2012/06/19
ぽかぽか春庭十二単日記>つゆに咲く花(3)新種!ベルサイユのばら
国際バラとガーデニングショウ。
2012年の今年は第14回。2012年5月12日から20日まで、所沢市の西部ドームで開催されました。通勤に使う西武線でずいぶん前に宣伝パンフレットを見て、行ってみたいなあ、招待券が手に入らないかしら、と思っていたのですが、ダメでした。100万輪のバラが広いドームを埋め尽くす、というのを見てみたかった。会期中、300万人が訪れて、薔薇の花を中心にした展示やガーデニングショウを楽しんだのだそうです。

実際に見ることができませんでしたが、NHKの放送で「趣味の園芸 国際バラとガーデニングショウ2012」というのが放映されていたので、お茶碗を洗いながら見ていました。
普段「趣味の園芸」なんて見たこともないのですが、きれいな庭は大好きです。
番組では、薔薇育種家3人が紹介され、新種の薔薇作りに一生をかけた園芸家が登場しました。天津乙女という、私も古河庭園や神代植物園でその名を見たことのあるバラを育てた寺西菊雄さん。伊丹市にあるイタミローズガーデンでの育種歴60年だそうです。
ローマの国際薔薇コンクールで金賞を受けた「快挙」という薔薇を育てた武内俊介さん、京成バラ園の3代目園長さん。河合伸志さんは、「禅シリーズ」という日本独自の色を追求する。作り出した新種の薔薇の名前も「あさきゆめみし」「空蝉」など、和風です。
どの方も、時間と手間のかかる新種の薔薇の育成を成し遂げるまでに、途方もない努力を重ねておいでです。わたしなんぞ、ただ「きれいだなあ」「いいにおいだなあ」と思って見ているだけだけど、薔薇の花にもこうやって咲くまでにいろいろな物語があるのだなあ、と思い入りました。
西部ドーム会場全体のシンボルガーデンとなったのは、イギリスのデザイナー、キャス・キッドソンさんの庭。過去14年間かけて作ったイングランドのコッツウォルズにある庭をイメージた伝統的なイングリッシュガーデンをベースに、同じイギリス人のガーデンデザイナー マーク・チャップマンさんが再構築したライフスタイルの展示だそうです。 キャス・キッドソンは、小物類の販売を手がけて、今やイギリスを代表する企業家となった人です。私には、ピーターラビットのふるさとコッツウォルズは一生に一度は行ってみたいあこがれの土地です。
園芸家にとっては1年1度の晴れ舞台となる、バラやガーデンのコンテストもあり、新種の発表の場でもあります。今年の目玉は、「ベルサイユのバラ」と名付けられたこの薔薇。(画像はネットからの借り物です)。
ベルサイユのばら
池田理代子よりほんのちょっと若い世代の私たちには、バラといえば漫画の『ベルサイユのバラ』ですが、1980年代のタカラヅカに心ときめかせた世代にとっては、トップスターがオスカルやマリーアントワネットを演じた劇こそ「薔薇中のバラ」と印象に残っているでしょう。
私より少し上の世代に人にとっては、学校の音楽室で歌ったシューベルトやウェルナーの「野バラ」の歌こそが「心のバラ」であるようです。どちらもゲーテの詩に曲をつけたものですが、中学校で日本語訳詞で歌うとウェルナーの曲のほうがいい曲に思えたのに、高校でドイツ語原詩にカタカナでルビふって歌うと、シューベルトのほうがずっと詩にぴったりだと感じました。
ゲーテの歌詞(ドイツ語)
Sah ein Knab' ein Röslein stehn,
Röslein auf der Heiden,
war so jung und morgenschön,
lief er schnell, es nah zu sehn,
sah's mit vielen Freuden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.
Knabe sprach: "Ich breche dich,
Röslein auf der Heiden!"
Röslein sprach: "Ich steche dich,
dass du ewig denkst an mich,
und ich will's nicht leiden."
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.
Und der wilde Knabe brach
's Röslein auf der Heiden;
Röslein wehrte sich und stach,
half ihm doch kein Weh und Ach,
musst' es eben leiden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.
近藤朔風(こんどうさくふう)の訳詞
♪童は見たり 野なかの薔薇
清らに咲ける その色愛(め)でつ
飽かずながむ
紅(くれない)におう 野なかの薔薇
♪手折(たお)りて往(ゆ)かん 野なかの薔薇
手折らば手折れ 思出ぐさに
君を刺さん
紅におう 野なかの薔薇
♪童は折りぬ 野なかの薔薇
折られてあわれ 清らの色香(いろか)
永久(とわ)にあせぬ
紅におう 野なかの薔薇
ゲーテの原詩を直訳してみると、近藤朔風の詩はかなり「文部省唱歌」的にお行儀のいい超訳の気がします。では、春庭は、不良少年っぽく超訳してみます。わいるどダゼェってなところ。
「荒野の薔薇」 春庭超訳
悪ガキが、野に咲くバラのようすをうかがう
若くてきれいな野原の薔薇
近くに寄ってじっと眺める、うれしげに。
ちっちゃな野バラ、赤いつぼみの荒野の薔薇ちゃん
おまえを摘んでしまいたい
野バラは答えた「思い通りに摘まれてたまるか、あたいの棘で刺してやる」
かわいい野バラ、荒野のつぼみ
それでもあいつは野バラを摘んだ
野バラはヤツを刺しまくる
痛かあねぇよ、野バラちゃん
かわいいもんだぜ荒野の野バラ
赤いつぼみのちっちゃな野バラ
2011年に神代植物園で撮影
<つづく>
ぽかぽか春庭十二単日記>つゆに咲く花(3)新種!ベルサイユのばら
国際バラとガーデニングショウ。
2012年の今年は第14回。2012年5月12日から20日まで、所沢市の西部ドームで開催されました。通勤に使う西武線でずいぶん前に宣伝パンフレットを見て、行ってみたいなあ、招待券が手に入らないかしら、と思っていたのですが、ダメでした。100万輪のバラが広いドームを埋め尽くす、というのを見てみたかった。会期中、300万人が訪れて、薔薇の花を中心にした展示やガーデニングショウを楽しんだのだそうです。

実際に見ることができませんでしたが、NHKの放送で「趣味の園芸 国際バラとガーデニングショウ2012」というのが放映されていたので、お茶碗を洗いながら見ていました。
普段「趣味の園芸」なんて見たこともないのですが、きれいな庭は大好きです。
番組では、薔薇育種家3人が紹介され、新種の薔薇作りに一生をかけた園芸家が登場しました。天津乙女という、私も古河庭園や神代植物園でその名を見たことのあるバラを育てた寺西菊雄さん。伊丹市にあるイタミローズガーデンでの育種歴60年だそうです。
ローマの国際薔薇コンクールで金賞を受けた「快挙」という薔薇を育てた武内俊介さん、京成バラ園の3代目園長さん。河合伸志さんは、「禅シリーズ」という日本独自の色を追求する。作り出した新種の薔薇の名前も「あさきゆめみし」「空蝉」など、和風です。
どの方も、時間と手間のかかる新種の薔薇の育成を成し遂げるまでに、途方もない努力を重ねておいでです。わたしなんぞ、ただ「きれいだなあ」「いいにおいだなあ」と思って見ているだけだけど、薔薇の花にもこうやって咲くまでにいろいろな物語があるのだなあ、と思い入りました。
西部ドーム会場全体のシンボルガーデンとなったのは、イギリスのデザイナー、キャス・キッドソンさんの庭。過去14年間かけて作ったイングランドのコッツウォルズにある庭をイメージた伝統的なイングリッシュガーデンをベースに、同じイギリス人のガーデンデザイナー マーク・チャップマンさんが再構築したライフスタイルの展示だそうです。 キャス・キッドソンは、小物類の販売を手がけて、今やイギリスを代表する企業家となった人です。私には、ピーターラビットのふるさとコッツウォルズは一生に一度は行ってみたいあこがれの土地です。
園芸家にとっては1年1度の晴れ舞台となる、バラやガーデンのコンテストもあり、新種の発表の場でもあります。今年の目玉は、「ベルサイユのバラ」と名付けられたこの薔薇。(画像はネットからの借り物です)。

池田理代子よりほんのちょっと若い世代の私たちには、バラといえば漫画の『ベルサイユのバラ』ですが、1980年代のタカラヅカに心ときめかせた世代にとっては、トップスターがオスカルやマリーアントワネットを演じた劇こそ「薔薇中のバラ」と印象に残っているでしょう。
私より少し上の世代に人にとっては、学校の音楽室で歌ったシューベルトやウェルナーの「野バラ」の歌こそが「心のバラ」であるようです。どちらもゲーテの詩に曲をつけたものですが、中学校で日本語訳詞で歌うとウェルナーの曲のほうがいい曲に思えたのに、高校でドイツ語原詩にカタカナでルビふって歌うと、シューベルトのほうがずっと詩にぴったりだと感じました。
ゲーテの歌詞(ドイツ語)
Sah ein Knab' ein Röslein stehn,
Röslein auf der Heiden,
war so jung und morgenschön,
lief er schnell, es nah zu sehn,
sah's mit vielen Freuden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.
Knabe sprach: "Ich breche dich,
Röslein auf der Heiden!"
Röslein sprach: "Ich steche dich,
dass du ewig denkst an mich,
und ich will's nicht leiden."
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.
Und der wilde Knabe brach
's Röslein auf der Heiden;
Röslein wehrte sich und stach,
half ihm doch kein Weh und Ach,
musst' es eben leiden.
Röslein, Röslein, Röslein rot,
Röslein auf der Heiden.
近藤朔風(こんどうさくふう)の訳詞
♪童は見たり 野なかの薔薇
清らに咲ける その色愛(め)でつ
飽かずながむ
紅(くれない)におう 野なかの薔薇
♪手折(たお)りて往(ゆ)かん 野なかの薔薇
手折らば手折れ 思出ぐさに
君を刺さん
紅におう 野なかの薔薇
♪童は折りぬ 野なかの薔薇
折られてあわれ 清らの色香(いろか)
永久(とわ)にあせぬ
紅におう 野なかの薔薇
ゲーテの原詩を直訳してみると、近藤朔風の詩はかなり「文部省唱歌」的にお行儀のいい超訳の気がします。では、春庭は、不良少年っぽく超訳してみます。わいるどダゼェってなところ。
「荒野の薔薇」 春庭超訳
悪ガキが、野に咲くバラのようすをうかがう
若くてきれいな野原の薔薇
近くに寄ってじっと眺める、うれしげに。
ちっちゃな野バラ、赤いつぼみの荒野の薔薇ちゃん
おまえを摘んでしまいたい
野バラは答えた「思い通りに摘まれてたまるか、あたいの棘で刺してやる」
かわいい野バラ、荒野のつぼみ
それでもあいつは野バラを摘んだ
野バラはヤツを刺しまくる
痛かあねぇよ、野バラちゃん
かわいいもんだぜ荒野の野バラ
赤いつぼみのちっちゃな野バラ

<つづく>