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ぽかぽか春庭アーカイブ「(か)川田順造『曠野から―アフリカで考える』」

2018-10-27 00:00:01 | エッセイ、コラム
20181027
ぽかぽか春庭アーカイブ>(か)川田順造『曠野から―アフリカで考える』

 2003年のアーカイブです。
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at 2003 10/01 05:57 編集
春庭千日千冊 今日の一冊No.6(か)川田順造『曠野から―アフリカで考える』(筑摩書房, 1973年/中央公論社[中公文庫], 1976年)
 ケニアに行く前に読んだ「アフリカ関連本」の中で、川田順造は、トリックスター(道化)を広めた山口昌男と並んで、文化人類学的なものの見方考え方を教わった人のひとり。
 川田の『マグレブ紀行』も好きな本だった。

 ケニアから帰国してから2年後、資金を貯めやっとモロッコからアフリカ縦断の旅に出ることになった。モロッコからジープでサハラ砂漠を通ってケニアに向かい、ケニアの大使館でタカ氏との婚姻届を出す予定でした。いざ、マグレブへという寸前で、出発をとりやめ、飛行機もキャンセル。駆け込みできちゃった婚をすることになり、未だにマグレブは遠い。

at 2003 10/01 05:57 編集 74歳強盗トリックスター
 笑っちゃったりしんみりしたりのニュース。2003/09/29のNHK昼ニュース。コンビニ強盗の報道。
 中野区のコンビニ、サンクスで「金を出せ」と店員を脅した強盗、他の店員が奥から出てくると、何も盗らずに逃げた。コンビニからの通報でたちまち逮捕。
 犯人は74歳の男性だった。所持金数十円。ほんとうに強盗をするつもりだったのか、それともただ、捕まりたかったのかは、まだわからない。
 74歳という年齢で強盗ときいて、「そんなに困っていたのか」としんみりしたり、よくある「食い逃げ」などをせずに「強盗」すると決めたのはなぜなのか、と面白く思ったり。
 悪さをしまくり、沈んだ世の中の澱をかき混ぜるトリックスターのようだと感じたり。
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2010/01/15
 2009年の年末、74歳のコンビニ強盗、もうはや珍しくもなくニュースにもならないくらい、貧しい老人を取り巻く状況は厳しい。2010年、年寄りが安心して老いていける状況になるのでしょうか。

 1月13日朝刊、69歳のベテラン(?)掏摸が逮捕されたと報道されていました。竹田孝雄容疑者(69)は旧姓が鐙谷(あぶみや)だったことから通称アブ。ギャンブル場やお祭りなど人混みのなかで仕事をするパンサーという掏摸グループの一員で、ギャンブル場でのスリを続けてきたので「ギャンのアブ」と呼ばれていました。
 警察が年末のスリ警戒を実施しているさなか、昨年12月29日に後楽園場外馬券売り場で逮捕されました。これまでも警察に「これから○○競馬場へ行く」と予告電話をして、逮捕を逃れてきたスリ歴30年の「ギャンのアブ」。
 ギャンブル狂がギャンブルに熱中している時をねらって、カバンやポケットの現金を盗む。13年間「ギャンのアブ」を追っては取り逃がしていたスリ専門の捜査員、ついにアブを逮捕し、「完全に俺の敗け」と言わしめた。

 私も電車の中でお金をすられて悔しい思いをしたこともあるし、むろんスリは犯罪には違いない。しかし、「ギャンブルでひともうけしようとしている人」が競馬や競輪に夢中になっているスキを狙い、気づかれないうちに財布を抜き取るっていう技を磨いて30年ってところが、なんだか憎みきれない感じがしてしまう。スリは、現行犯逮捕以外に逮捕の方法がない。捜査員にとっても、「ギャンのアブ」との攻防は、「逮捕の技」を磨く修練の場になっていたのかもしれません。
 アブは、捜査員を「だんなさん」と呼んでいたそうです。筋金入り掏摸のアブと捜査員「だんなさん」の一騎打ちって、なんだかドラマになりそうで、ギャンのアブにトリックスターの称号をあげたい気分。

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20181027
 今年の「トリックスター大賞」は、富田林署から逃亡し、サイクリングお遍路を続けた樋田淳也容疑者で決まりでしょう。もともとの罪状は窃盗犯および強姦犯だというので、近隣の方々には恐怖もあったでしょうが、東京でニュースを見ていると、山口で逮捕されるまでの道行きは、こりゃきっと誰かがシナリオに書くなあと思う出来事でした。
 ノワール映画ではあるけれど、喜劇要素も含んで出色のできになるんじゃなかろうか。

<つづく>
コメント
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