買い物をしての帰り、マンションの
エレベーターが上階で止まっていたので、
階段で行こうと、上りはじめた。
すると、2F手前の踊り場の溝に
100円玉がキラリ。
恐らく、2~3Fの住人の誰かが
落としたに違いない。
階段は、3F以上はまず使わないのだ。
一瞬、迷った末に拾った。拾ってから、
100円玉を眺めつつ…思った。
これをこのまま頂いて、ビール1本買う足しに
しても、さほどの問題にはならないで
ありましょう。
しかし、あくまでも他人のお金なので、
厳密には窃盗ということになる。
か弱きわが良心の呵責が、ちくちく
とうずくかもしれない…たかが100円、
されど100円…。
結局、ことの次第を説明して、
落し物として、管理人さんに
届け出た。
管理人さんも、一瞬微妙な表情で
わたしの顔を見たが、すぐ笑顔で
了解された。
もし、あれが50円玉だったら…10円玉
だったら…1円玉だったら…。
「100円玉の落し物」の貼り紙を
眺めつつ、つらつら思うのだった…。