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ぽかぽか春庭「池田20世紀美術館」

2020-07-07 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200611
ぽかぽか春庭アート散歩>2020緑陰アート巡り(1)池田20世紀美術館

 長いこと誤解したままのこと、私にはよくあります。熟語の読み方だったり、歴史上の出来事だったり。
伊豆高原にある池田20世紀美術館のことも誤解したままン十年。私の思い込みでは、池田満寿夫(1934-1997)がパートナーのバイオリニスト佐藤陽子と暮らした家に池田の版画などが並んでいるギャラリーだと思い込んでいました。
 満寿夫さんの作品展示は、熱海市にある「池田満寿夫・佐藤陽子 創作の家と池田満寿夫記念館」でした。池田満寿夫作品が特に好きでもないので、行きたいと思うこともなくすぎ、誤解したままになっていて、いけだ20世紀美術館と池田満寿夫記念館は別の施設だということ、気がつ付かないままでした。

 伊豆高原の「池田20世紀美術館」は、ニチレキ株式会社(旧 日瀝化学工業)の創設者である故池田英一(1911-1982)氏が、収集した20世紀の絵画彫刻をを寄付して設立開館した美術館でした!1975年に開館し、1400点の現代絵画を収蔵しています。

 6月7日日曜日、はじめて池田20世紀美術館を見学しました。
 建物は、彫刻家井上武吉設計で、展示館外壁は日本ではじめてのステンレススチール張り。

展示室内
 
 地階は「前田えみ子の世界」展


 2階から1階のガウディコーナーを見る

 1階から2階を見る


 池田20世紀美術館1階の入り口に入ると、一番に見えるのは、ルノワール「半裸の少女」


 フェルナン・レジェ「女と静物」併設カフェの店名が「レジェ」なので、目玉なんだろうと思います。


 娘が「これが一番見たかったのに、この展示はレプリカだって」と残念がったのは、マティスの「ミモザ」をタペストリーに仕立てたもの。限定500のタペストリーのうち48番の制作品が池田20世紀美術館の所蔵品ですが、現在は箱根のポーラ美術館に貸し出し中で、こちらは複製品。娘は「本物じゃないんだあ」というのですが、私には500個の限定品タペストリーとレプリカの区別はつかないですから、複製品で十分満足。


 もうひとつの目玉は、ピカソの「近衛兵と鳩」。ピカソ88歳の作品です。


 ダリ「ヴィーナスと水平」ダリがマドリード王立美術院の学生だった18歳のときの作品


ヴラマンク「教会と花咲く木々」


 観覧者は少なくて、しかも高齢者が多い美術館の中、めずらしく若いカップルがきていました。二人の会話が娘の耳にも聞こえたのによると、「ウォーホールがあるから来た」と。
 アンディ・ウォーホールの「モンロー」


 前田えみ子「アフリカからのメッセージ」

 前田えみ子が東アフリカケニアに滞在していたのは、私と夫が79年80年にケニアにいたときの少しあと。

 前田えみ子は、2004年に伊東市にアトリエを建て、2019年に住居も移しました。しかし、2020年5月に78歳で亡くなってしまい、ご自身の作品展を池田20世紀美術館で見ることはできませんでした。「地と宇宙の躍動・歓喜」という副題のとおり、あふれ出るエネルギーに満ちた作品でした。

 はじめて見た池田20世紀美術館、都内の美術館と異なり、次にこられるのはいつになるかわからないですが、また見る機会があったらいいなと思い、帰りのタクシーを待ちました。タクシーじゃないと来られない場所に建っているのが難点。伊豆高原駅までタクシーで20分ほどで、3000円台でした。都内じゃ地下鉄利用がほとんどなので、タクシーに3000円も払うのは私にしてみれば贅沢なことですが、伊豆高原ですごした2泊3日、ゆったり楽しくすごせました。まだまだコロナの影響が残る中、よい時間を過ごせて、通勤が始まる前のひとときの充電ができました。

<つづく>
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