紅型きれの展示
20210211
ぽかぽか春庭アート散歩>2021アート散歩(4)美を結ぶ美を開くその3琉球紅型 in サントリー美術館
サントリー美術館コレクション展第3部、紅型の型紙展示も充実した展示でした。
紅型は琉球の伝統染色技法です。近代美術館工芸館や民芸館でまとまった紅型の着物を見たことはありますが、紅型型紙をまとめて見るのは初めてです。伊勢型紙がまとめて展示してあるのは見たことがあるのですが。
琉球紅型の鮮やかな色彩。染料は多くが中国などからの輸入だったそうです。琉球の文化は中国との交易が支えのひとつでした。その琉球を押さえた島津藩薩摩が幕末明治に力を得たのは、中国との交易があったからです。
布地に型紙のうえから糊を置き、さまざまな染色の技法を施して染めます。糊を落として華麗な模様鮮やかな色彩の布地が完成。琉球王家の着物などに仕立てられるました。しかし、沖縄では戦災などにより、古い紅型布地の保存が数少なくなっており、収集も難しくなっているようです。
紅型型紙
「芒に雁模様白地型紙」
「流水に貝藻桐水葵梅紅葉散し模様白地型紙」
「流水に梅楓手綱模様裂地型紙」
「上記型紙を使って染めた布地」
紅型きれ
「黄色地牡丹蝶鳥に桐桜模様裂地」
「染分地桜波連山模様裂地」
「水色地牡丹桜に連山流水模様裂地」
型紙は、染色に使うものであり、染め物職人にとっては仕事の道具のひとつかもしれません。しかし、型紙のデザインを見ていると、型紙を切り出す職人の小刀の先ひとさしひとさしにアートの魂が宿っていると感じます。
型紙を作る工房の親方の中には、名を残した人もいるのでしょうが、無名のまま一生をこつこつと仕事を続けた数多くの職人がほとんどでしょう。ひとりひとりの姿を思い、「うつくしいものを残してくれて、ありがとう」と声をかけたいと思います。
<つづく>