春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

ぽかぽか春庭「教科書で学習するスポーツ&ラジオ体操指南」

2021-10-03 00:00:01 | エッセイ、コラム

20211003
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>2021日本語学校スポーツの秋(3)教科書で学習するスポーツ&ラジオ体操指南

 日本語教科書は、学習者に興味を持ってもらえるよう、教材に創意工夫をこらしています。そしてその教材をいかに楽しく、学生の脳にインプットできるかは、教師の腕次第。

 たとえば、初級教科書の9課では。
スポーツの名前を翻訳版で学べば次の通り
 例として、初級教科書のベトナム語版の訳語をあげます。



 春庭は、ほとんどのスポーツを「ジェスチャー問題」として出題し、日本語を答えさせています。ジェスチャーだと相撲と柔道の区別ができない場合は、動画サイトを見せる。相撲ジェスチャーだと四股を踏んだり、はっけよいの仕切るポーズをするのだけど相撲を見たことない学生のほうが多い。
 中国語圏学生には、サッカー(蹴球)という訳語により、意味はすぐわかりますが、カタカナで書かせると「サカー」「サッガ」などになるので、表記に注意させます。

中級教科書の「スポーツ名とむすびつく動詞」を答える問題

 中級授業で体の部位名を復習

 体の動きを覚える授業では、春庭の体操実演つき。

 躰の部位名と動きを組み合わせたクイズ。教師の指示通りに体を動かせるか、というテストです。
1右手で左ひじにさわり、左手で右ひざにさわる。
2左肩を上げ右足をひざから曲げる
3両手でお腹を押さえて、まえかがみ。これはお腹痛いときもお腹すいたときもつかいますからね。
4左足を後ろに曲げてあげ、左手でひざを持つ。右手は頭の上にあげる。「このポーズは教科書でさっき見たでしょう。これはバレエのアティチュードというポーズだよ」。
5右手で右足首をつかみ左手で左足首をつかむ。

 などさまざまな課題を出して体部位を確認。次に動きの確認。
1首を右に曲げつぎは左に曲げる。つはぎ首を時計回りに回す。反対にも回す。
2両手を前で交差してから両側に開く
3手を上にあげからだを横に曲げる。
4両手をつま先につけてから腰に手を当て後ろに反る。
5両手と腰を回す
など。じつはこれはラジオ体操第1の動きです。

 最後の仕上げは、動画をみながら皆でラジオ体操。NHKのラジオ体操第1をクラス全員で行いました。
 「ハルセンセーは、毎朝6時25分から6時35分まで、テレビ体操をやってから家を出て、電車に乗ります」という「ラジオ体操のすすめ」をして、授業終了。
 「次の授業でラジオ体操のテストをします」という宿題の予告。

 9月30日のスポーツ大会の朝、全員でラジオ体操を準備運動として行うことになりました。その前にラジオ体操指南が必要になったのです。
 「学生の前で、私が模範で動きます」という副校長(学校行事スポーツ大会担当)がはりきっているので、学生が副校長先生の動きについていけるよう、事前指導を行った、というわけです。

 学生には、春庭の「電車の中ストレッチ」も披露しました。電車の中で他の乗客に気づかれないよう、こっそりストレッチを行うのです。空いている電車のつり革で懸垂をしている中年のおっさんを見かけます。あれじゃ、だれにも運動しているとわかってしまう。(コロナ以後吊革は避ける人もいるが、以前は)。 

春庭は。駅ホームに電車が止まっている間は、バレエの「ルルベ」を実施。両足のかかとをつけ、つま先を180度に開くバレエの1番の足。駅にいる間は、かかとを上げ、つま先立ちになります。静かにあげ、静かにおろす。電車の連結部分の前に立っているバーさんの身長が少々高くなっても、だれも気付かない。
 電車が走っている間はバレエの「ドゥミプリエ」をやります。1番の足のまま、ひざを外側に向ける。スクワットはひざを前に向けることが多いですが、バレエのドゥミプリエは膝を左右に開きます。

 ルルベ  &    ドゥミプリエ

 この運動、しずかにゆっくりやると、目立ちません。最寄り駅から10分ほど、電車の連結部前でやります。10分やると乗換駅で席があくのですわります。席が空かなくても、もう続きはやりません。ルルベドゥミプリエだけでも、10分やれば十分な運動量です。

 学生にもルルベをやらせてみて、次は柔軟。腰を曲げ手を膝に当てる。ここまでは皆出来る。次に手でつま先をつかませる。来日後、運動する機会がなくなり、体が硬くなっている学生は、10代も20代もできません。えっへん、70代の先生ができるんだから、みんなもちゃんとやりなよーなんていって、「先生すご~い」と、学生ことに言わせる。老師の得意満面の授業。最近ジャズダンス練習してないので、硬くなっているけど、まだまだワケーモンにゃ負けない!と、こういうのを日本語の慣用句・諺では「年寄りの冷や水」と言います。そのうち転ける。
 「は~い、ちゃんと日本語覚えたかな。肩を回す、首を横に曲げる、後ろにそる、全部わかるようになりましたね
 身体の動きと日本語を結びつけて、語彙をふやして授業は終わりです。次は、歴史的な「日本の身体文化」の学習です。

<つづく>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする