つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

お気に入りぐい呑みを求めて

2010-11-23 06:40:36 | 
わたしは長年にわたり、お気に入りのぐい呑みセットを探し求めていた。

しかし、ものぐさゆえに陶器の本場とか、催し物展などに出掛けることもなく、手近の
スーパーなどで購入して、間に合わせていたのである。

そんな折、とある方からNドームの入場ハガキをいただいた。と言っても野球ではない、
「ドームやきものワールド」と銘打った陶器即売展の催し物が行われるのだ。

これは願ってもないチャンスだ。我がのん兵衛至福ライフのために、欲しいものがあったら
値段を気にせず、(いいのかいなこんなに大見え切って)何が何でも購入するぞっと!と心に決め、
お絵描き預金から(そんなのあったかなあ?)引き出したお金をにぎりしめ、休日を待って車で出掛けた。

雨男にもかかわらず空は晴れ渡り天気は上々、といってもドームだから関係ないが、いい予感が
するではないか。

車はドームと繋がっている近くの大手スーパーに駐車し、(3千円以上お買い上げで3時間無料、
ただしお買い上げなくドームの野球観戦や催し物のために駐車すると、6千円請求されるらしい)
ドームへと渡った。

ドーム内は、迷路のように区切られたブースに、有名、無名の〇〇焼きと書かれたカンバンが立ち並び、
日本全国の焼き物のメッカから集まってきているのがわかる。

わたしが欲しいのは、お猪口・徳利・ビールジョッキ・焼酎湯割り呑みの、のん兵衛4点セットだ。

入口から一軒一軒4点セットを見ていく。このセットだけはネットで買うというわけにはいかない。
手に取り、触り、口に持っていってみないと、その感触を実感できないからだ。
いいなあと思っても手に取ると重すぎたり、肌触りが悪かったり、ジョッキなど取っ手の持ち具合が
手にしっくりくるかどうか、持ってみないとわからないのである。

そして、とある一角で、ついにウ~ムと思えるお猪口と徳利を見つけたのである。うわぐすりを塗っていない
手触り、持った重さもほどほど、色も苔むしのわびさび色。何よりぐにゃりと歪になっているのも、
我が探し求める“ゆらぎ”を感じるではないか。作者は何やらオエライ大家のようで、他のものの値段は
相当なものである。

だが、わたしが手にしているものはさほどではない。良く見ると、陳列してある棚に「わけあり」と
書いてあるではないか。なるほど、陳列品を仔細に見ると、ちょっと欠けていたり、色ムラが
あったりしている。手に取ったお猪口もちょっと色ムラがある。でも、わたしはそんなことは気にしない、
かえってリアルな手作り感があって、望むところだ。

ブースはまだまだあるので、二重丸のチェックを入れて、もうひと巡りして、これ以上のお気に入りに
出会えなかったら戻って購入。と決めてまた次のブースへ…。

さすがに人出は多い。カップル、家族連れ、オッサンオバサン、爺さん婆さん、青い目の方、正体不明の
サングラス、らが、ぞろぞろと各ブースを巡っている。ドームのステージではコロッケのモノマネショウの
真っ最中である。わたしも見たかったが、なるべく3時間の駐車時間内に終わらせたかったので、ちらちら
ハイビジョンを目で追いつつ、耳では松山千春マネを聴いていた。

ひと巡りして、まだまだブースを残していたが、さっき以上のは見つからず、疲れも出始めたので、
戻って購入しようと踵を返した。…が、このブース並は迷路のように区切られていて、元々方向音痴
ぎみのわたしは、どうやら違うところに迷い込んだようであった。

しかし、そこで何気なく目にしたものに目を奪われてしまったのだ。








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