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ぽかぽか春庭「二の丸美術館と掛川報国社」

2020-08-27 00:00:01 | エッセイ、コラム


20200827
ぽかぽか春庭アート散歩>2020アート散歩夏(3)二の丸美術館と掛川報国社

 ステンドグラス美術館を見た後、二の丸美術館を見学。よくある郷土資料館と思って入館したのですが、なかなか充実した展示でした。

 二の丸美術館正面


 掛川市にゆかりの文物、江戸期の城主に関わる文書や絵画、着物などが展示されていました。


 二の丸美術館の展示を見終わって、娘はもう一度ステンドグラス美術館へ。光の具合が変わるとステンドグラスの輝き方がどう異なるか、見たいのだと言います。私は、6時の閉館間際に
娘を迎えに行くことにして、ステンドグラス美術館の向かい側にある報国社の社域を歩くことにしました。

 報国社は、二宮尊徳の思想を伝えるための団体です。尊徳は、幕末から明治初期の労農(農業の新しい方法の普及に努めた指導者)の一人です。山縣有朋を中心とした明治の為政者は、国民国家を作り上げるために二宮尊徳の思想を「報国思想」として利用しました。いかに国のために働く国民を作るか、のために利用されたのです。全国の小学校に薪を背負って歩きながら本を読む二宮金次郎の像がおかれ、子どもたちは「♬てほんは、にのみやきんじろー」と歌って勤勉努力を奨励されました。

 戦後は一貫して報国思想は否定されてきたので、校庭の金次郎像も撤去され、報国社も別の目的のために使われたり壊されたりしました。しかし、掛川市の報国社は篤志家が社域全体を残し、今日まで明治時代の建物、昭和前期の図書館などが残されています。

 正門

 講堂

 講堂内部

 図書館




 寮?

 
 娘が報国社の見学をしなかった理由。報国社のHPを見て、「あ、こういうの苦手」とパス宣言。ひとつの考え方に統一され、皆が同じ考え方をすることが苦手なのです。
 戦前は報国思想一辺倒だったかも知れませんが、今は「国に尽くすことが正義」という考えに固まっている人は一部だからと思うのですが、娘と夫は、「ひとりの指導者に心酔し、盲目的にひとつの考えに従う集団がこわい」、という感じ方をしています。夫は大の宗教嫌いで神社で柏手うつのもパス。娘は柏手くらいうつし、神仏に願い事もしますけれど、思想がとういつされることにはかなり抵抗感を持っている。

 私はすべての神仏は私を守るために存在する、という汎神論。報国思想も、そうしたい人が信じればいい、という考え方。多様性を標榜するなら、自分とは合わない考え方の人が寄り集まることも認めなければ、と思っています。多様性が自然を守り、多様性が人類を守る。

 報国社の建物。図書館が廃墟っぽくなっていて、ミステリーの舞台に使ったら面白そうと感じました。金田一耕助やポアロなんかが出てきて、解決してくれるってストーリー。

<つづく>
コメント (2)
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