会社の帰り、よくスーパーへ立ち寄る。酒のつまみや夕食のおかずを買うためだ。
特に魚売り場は、買う買わないにかかわらず必ず覗く。それは魚が好きというのも
あるが、いつも漠然と探しているものがあるからだ。
何かと言えば、それはマダイなのである。それも一匹まるまるのやつだ。
当然3~4キロとなるといい値段がするので、日頃は指を咥えて見ているだけなのだが、
時折2キロぐらいで格安のときがあるのだ。実はこれをいつも漠然と探しているのである。
特に我が家のイベント、つまり誕生日とか、何がしかの記念日とかだと買いやすいので、
あちこちのスーパーをはしごして探したりする。
このあいだ、ちょっとした我が家のイベントがあったので、会社の帰りに迂回して
いつもと違う道筋を通った。その時に覗いた初めてのスーパーでそれを見つけたのである。全長40センチ、約2キロ弱というところか。それの値段が、なんと1980円、
いわゆるイチキュッパというやつである。正直安すぎるなあ…という胡散くささを
感じたが、こんな掘り出し物をほっとくことなど少々の胡散くささではできないのだった。
ちょうど魚売り場のオッサンらしき人が、「えーラッシャイ!」などと言いながら
魚のパックを並べ直していたので、鯛の購入を申し出て、「さばいてくれるの?」と
聞くと。「よろしいですよ、このように皮を剥いてやればいいんですね」と鯛の刺身を
指差した。わたしは「いや、皮を付けたまま三枚に下ろして欲しいんだけど」と言うと、
いぶかしげにオッサンわたしの顔を見た。「皮のとこに熱湯をさーっと通してそれを
氷水に…」と言い終わるか終わらないうちに、がってん承知の助と言わんばかりの顔で
ニヤリと笑い返すと、「わかりました!」と一声キッパリと言うと鯛をかかえて
店の奥へと入って行った。
約10分後、「お待ち!」ときれいに下ろされた鯛のパックをわたしに手渡した。鯛の
頭も粗もみんな入っている。わたしが皮付き刺身と同時に粗煮をするのを見越して
いるのである。今度はわたしがオッサンの顔を見てニヤリと笑い返した…。
特に魚売り場は、買う買わないにかかわらず必ず覗く。それは魚が好きというのも
あるが、いつも漠然と探しているものがあるからだ。
何かと言えば、それはマダイなのである。それも一匹まるまるのやつだ。
当然3~4キロとなるといい値段がするので、日頃は指を咥えて見ているだけなのだが、
時折2キロぐらいで格安のときがあるのだ。実はこれをいつも漠然と探しているのである。
特に我が家のイベント、つまり誕生日とか、何がしかの記念日とかだと買いやすいので、
あちこちのスーパーをはしごして探したりする。
このあいだ、ちょっとした我が家のイベントがあったので、会社の帰りに迂回して
いつもと違う道筋を通った。その時に覗いた初めてのスーパーでそれを見つけたのである。全長40センチ、約2キロ弱というところか。それの値段が、なんと1980円、
いわゆるイチキュッパというやつである。正直安すぎるなあ…という胡散くささを
感じたが、こんな掘り出し物をほっとくことなど少々の胡散くささではできないのだった。
ちょうど魚売り場のオッサンらしき人が、「えーラッシャイ!」などと言いながら
魚のパックを並べ直していたので、鯛の購入を申し出て、「さばいてくれるの?」と
聞くと。「よろしいですよ、このように皮を剥いてやればいいんですね」と鯛の刺身を
指差した。わたしは「いや、皮を付けたまま三枚に下ろして欲しいんだけど」と言うと、
いぶかしげにオッサンわたしの顔を見た。「皮のとこに熱湯をさーっと通してそれを
氷水に…」と言い終わるか終わらないうちに、がってん承知の助と言わんばかりの顔で
ニヤリと笑い返すと、「わかりました!」と一声キッパリと言うと鯛をかかえて
店の奥へと入って行った。
約10分後、「お待ち!」ときれいに下ろされた鯛のパックをわたしに手渡した。鯛の
頭も粗もみんな入っている。わたしが皮付き刺身と同時に粗煮をするのを見越して
いるのである。今度はわたしがオッサンの顔を見てニヤリと笑い返した…。
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