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ぽかぽか春庭「 美を結ぶ美をひらく その1古伊万里鍋島 in サントリー美術館」

2021-02-13 00:00:01 | エッセイ、コラム
20210214
ぽかぽか春庭アート散歩>2021アート散歩(2)美を結ぶ美をひらくその1古伊万里鍋島 in サントリー美術館

 1月8日に出され1ヶ月の延長が決まった緊急事態宣言。今回はお酒を伴う飲食の場での営業時間短縮が中心とのことで、前回のようにエビデンスもなしに学校も図書館も美術館も閉鎖されたというむちゃくちゃな事態にはしない、ということらしく、美術館は閉鎖にならないだろう、と予測はしました。が、万が一の美術館閉鎖に備えて1月6日にあわててサントリー美術館に出掛けてきました。

 2021年最初の行楽。いつまで宣言が続くのか、延長やどんなイベントが中止になるのかわからないので、美術館が開館しているうちに出掛けたのです。
 去年サントリー美術館の年間パスポートを買ったのは、リニューアルオープンコレクション展の第3部、すなわち現在の展示を見たいからでした。年間パスポートだから第1部と第2部も見に行きましたが、今回の展示を見ないでは何のための年間パスポートだか。

 日本の陶磁器が中国朝鮮の高い技術を知って向上し、その技術がヨーロッパに伝播する、そしてヨーロッパの新しいデザインを日本がまた取り入れる、という文化の交流に視点を置いた展示でした。
 サントリー美術館自館コレクションのなかから、展示されていた古伊万里をUP。自館所蔵品展なので、撮影はフラッシュなしならOK.
 日本の伊万里が西欧に輸出され、西欧でも陶磁器が作られるようになる。その洋物デザインを日本の陶工が取り入れ、さらにそれがジャポニズムとして西欧に影響を与える、という文化交流が見てとれる展示になっていました。

色絵美人紋大皿


色絵花鳥文八角大壺(重要文化財)
色絵美人花車文蓋物


 モダンなデザインセンスに目を見張ります。
色絵毘沙門亀甲文皿
青磁染付七 





色絵五艘船文独楽型大鉢(重要文化財)


・色絵椿文皿




染付雲雷文大皿

染付唐花文皿 ・色絵唐花文皿(鍋島)


 私と同じく、陶磁器の鑑定眼は皆無の娘は「お茶をやっている人なら志野とか地味な色合いを珍重するのだろうけれど、私は見た目だけで伊万里や有田の華やかな色合いがいいなあ」と見入っていました。

 柿右衛門など、名を残した陶工もいますが、多くは無名の職人がもくもくと形をつくり絵を描き釉薬をほどこした。その静かな工程から鮮やかな壺や皿ができあがり、ジャポニズムに熱狂した西欧の人々も、現代に生きる私たちをも魅了する。

 今も有田焼などの窯元では脈々と美しい器が作られ続けていると思います。
 サントリー美術館のショップで、直径15センチほどの有田焼が28000円でした。娘は800円の小さな豆皿を買いました。ティーバッグで紅茶を飲んだ後の袋の置き皿にするといいます。
 これで紅茶を飲むときの楽しみがさらに増えた、という娘、自分へのお年玉です。28000円の有田焼が買えるようなお年玉をあげられない母ですが、豆皿を喜ぶ娘とともに過ごせることが、私のお正月の喜びです。

<つづく>

コメント (2)
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