様が、「時折りこうやって歩くとイイ…」
と、何と我が虚脱歩きとそっくりな
歩きの方法を推奨していたのである。

やはり、全身の筋肉をリラックスさせる
リフレッシュ法だと言うのだ。

おお…と、思わず賛同の雄叫びを、
これ見よがしに挙げたのだった。

思えば、この虚脱状態を作るのは、心身に
知らない内に溜まっていた疲労物心を
無意識に削ぎ落としていたのかもしれない
ではないか。

一瞬ドヤ顔のワタシに、身内らは
「フ〜ン」と訝しげな渋〜い表情の
一瞥をくれたのだった…。w

今日の一句

酩酊の　足の渡れる　冬銀河
　　　　　　　　　　　　　　　　issei