20210220
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>21世紀日記光の春にコロナかよ(2)お茶飲みながら、新しくもない日常
毎日マスクをして通勤する。
通勤電車は、寒くても窓が開いていて換気が考えられている。電車内、みなマスクをしている。外国では公共の場でマスクしない人に科料罰金を加える、ということですが、日本は同調圧力があるので、マスクをしないで電車に乗るなんてことできない。人の眼が怖い。
よく自分で飲み込んだつばが気管に入ってしまい、むせて咳き込みます。隣の席の人がすっと立ち上がってよそへ行くのを見たりすると、「違います、これはコロナの咳じゃありません」と言いたい。ぜんそくの咳や花粉症のくしゃみもの人にも、つらい世の中です。マスクに「花粉症です」というハンコを押すためのスタンプが売り出されたそうだけど「飲み込んだツバが気管に入ってしまいむせています」というハンコはないみたい。
授業もマスクをして行うので、よく通る声と口の形によって伝えたい語学教師としては、やりにくくってしかたない。
教室の外では、マンション新築工事と市職員用の駐車場工事がガンガンドンドンと騒音を立てているけれど、うるさくても窓を閉め切ることはできない。外の工事の音に負けない大声を出して一番後ろの席の学生にも声が届くように張り上げる。
9時から45分授業を9コマ続けたときは、のどがつぶれるかと思った。声帯の丈夫さを遺伝子に感謝。あ、面の皮が厚いことや、ツバキ分泌量が多くて歯が丈夫なことも遺伝子に感謝。胃腸の中にいろんな腸内細菌が住んでいるらしいこと、血管が人より太いことも。背が低いことや顔の造作がまずかったことなど、若い頃には遺伝子に不満を持つことが多かったのですが、古稀すぎてみれば、顔の作りが少々まずいことのデメリットはたいしたことなく、身体が丈夫だったことのメリットはありがたい。
そんな遺伝子も年には勝てないことが日々増えています。運動量が減っているので、筋肉が弱っているのだろうけれど、先日は下車駅でエレベーターのドアが閉まりかけているので慌てて乗り込もうとして、エレベーター前でばったりと前のめり腹ばいにこけました。あらまあ、こんなことで骨折寝たきりになるのだろうなあ。気をつけます。階段をゆっくり上り下りするようになったほか、エレベーター乗り込みも慌てず乗り降り心がけます。
確かに、1年前とはいろいろが異なる日常になりましたが、基本的に買い物は、近所のスーパーでちゃっちゃっと半額セールシールが貼られている食品を選んで買って帰り、家で娘とふたりで食べる。
スーパーに入って、暖房効いていたので毛糸の帽子を脱いで手提げ袋に入れた。つもりだけだったらしく、帽子は落としたもよう。家でも学校でもさんざん探して、きっとスーパーで落としたのかなと電話したら、落とし物として保管していると。よかった。娘が買ってくれたものだから、なくしたらがっかりされる。ぼうっとしているので、落とし物もどんどん増える。
会員が減り続け、存続が危うくなったジャズダンス金曜日夜のグループ。
昨秋私が足指脱臼して休会したこともあり、みわこ先生に払う謝金の工面がつかなくなり、サークル解散を決めました。ミサイルママは、水曜日午前中に練習しているAサークルでみわこ先生のレッスンを受けることにしたので、ジャズダンスを続けていけるけれど、私は半年間、ジャズダンス練習ができなくて、身体を動かすのは、ラジオ体操のみ。
出勤前に6時35分まで10分間テレビを見てラジオ体操して出勤します。往復で約3500歩ほど歩くのですが、運動したと言うほど歩くのは1万歩必要というので、明らかに運動不足。
食べるのは相変わらずの早食いの大食いですから、運動不足はてきめんに身体に現れる。でも、ケーキを食べにでかけました。
娘といっしょに自由が丘の紅茶専門店へ。シンガポールに本拠地を置くTWGという店。東京では銀座や二子玉川高島屋店にもティールームがあるということです。はじめてTWGのティールームに入店。店は3分の1が茶葉の売り場。奥のティールームは、テーブル4人掛け2つと二人がけ3つ。
この客席数に対して、サービス員は5名いて、ほかに紅茶の茶葉やティーバッグの販売員2名。
娘が注文したアフタヌーンセット
娘が紅茶の種類についていろいろ尋ねたりケーキの材料について質問すると、的確に答えてくれました。紅茶リストに出ている500種類の紅茶について、こちらの質問にひとつひとつ丁寧に答えてくれて、娘はウエイトレスの対応に感心。コーヒーバティスタやワインソムリエのような資格が紅茶にもあるに違いない。
娘はホリデイインニューヨークという甘い味がする茶葉を選び、私は魚のディナーセットにもデザートのオペラとマカロンの両方にあうというペティアガラという紅茶。アフタヌーンセットとディナーセットが同時間帯に選べるのは、客数制限をしている現在の期間だけなのだそうです。娘のアフタヌーンセット、私のディナーセットあわせて6800円。まあ、お高い。
ディナーセットのメインは鮭。
帰りに「紅茶の葉を買って帰ろうか」と言っていたのですが、スーパーで買う紅茶ティーバッグとはあまりに違うお値段にびっくりして買いませんでした。我が家は、リプトンティーバッグ100袋500円というのを買うのが標準。1袋当たり5円。TWGは15袋で3000円。1袋当たり200円。おいしい茶葉であることはわかりましたが、こりゃうっかり買えませぬな。
テーブルに提供されたティーカップは4000円。ティーポットは20000円で売られていて、ワォ、紅茶カップ落として割ったりしなくてよかった。貧乏人がそうそう行けるお茶の店ではないということがわかっただけでも社会勉強でした。
私のデザートはオペラとミニマカロン。
ストレス発散のための非日常を娘にプレゼントしたのですが、緊急事態宣言が終了して「さらに新しい日常」がやってくるのでしょうか。
紅茶1ポット1000円だったTWGの非日常を「身分不相応だった」と思い出しながら、リプトンの1袋5円の紅茶飲んでのどをうるおし、外の工事音に負けない声を張り上げようと思います。
<つづく>