20210518
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2021二十一世紀日記薫風(5)ワクチン開発の停滞は前内閣の失策である件
コロナワクチン接種は、地域によって進捗にずいぶん差があります。春庭の住民票がある区は、高齢化率が都内でも高い地域のひとつだそうで、まず5月中は75歳以上の予約を受付ける。74歳以下は75歳接種が接種が完了する6月以後から。
5月半ば、ワクチン接種券が郵送されてきました。予約は5月25日からです。電話もメール申し込みも殺到するでしょうから、予約が可能になるのはいつになることか。7月中には高齢者接種を完了させるという国の皮算用だそうなので、そのころまでに春庭も第1回目の接種が終わっているといいのですが。
ワクチン接種が進んできた世界の国・地域では劇的に感染が終息していき、ことに重症化や死去の例が激減しているとニュースで見ました。
それにしても、いち早く国民のほとんどに接種が完了したというイスラエルや自国産のワクチンを十分に各地域に行き渡らせているという中国にくらべて、なぜ、日本はこれほど接種が遅れたのか。


昨年来、アメリカ製ワクチンイギリス製ワクチンの輸入がもたもたしていました。ワクチンの話が出始めた頃、これだけ製薬技術が進んでいる薬剤先進国であったはずの日本で、なぜ国産ワクチンが作られてこなかったのかと、疑問に思いました。
実は、感染症ワクチン開発は、東大などの大学医学部薬学部で研究が進められていました。しかし、サーズやマーズが大流行したさい、日本にはウイルスが上陸せず、ワクチンへの需要は低かったのです。
そこで政治家は言いました。「日本は衛生的で安全な国だから、すぐに役にたたない研究など無駄,無駄。感染症ワクチン開発研究費など必要ない」
研究費は断たれ、研究は断念されました。
石井健教授(東京大学医科学研究所)の談話(東京大学新聞2021年4月13日記事取材・友清雄太) )
2015年に、政府へ新興感染症に対するモックアップワクチン開発を提言。同時に、大量生産、合成が容易なmRNAをワクチン抗原に用いることも提案していた。MERSウイルスやジカ熱というウイルスのmRNAワクチンを作成し、動物実験において免疫の反応性が認められた。しかし、臨床試験の多額の予算は国からカットされ、18年にプロジェクトは凍結。「後悔先に立たずとはこのことです。起きるとされていたことが現実になったときに、すぐに対応できる体制を作っておくことの重要性を実感しました」
石井健研究室のHP(下記のURLの最後に jp をつけて検索してください)
https://vaccine-science.ims.u-tokyo.ac.
いつ使うかもわからない薬などの開発費は無駄遣いだ」と評価してワクチン開発プロジェクトの研究費を削り、ワクチン開発を断念させた政権とは、安倍内閣です。
現在までのもたもたしたコロナ対策を続けてきた現首相の対応は誉められたものではないですが、そもそも、ワクチン開発をやめさせた張本人は前内閣なのです。そんなことはひとことも語られていませんが。
この内閣を支持した国民は、76年前と同じように「そんなつもりで内閣を支持したんじゃない、ワクチン開発を停止させていたなんて、知らなかったんだ」と言うのでしょう。
私は、投票行動ではこの政党を支持したことはありませんが、マーズやサーズが大陸で流行したとき「ああ、海があるからへんなウイルスが日本に入り込まないでよかった」と思ってしまったのも事実。ワクチン開発研究費が削られてしまったこと、コロナワクチンの話が出るまで知りませんでした。
この政権を支持してきた国民たち。
ワクチン接種がおくれたのも、国民が選んだ内閣の政策のひとつだったということ、また「知らなかったのだから、国民の命が奪われたのもしかたがない」という社会の再現です。
前首相は、現首相について「彼もいっしょうけんめいやっている」とかなんとか持ち上げていましたが、そもそもこの事態を引き起こしたのは、前内閣がワクチン開発プロジェクトを打ち切りにさせたからです。開発を続けていれば、国産ワクチンをすばやく接種する体制ができたのではないかと思います。今回のワクチン接種おくれは、前内閣の失策です。
まだ接種予約ができていない71歳の内部疾患を持つ高齢者として、前内閣を告発したいです。コロナで死んだ人の命を返せ!
しかも、現首相は「五輪開催と国民の命とどちらが大事」という質問に対して「え~、予防対策もしっかりして、安全安心なオリンピックが~」云々のとんちかんな官僚作文朗読を繰り返すのみ。国民の命など問題にしていないことが国民にもじゅうじゅうわかりました。
こんなそんなで、来年にはコロナ増税になるでしょう。
<つづく>