一応勤め人なので、平日は真面目に仕事をしていて、作品展示は
ギャラリー喫茶である「奈邪」におまかせしている。
しかし、案内状を出しているので、休日は極力「奈邪」へ出掛けるようにしている。
知り合いの誰が来るかわからないからである。これが普通のギャラリー会場だと、
展示する間ずっと誰かが、会場に居なければならないのだ。
2週目の休日(土)再び「奈邪」へ出掛けた。予報は雨のち晴れだったが、雨男が
復活したか、送らせて出掛けたが、雨は止むことなく降っていた。
前回は車で行ったが今回は電車である。「奈邪」の近くを流れる佐奈川堤の桜が
満開のはずだから、当然花見で一杯をもくろんでのことだ。
11時過ぎに「奈邪」に着いたが、まだ雨は降っていた。マスターに挨拶をして
感想帳をのぞくと、俳句仲間の一人が書いてくれていた。奥まった席へ陣取り、
コーヒーを頼んで、俳句帳を取り出す。昼には晴れると見込んでのことだったが、
正午を回っても降っていた。
やむなく花見を強行することにして、一旦「奈邪」を出た。小雨ではあったが
シトシトと降っていた。佐奈川堤の桜は予想どうりの満開だ。すぐそばに
大型ス-パーがあるので、全て現地調達できるのである。つまみとカップ酒を揃えて
スーパーの外へ出るとすでに雨は止んでいた。「よしよし、いいぞ」わたしは
ほくそ笑んだ。
雨だったせいか人通りは極端に少ない。これはラッキーである。頭上をトンネルの
ように覆っている桜並木の下のベンチに買い物袋のビニールシートを敷いて座る。
しかしこの時思わぬ客がやってきたのである。つまみに簡単な握り寿司のパックを
買っていたのだが、それを食べようとした瞬間、どこから見ていたのか鳩が5~6羽
わさわさと足元に降り立ったのだ。そして周りを取り囲むように近づきながら
ククーククーと鳴くのである。明らかに催促しているのだ。
「なんちゅうヤツらだ」と、呆れつつも寿司をパクつき始めた。時折ご飯の
欠けらを放ると、ササッと寄ってきて食べてしまう。ちょうどイクラになったので、
一粒放ると、ササッと寄ってきたが、食べ物ではないと見てとったか、プイッと次々
離れてしまった。「なんだ、イクラは旨いんだぞ」何となく損した気分になって、
心の中でなじった。
そのうち、後に来た一羽がヒョイとイクラをつまむと、おいしかったのかそのまま
呑みこんでしまった。「だろう」わたしはそいつにニンマリとうなづいた。
次にご飯粒を放るとまた早いもの勝ちに取って行く。しばらくして、イクラを放って
みると、またプイと離れていく。そして何と最初に食べたやつがまたやってきて、
パクリ…。そいつだけがイクラの味を知ったのである。
わたしは、つまみを平らげ、カップ酒を呑み干し、一人宴を満喫した。
ギャラリー喫茶である「奈邪」におまかせしている。
しかし、案内状を出しているので、休日は極力「奈邪」へ出掛けるようにしている。
知り合いの誰が来るかわからないからである。これが普通のギャラリー会場だと、
展示する間ずっと誰かが、会場に居なければならないのだ。
2週目の休日(土)再び「奈邪」へ出掛けた。予報は雨のち晴れだったが、雨男が
復活したか、送らせて出掛けたが、雨は止むことなく降っていた。
前回は車で行ったが今回は電車である。「奈邪」の近くを流れる佐奈川堤の桜が
満開のはずだから、当然花見で一杯をもくろんでのことだ。
11時過ぎに「奈邪」に着いたが、まだ雨は降っていた。マスターに挨拶をして
感想帳をのぞくと、俳句仲間の一人が書いてくれていた。奥まった席へ陣取り、
コーヒーを頼んで、俳句帳を取り出す。昼には晴れると見込んでのことだったが、
正午を回っても降っていた。
やむなく花見を強行することにして、一旦「奈邪」を出た。小雨ではあったが
シトシトと降っていた。佐奈川堤の桜は予想どうりの満開だ。すぐそばに
大型ス-パーがあるので、全て現地調達できるのである。つまみとカップ酒を揃えて
スーパーの外へ出るとすでに雨は止んでいた。「よしよし、いいぞ」わたしは
ほくそ笑んだ。
雨だったせいか人通りは極端に少ない。これはラッキーである。頭上をトンネルの
ように覆っている桜並木の下のベンチに買い物袋のビニールシートを敷いて座る。
しかしこの時思わぬ客がやってきたのである。つまみに簡単な握り寿司のパックを
買っていたのだが、それを食べようとした瞬間、どこから見ていたのか鳩が5~6羽
わさわさと足元に降り立ったのだ。そして周りを取り囲むように近づきながら
ククーククーと鳴くのである。明らかに催促しているのだ。
「なんちゅうヤツらだ」と、呆れつつも寿司をパクつき始めた。時折ご飯の
欠けらを放ると、ササッと寄ってきて食べてしまう。ちょうどイクラになったので、
一粒放ると、ササッと寄ってきたが、食べ物ではないと見てとったか、プイッと次々
離れてしまった。「なんだ、イクラは旨いんだぞ」何となく損した気分になって、
心の中でなじった。
そのうち、後に来た一羽がヒョイとイクラをつまむと、おいしかったのかそのまま
呑みこんでしまった。「だろう」わたしはそいつにニンマリとうなづいた。
次にご飯粒を放るとまた早いもの勝ちに取って行く。しばらくして、イクラを放って
みると、またプイと離れていく。そして何と最初に食べたやつがまたやってきて、
パクリ…。そいつだけがイクラの味を知ったのである。
わたしは、つまみを平らげ、カップ酒を呑み干し、一人宴を満喫した。
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