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ぽかぽか春庭「スピーチ発表会」

2021-12-23 00:00:01 | エッセイ、コラム
20211226
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>2021日本語学校の冬(1)スピーチ発表会

 日本語学校の留学生は、2年コース学生は4月入学、1年半コースは10月入学。卒業はどちらも3月になります。2019年10月に入学した1期生は1年半のコースを終え、無事2021年3月に卒業し、それぞれ国立大学大学院また公立大学大学院に進学しました。

 2020年4月入学の2年コースはコロナ禍で来日できず、1年半コース10月生とともに、ようやくビザが出た2020年11月に来日。2週間の足止め隔離を経て、2020年12月から授業を開始しました。

 中国でリモート授業を受けていた学生もいましたが、一日に1時間受けたとはいえ、リモート授業では学生の発音の状況も字形の訂正も十分にできず、実質学生たちは12月の面接授業まで、あまり十分な学習状況にはなっていませんでした。リモート授業である程度教えることができる科目もあるのでしょうが、体育授業と語学授業は身体を使う教育です。リモートで教えられることは限定されます。「畳の上で水練」を半年続けても、泳げるようにはならないのといっしょ。

 どの学生もようやく対面授業を受けられるようになって、満1年の学習期間を経た2021年12月。
 満1年の学習成果を発表しようと、「これまでに書いた作文のうち、いちばんよく書けたと思うものをひとつ選んで、皆の前で発表しよう」というイベントを授業の一環として実施しました。
  校長と授業担当講師に「発音、作文の内容、発表態度」などを評価してもらい、No.1として選ばれた学生は、クリスマス会のとき、校長から表彰状を受け取ることにしました。

 昨年12月から1年間の担当講師の熱意ある教室活動や、進路担当副校長(国立大学名誉教授)の熱心な進学指導が成果をあげ、2020年12月入学者のうち、国立大学大学院工学系修士課程1名が合格し、1名は研究生進学決定。大学院農学研究系にも、1名合格しました。
 専門学校で介護について学びたいという学生もすでに進路決定しています。
 
 コロナ禍であるために2020年4月と10入学予定だった学生は、2023年3月まで卒業を延期してよい、という決定を入管がしたので、大学進学希望者は、2023年3月までに進路を決定することになります。

 卒業が決まった学生も、12月5日に日本語能力試験1級、2級、3級をめざして受験しました。
 受験結果はまだでていませんが、学生も、12月後半はちょっと気を抜いてのんびりしています。

 学校経営者の副理事長先生は「私が日本に留学した時は、入学後1年目に日本語能力試験2級にクラスのほとんどが合格したのに」と、現在の在籍者の合格率が低いことを嘆きます。漢字に強い中国語圏学生は、2級レベルの合格率が他の語圏学生に比べて高いのが通常です。

 今年は、コロナ禍の落ち着かない中、学生も教師もよくがんばった結果ですから、私は新規校の中ではようやってきたと思っています。きょうびの留学生は、親も金持ちになっていて、ハングリー精神がたりない子が多い。必死に勉強しなくても、親が金を出せば留学できる、という「安易留学組」も多いのです。

 2022年、まだ日本語学校の行く末は不透明です。せっかく留学生来日決定の措置が取られた矢先、「オミクロン株水際作戦」で、世界中すべての国からの来日中止がきまり、留学生来日もストップ。
 日本語学校開校したと思ったらコロナコロナで不運なことでしたが、きっと、未来は明るい日々がやってくると信じて新しい年を待ちましょう。

 留学生のうち、料理好きな学生は、おいしい中国料理を毎日手作りして節約に努めています。
 学生が「センセー、味見して」と、持ってきた料理をいただきました。
学生手作りの「小麦粉の餅(ピン)に野菜を挟んで食べる」という料理を味見させてもらいました。(右手首にギプスをはめている頃の写真ですが、手首こっせつしたって、食欲は変わりなしの春庭センセ)


<つづく> 
コメント (2)
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