20201212
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>再録・日本語教師日誌( )おいしい餃子で留学生クラス会
春庭の日本語教師日誌再録を続けています。
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2008/01/03
春庭のニッポニアニッポン語教師日誌>クラス会(1)ハカセ2班クラス会
年末年始、いろいろな集まりで飲んで食べて、みなさん、おいしい毎日をたのしんでいらっしゃるだことでしょう。まさか、酢豆腐食べておなかこわした人いないでしょうね。
春庭、正月はいつもの寝正月ですが、今年は、年末の教え子クラス会に招かれたときにもらったクラスアルバムなどながめながら、のんびりすごしています。
教え子たちのなつかしい顔をアルバムでたどりながら、昨年の中国滞在を思い出し、年末に行われた「赴日本国中国留学生」たちの同窓会を思い出しています。
2007年、3月から8月まで中国で教えた教え子たちは、2007年10月に元気に日本へやってきました。
昨年末12月15日に、日本での第一回目のクラス会が行われ、私もお招きにあずかりました。
私が担当した「博士二班」の20名のうち、東京組は半数近くの9名。東大、東工大、一橋大、早大に在学中。
北大、東北大、名大、岐阜大などの遠方の大学に在籍組で東京に集まれなかった人とは、またの機会にということで、今回は東京在住者中心の「クラス会」になりました。
教え子たちは、2006年9月まで、中国の大学の教師として働いていました。
中国全土の大学若手教師のなかから、優秀な百人が選ばれ、1年近く日本語を猛勉強しました。
彼らは、2006年10月に日本語学習をスタートし、アイウエオから学びはじめました。
彼らのコースは、日本の中学生高校生が6年間かけて学ぶ分量の英語(英検2級合格レベル)に相当する日本語を、わずか11ヶ月間で修得するという集中プログラムです。
教え子たちは、11ヶ月の日本語学習を経て、2007年8月に修了証書をもらっています。
この修了証書は、中国教育部(日本の文部科学省にあたる)が、公式に「日本への留学を認める」と、お墨付きを与えるものです。
中国で国費留学するためには、「国費留学生試験」に合格する必要があります。この試験に合格するのは、昔の科挙試験に合格するよりむずかしい、と言われています。
「現代の科挙」に合格せんとする彼らの猛勉強ぶりは、ものすごいものがありました。
教えるほうもヘトヘトになるくらい。
彼らが受けた修了証書は、この「国費留学試験に合格したと同等の資格を認める」というお墨付きなのです。
彼らは、最終試験に合格して留学切符を手にしました。
文部科学省の招聘国費留学生。学費は無料で、返済不要の奨学金も給与されます。
この日本語教育機関は、日本の学校教育法に記載された中国で唯一の、「中日両国政府合弁」教育施設です。中国と文部科学省が合同で維持運営していく教育機関なのです。
中国側の教師と日本の文部科学省から派遣された教師が、協力して日本語教育にあたっています。
<つづく>
2008/01/05
春庭のニッポニアニッポン語教師日誌>クラス会(3)餃子パーティ
中国の人たちは、みんなで集まってごはんを食べるのが大好きです。
12月15日、11時前に、国際交流会館のキッチンに集合。餃子パーティの開始。
スーパーへ食材の買い出しに行く者、近くの「ダイソー」に行って、紙コップ、麺棒、「おろし金」など調理器具を買いに行く者、手分けして、料理スタート。
教え子たちが住む国際交流会館は、国費留学生のための寮で、世田谷区にあります。
世界各国から集まった留学生が、ここからそれぞれの大学に通学しています。
最初の1、2年間は、この「国費留学生用の寮」に、そのあと民間アパートに、という住生活プランの学生が多い。
地方の大学ではずっと大学留学生寮に住めるのですが、東京は留学生数も多く、留学生寮に入居できる期間が制限されているので、いろいろたいへんです。
私が教えたクラスの学生、東大理系2人文系1人一橋大1人が、この寮に住んでいます。ほかの東京組、、早大2人と東大文系ひとりは、駒場東大前の留学生会館に入居しました。
昨年7月に出産し、赤ちゃんをおばあちゃんに託して留学してきた「国際金融」研究のママさん学生も元気な顔を見せています。彼女は大学キャンパス内の留学生寮に入居できました。
そのほか、横浜からふたり、京都からひとり、名古屋からひとり、遠路はるばる駆けつけてきました。
名古屋から来たチョウさんが言いました。
「先生は私に、日本では、ぜひ青春18切符をつかって旅行しなさいと教えてもらいました。だから、私は、昨日の夜、青春18切符で電車に乗りました。今朝、東京駅に着きました」
うん、私が雑談で言ったことをしっかり覚えていて、青春18切符を使いこなしているんだね。私が教えたことが役にたってうれしいよ。
でも、私が授業中あれほど口をすっぱくして教えたつもりの「やりもらい」の使い方、「先生は私に教えてもらいました」じゃなくて、「先生は私に教えてくださいました」って教えたのに、、、
ん、まあいいよ、いいよ、間違えても、気持ちが伝わりました。みんなと会えてうれしい気持ち。
にぎやかに会話しながら、餃子や中国料理ができあがっていきます。それぞれの大学事情や寮のようす、この2ヶ月半の日本での体験、みな、話がいっぱいあります。
中国では餃子の皮を手作りするのは、日本で自宅の炊飯器で米を炊くのと同じ感覚。餃子の皮を買うのは、「パック入りレトルトごはん」を買うのと同じで、手抜き料理の感じになる。
男性も器用に餃子の粉をこね、皮を丸く仕上げることができます。
<つづく>
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>再録・日本語教師日誌( )おいしい餃子で留学生クラス会
春庭の日本語教師日誌再録を続けています。
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2008/01/03
春庭のニッポニアニッポン語教師日誌>クラス会(1)ハカセ2班クラス会
年末年始、いろいろな集まりで飲んで食べて、みなさん、おいしい毎日をたのしんでいらっしゃるだことでしょう。まさか、酢豆腐食べておなかこわした人いないでしょうね。
春庭、正月はいつもの寝正月ですが、今年は、年末の教え子クラス会に招かれたときにもらったクラスアルバムなどながめながら、のんびりすごしています。
教え子たちのなつかしい顔をアルバムでたどりながら、昨年の中国滞在を思い出し、年末に行われた「赴日本国中国留学生」たちの同窓会を思い出しています。
2007年、3月から8月まで中国で教えた教え子たちは、2007年10月に元気に日本へやってきました。
昨年末12月15日に、日本での第一回目のクラス会が行われ、私もお招きにあずかりました。
私が担当した「博士二班」の20名のうち、東京組は半数近くの9名。東大、東工大、一橋大、早大に在学中。
北大、東北大、名大、岐阜大などの遠方の大学に在籍組で東京に集まれなかった人とは、またの機会にということで、今回は東京在住者中心の「クラス会」になりました。
教え子たちは、2006年9月まで、中国の大学の教師として働いていました。
中国全土の大学若手教師のなかから、優秀な百人が選ばれ、1年近く日本語を猛勉強しました。
彼らは、2006年10月に日本語学習をスタートし、アイウエオから学びはじめました。
彼らのコースは、日本の中学生高校生が6年間かけて学ぶ分量の英語(英検2級合格レベル)に相当する日本語を、わずか11ヶ月間で修得するという集中プログラムです。
教え子たちは、11ヶ月の日本語学習を経て、2007年8月に修了証書をもらっています。
この修了証書は、中国教育部(日本の文部科学省にあたる)が、公式に「日本への留学を認める」と、お墨付きを与えるものです。
中国で国費留学するためには、「国費留学生試験」に合格する必要があります。この試験に合格するのは、昔の科挙試験に合格するよりむずかしい、と言われています。
「現代の科挙」に合格せんとする彼らの猛勉強ぶりは、ものすごいものがありました。
教えるほうもヘトヘトになるくらい。
彼らが受けた修了証書は、この「国費留学試験に合格したと同等の資格を認める」というお墨付きなのです。
彼らは、最終試験に合格して留学切符を手にしました。
文部科学省の招聘国費留学生。学費は無料で、返済不要の奨学金も給与されます。
この日本語教育機関は、日本の学校教育法に記載された中国で唯一の、「中日両国政府合弁」教育施設です。中国と文部科学省が合同で維持運営していく教育機関なのです。
中国側の教師と日本の文部科学省から派遣された教師が、協力して日本語教育にあたっています。
<つづく>
2008/01/05
春庭のニッポニアニッポン語教師日誌>クラス会(3)餃子パーティ
中国の人たちは、みんなで集まってごはんを食べるのが大好きです。
12月15日、11時前に、国際交流会館のキッチンに集合。餃子パーティの開始。
スーパーへ食材の買い出しに行く者、近くの「ダイソー」に行って、紙コップ、麺棒、「おろし金」など調理器具を買いに行く者、手分けして、料理スタート。
教え子たちが住む国際交流会館は、国費留学生のための寮で、世田谷区にあります。
世界各国から集まった留学生が、ここからそれぞれの大学に通学しています。
最初の1、2年間は、この「国費留学生用の寮」に、そのあと民間アパートに、という住生活プランの学生が多い。
地方の大学ではずっと大学留学生寮に住めるのですが、東京は留学生数も多く、留学生寮に入居できる期間が制限されているので、いろいろたいへんです。
私が教えたクラスの学生、東大理系2人文系1人一橋大1人が、この寮に住んでいます。ほかの東京組、、早大2人と東大文系ひとりは、駒場東大前の留学生会館に入居しました。
昨年7月に出産し、赤ちゃんをおばあちゃんに託して留学してきた「国際金融」研究のママさん学生も元気な顔を見せています。彼女は大学キャンパス内の留学生寮に入居できました。
そのほか、横浜からふたり、京都からひとり、名古屋からひとり、遠路はるばる駆けつけてきました。
名古屋から来たチョウさんが言いました。
「先生は私に、日本では、ぜひ青春18切符をつかって旅行しなさいと教えてもらいました。だから、私は、昨日の夜、青春18切符で電車に乗りました。今朝、東京駅に着きました」
うん、私が雑談で言ったことをしっかり覚えていて、青春18切符を使いこなしているんだね。私が教えたことが役にたってうれしいよ。
でも、私が授業中あれほど口をすっぱくして教えたつもりの「やりもらい」の使い方、「先生は私に教えてもらいました」じゃなくて、「先生は私に教えてくださいました」って教えたのに、、、
ん、まあいいよ、いいよ、間違えても、気持ちが伝わりました。みんなと会えてうれしい気持ち。
にぎやかに会話しながら、餃子や中国料理ができあがっていきます。それぞれの大学事情や寮のようす、この2ヶ月半の日本での体験、みな、話がいっぱいあります。
中国では餃子の皮を手作りするのは、日本で自宅の炊飯器で米を炊くのと同じ感覚。餃子の皮を買うのは、「パック入りレトルトごはん」を買うのと同じで、手抜き料理の感じになる。
男性も器用に餃子の粉をこね、皮を丸く仕上げることができます。
<つづく>