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ぽかぽか春庭「大河ドラマ館1万円礼賛」

2021-08-03 00:00:01 | エッセイ、コラム
20210727
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2021二十一世紀日記夏(2)大河ドラマ館1万円礼賛

 NHK日曜日の大河ドラマ。主人公補正が大きく、歴史を歪曲したストーリーになりがちなので、歴史好きには評判が悪い。
 しかし、我が家には歴史専攻の息子がいるので、これまでは「ここは史実と違う」「ここは、新発見の歴史事実をとりいれたストーリー」などの解説を聞きつつ、歴史的事実とは異なる面も含めて歴史ドラマを楽しんできました。

 息子は博士課程単位習得退学まで「戦国期政権の権力の実態」を研究してきました。一方、娘は「私の日本史認識、奈良の大仏ができたら、次は現代日本」という中抜け日本史。中学校不登校の間、日本史は学ばないまま終わってしまったのです。高校では地理と現代日本史だけ学んだので、大仏から敗戦まで抜けています。なので、NHK大河は、娘にとって、歴史を知るよい教材なのです。

 息子に「これ、ほんとのこと?」とききながら楽しんでいます。「うん、これは『満済准后日記』 に書いてあったことだから、史実」なんて教わりながら、見ていきます。たとえば、『麒麟が来る』で、室町13代将軍義輝を演じる向井理が初登場したときなど「このとき義輝14歳」と、息子の解説を聞き、「アハハ、14歳には見えない」などとちゃちゃを入れながら楽しんで来ました。来年の『鎌倉殿の13人』では、平安末期&鎌倉初期の歴史が学べるでしょうから、楽しみにしています。

 大河ドラマ、2021年は『青天を衝け 』。新しい1万円の顔に決まった渋沢栄一が主人公です。
 主役礼賛の大河ドラマですから、渋沢が女好きで、認知した子どもだけで23人。私生児を含めると50人もの子福者であったことなどはけっしてメインのストーリーには表されないでしょう。

 正妻千代(橋本愛が演じています)の子が3人、後妻の子が4人。その他もろもろの愛人の子も、それなりに社会にしっかり根を下ろしました。なんせ500もの企業をたちあげたのですから、子供の20人や30人、どこかの会社につっこんでしまえる。
 ただし、渋沢は三井三菱が財閥形成して財産を囲い込んだのとはちがって、資産は広く福祉のために使い、一族の資産として囲い込むようなことはしませんでした。

 また、草薙剛が徳川慶喜を演じるからには、戊辰戦争敵前逃亡も、決して悪いようには描かれないだろう、という予測のもとに見始め、いよいよ渋沢は、パリへ乗り込むところまで来ました。

 渋沢栄一資料館は、何度も訪問してきました。
 かって、飛鳥山公園の南側一帯に渋沢栄一邸が建っていました。本邸は戦災などで失われましたが、西洋茶室「 晩香廬」1925(大正14)年竣工」と、書庫である「青淵文庫(1931(昭和6)竣工」は、耐震補強などの補修改修は行っていますが、基本当時のままの建物ですから、建物見学趣味の春庭にとっては、楽しみな訪問先でした。

 飛鳥山公園に「NHK大河ドラマ館」ができました。ミーハードラマファンとして、はじめて、大河ドラマ館なるものを見学してきました。

 ドラマ館の口上
 渋沢栄一翁は、第一国立銀行を拠点に株式会社組織による企業の創設・育成に力を入れ、生涯に約500もの企業に携わりました。「道徳経済合一説」を説き、約600の教育機関・社会公共事業の支援並びに民間外交にも尽力。 世界の動きを一早く読み取り、それに合わせるように立場を変えていき、日本を導きました。
 渋沢翁は、明治34年に別荘として使用してきた飛鳥山邸を本邸とし、亡くなるまでの生涯を北区の王子飛鳥山で過ごしています。 この度、渋沢翁が愛し、住居を構え、日本を導いた地、王子飛鳥山に大河ドラマ館がオープンします。

 渋沢栄一を演じる吉沢亮とツーショット


 郷土博物館である飛鳥山博物館の一角にドラマ館を設置するということなので、そう広くはないだろう、きっとNHK資料の半分は渋沢栄一出生地である深谷に作られたドラマ館のほうに展示されるだろうという予測もして出かけたのですが、娘に言わせると、「展示物がこれしかなくて、大人800円の入館料は高い!
 飛鳥山博物館も共通チケットとして見ることができるのですから、両方見ての料金と思いましょう。

 展示物は、ドラマ制作に使われた衣裳や小道具、メイキングビデオ。

 ドラマの中で徳川慶喜の父徳川斉昭(水戸烈公)を演じた竹中直人が鷹狩シーンで着用したよろい兜がメインの展示でした。
 ドラマ第1回めのお鷹狩(という名の軍事演習)で1回限り着用されたものですが、なかなか精巧につくりこんであります。昔のドラマ着用鎧兜に比べると、はるかに軽い材料で作られているとのことですが、本物の鎧兜なら、20~40Kgもあり、とても着用して合戦をするなど現代人には無理ムリ、ということです。


 その他の衣裳などが展示してあり、またドラマのメイキング映像なども見ることができたので、「これからも『青天を衝け』を楽しんでみていけると思うからよしとしよう」ということになりました。

 1回目の、栄一と慶喜がであうシーンで、つよポン慶喜と平岡円四郎(堤真一)平四郎が着用した衣裳。

 
 藍の葉や藍玉の展示。藍で染めた衣裳


 子役が活躍した栄一の子供時代の衣裳。栄一、のちに妻になる千代、喜作、栄一の衣裳。


 ほどんど見学者がいない平日の館内でしたから、休みの日には行列ができているであろう「なりきり1万円札」というイベントも、参加しているのは私と娘だけ。
 渋沢が新一万円札の顔になるのを記念して、自分の顔の1万円札をつくることができるコーナーです。

 春庭一万円札
 

 紙でもらうには200円かかりますが、スマホアプリからダウンロードでき、データもらうだけならただです。私は娘にスマホダウンロードをたのみ、紙のお札も買いました。

 夏やすみ明けに、学校内で「夏祭りお店屋さんごっこ」をしたいと考えています。「輪投げ屋、ヨ―ヨ―釣り屋、駄菓子屋」などのお店を出して、日本の夏祭りのお店を体感するための「日本文化学習」のひとつ。
 学生一人当たり千円か千五百円のおもちゃのお札を配布しようと考えていました。100均ショップなどにおもちゃお札を売っていますけれど、先生の顔のお札なら学生もおもしろがるかと思うので、これから春庭100札と10円札に加工して学生に配布するつもり。

 渋沢が設立した企業の最初のほう、王子製紙の資料を集めた紙の博物館を30分くらいで、ささっと一回り。いつもなら5時閉館だけれど、コロナ時間短縮なので、4時までだというので、ちょっと時間が足りませんでした。
 ドラマ館では物足りなかった渋沢関連の資料もろもろは、マスクをしなくてもよくなってから見に来ることにして、飛鳥山公園を出ました。

  晩香廬わきの渋沢翁像と。

 
<つづく>
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