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ぽかぽか春庭アーカイブ「(お)大江健三郎『個人的な体験』」

2018-10-25 00:00:01 | エッセイ、コラム
20181025
ぽかぽか春庭アーカイブ>(お)大江健三郎『個人的な体験』


at 2003 09/30 12:23 編集
 春庭千日千冊 今日の一冊No.5(お)大江健三郎『個人的な体験』
 大江の本、絶版本『政治少年死す』を含めて、ほとんどの作品を読んだ。いまも続けて新作に注目できる作家の中のひとり。

 ノーベル賞受賞以後は「余生」であって読むべき作品は無し、という人もいるし、「障害のある我が子をモデルにするのがちょっとね」と、息巻く留学生もいた。いろいろ言われているが、私は好き。

 『個人的な体験』の冒頭。「鳥(バード)は、野生の鹿のようにも昂然と優雅に陳列棚に収まっている、立派なアフリカ地図を見下ろして、抑制した小さい嘆息をもらした。」から始まる。
 大江の小説に光をモデルにした子どもが登場する最初の作品だ。バードは障害のある子と共に生きていくことを選択し、あれほど行きたかった東アフリカ行きを断念する。

 この本を読んでいた1970年、私自身がその9年後にケニアで1年近くすごすことになるとは思っていなかった。1979~80年、ケニアのさまざまな土地で熱帯の鳥をいろいろ見た。
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a
t 2003 09/30 12:23 編集 バードウオッチング検定「これはクイナです」
 日本野鳥の会が主催する「バードウオッチング検定」。鳥の種類、鳴き声などのほか、環境問題やウォッチングマナーについても出題される。
 1級合格者は、過去2回の試験で397人。これまでの受験者最年長は92歳、最年少は7歳。おじいちゃんと孫が並んで双眼鏡をのぞいている光景が想像される。

 私が『野鳥観察図鑑鳴き声CD付き』を買ったのは、ウオッチング目的ではなく、「クイナ」の鳴き声を知るため。クイナの鳴き声を知りたかったのは、大江の本を読んだから。
 我が子が生まれてから最初に発したことばが「これはクイナです」だった、という本を読んで、、、。最初のことばが「これはクイナです」だった人は、大江光。
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2010/01/14
 2009年に46歳になった大江光は、今も静かな生活を続けている。新作のCD発売とかコンサート開催のニュースは聞かないけれど、ピアノの楽譜を眺めたり、新しい曲のフレーズを指先にのせたり、父といっしょに成城の家で過ごしていることだろう。
 大江の2009年の新作は『水死』。村上春樹の『1Q84』には及ばなかったものの、純文学小説が売れない昨今にあって、老大家の新作がベストセラーとして店頭に山積みされるのはめでたいことです。

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20181025
 今年は受賞なしになったノーベル文学賞。1995年の大江の受賞から23年たちますから、来年はきっと。 

<つづく>
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