20211205
ぽかぽか春庭アート散歩>2021アート散歩秋(2)宮崎学イマドキの野生動物展 in 東京写真美術館
10月1日は都民の日。
都内の美術館博物館が無料になる日ですが、今年はどこも日時指定予約が必要でした。なかで「予約要らず」だったのが写真博物館。もともと密になるほどの観覧者は集まらない美術館ですから、予約なしの措置で大丈夫と思います。
娘が動物写真を見たいと希望し、私は日曜美術館の「動物写真家宮崎学」という紹介番組で写真家宮崎学の来歴を知ったので見に行くことにしました。
会期:2021.8.24—10.31
展示室内撮影禁止ですが、ロビーに出ている写真は撮影OK。
写真美術館の口上
東京都写真美術館では、「宮崎学 イマドキの野生動物」を開催いたします。
宮崎学(1949-)は中央アルプスの麓、長野県上伊那郡南向村(現・中川村)に生まれ、伊那谷の自然豊かな環境を活かし、1972年よりフリーの写真家として活動を開始しました。「自然界の報道写真家」として、現在も日本中の自然を観察しています。
宮崎は動物たちの通り道に自作の赤外線センサー付きのロボットカメラを設置し、撮影困難な野生の姿を撮影した「けもの道」のシリーズなど、哺乳類、猛禽類の撮影において独自の分野を開拓してきました。また、人間の生活空間近くに出没する野生動物や、外来動物の影響など、動物の生態を通して人間社会を浮き上がらせる社会性のあるテーマにも取り組んでいます。
シリーズ最新作となる「新・アニマルアイズ」では、「動物たちの住む森を動物の目線で見る」をコンセプトに、動物たちの痕跡を注意深く読み解き、自作のロボットカメラで人間の目が及ばない世界をみごとに写し出しています。本展覧会は、半世紀近くにわたる宮崎の作家活動の軌跡をたどりながら、黙して語らぬ自然の姿を浮き彫りにしようとするものです。どうぞご期待ください。
出品点数:写真206点、資料約20点
宮崎学(1949-)は中央アルプスの麓、長野県上伊那郡南向村(現・中川村)に生まれ、伊那谷の自然豊かな環境を活かし、1972年よりフリーの写真家として活動を開始しました。「自然界の報道写真家」として、現在も日本中の自然を観察しています。
宮崎は動物たちの通り道に自作の赤外線センサー付きのロボットカメラを設置し、撮影困難な野生の姿を撮影した「けもの道」のシリーズなど、哺乳類、猛禽類の撮影において独自の分野を開拓してきました。また、人間の生活空間近くに出没する野生動物や、外来動物の影響など、動物の生態を通して人間社会を浮き上がらせる社会性のあるテーマにも取り組んでいます。
シリーズ最新作となる「新・アニマルアイズ」では、「動物たちの住む森を動物の目線で見る」をコンセプトに、動物たちの痕跡を注意深く読み解き、自作のロボットカメラで人間の目が及ばない世界をみごとに写し出しています。本展覧会は、半世紀近くにわたる宮崎の作家活動の軌跡をたどりながら、黙して語らぬ自然の姿を浮き彫りにしようとするものです。どうぞご期待ください。
出品点数:写真206点、資料約20点
展示構成:
第1章|〈ニホンカモシカ〉1970-1973
第1章|〈ニホンカモシカ〉1970-1973
第2章|〈けもの道〉1976-1977、〈倒木のけもの道〉2012-2013、〈岩田の森のけもの道〉2011-2012
第3章|〈鷲と鷹〉1965-1980
第4章|〈フクロウ〉1982-1988
第5章|〈死〉1994、〈死を食べる〉2012-2015
第6章|〈アニマル黙示録/イマドキの野生動物〉1993-2012
第7章|〈新・アニマルアイズ〉2018-2021、〈君に見せたい空がある〉2020-202 年
宮崎は、春庭と同年生まれの同学年。今年72歳
長野県駒ヶ根市に在住し、独自の視点で動物などの写真を撮り続けてきました。本人は「動物写真家」と称することを望まず、「自然界の報道写真家」と呼んでほしいと望んでいます。
その撮影手法がユニーク。たとえば、森の生態系を調査し、「けもの道」に自動撮影のカメラを据える。動物の姿にカメラが反応し、自動でシャッターがおりる。その手法に「カメラマンが自分でシャッターをおさずに写真家と言えるのか」などの批判がよせられたこともあったといいます。しかし、どんな有能なカメラマンであっても、カメラが向けられたら動物は身構えてしまい、それは自然な姿ではありません。いつも通り慣れたけもの道をいつもの姿で通るから、自動シャッターによって、ありのままの姿で撮影できるのだ、と宮崎は述べています。
けもの道の倒木の上を渡る狐

森の中に横たわる一頭の鹿のしかばね。その屍が腐り、骨になりついには土に還るまでを数か月にわたって定点観測した写真など、圧倒的な迫力がありました。
《冬の死・二ホンジカ1993》(1月27日6時36分)〈死〉より 1994年 東京都写真美術館蔵

UPした写真は、展示室ロビーの「撮影自由」コーナーの写真を写し、切り抜いたものですから、鮮明ではありません。それでも、動物たちのユニークな姿が伝わるかと思います。
「クマさんカメラマン」など、説明を読む前は「動物園かサーカスのクマにポーズをとらせたヤラセ写真」かと思ったのです。しかし、説明を読むと、前述したように、自動シャッターで撮影したものなのです。カメラに興味を持ったクマを、もう一台の自動シャッターカメラがうつしたもの。これも、野生のクマなら、人がカメラを向けているときには絶対にこんなリラックスして興味津々な姿を丸出しにすることはなかったでしょう。
ツキノワグマのカメラマン、長野県、中央アルプス》〈イマドキの野生動物〉より 2006年 作家蔵

そのほか、不鮮明なコピー写真であり、宮崎学の撮影ではもっと画像がきれいであることをおことわりしたうえで、宮崎の視点を知っていただくためにUPします。
人間が値崩れを防ぐために生ゴミとして捨てた「取れすぎスイカ」に群がる猪の家族。このようなことを人間がしておいて、スイカの味を覚えたイノシシがスイカ畑を荒らすと即座に「迷惑な猪」として駆除対象にする。身勝手な人間たち、、、、。

鹿のポーズ。挨拶しているのか縄張り争いか。

かわいい


新・アニマルアイズ〉より 2018-2021年 作

撮影OKコーナーで。

10月1日の写真美術館、他のフロアも見学無料でした。他のフロアの写真にもいいものがあったんでしょうが、あまりに宮崎の動物写真がおもしろくて、閉館まで動物を見ていました。私が他のフロアを駆け足で「せっかく無料公開なんだから、全フロア見ておこう」と通っている間、娘はもう一度宮崎の写真のフロアに入り、2度見していました。

行きは雨の中、「動く歩道」の出口から傘さして写真美術館に行ったのですが、帰りは地下から行けば雨の日でもぬれずに恵比寿駅まで行けることを発見。
娘が小学生のとき、恵比寿駅から行く「動く歩道」というものができたというニュースでお出かけしていらい、30年近くも写真美術館に通ってきたのに、地下道通って行けばいいことに初めて気づいたのでした。
<つづく>