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ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>2021ことば拾遺(2)オミクロン
春庭の財産は「ことば」であり、ことばを教えることで生計をたて、言葉を紡ぐことが日々の愉しみ。2022年も、ことばとともに歩んでいきたいと思います。
2021年のことば拾遺をメモしておきます。
流行語大賞ノミネート30語には入らなかった語が年末急激にニュースに登場してきました。コロナ変異株のオミクロン。
ギリシャ文字も、αβγくらいまでは、プラスアルファだのベータカロチンだのガンマ線だのとなじみがありますが、それ以後はデルタもエプシロンもさっぱりと関わりなく生きてきてしまいました。え~と、カッパとラムダはロケットの名前できいたことあること、かすかに覚えています。カッパロケット、えんぴつくらいの細いロケットでした。
シータとかクシー(クサイ、グサイ)とか使ったことない。
ああ、数学用語はかすかに覚えている。シグマΣなんてのが出てきて、数学はまるでわからなくなった。πパイが3.14ってのは覚えているんだけど。
オメガΩって、なんで使ったんだっけな。
そこへきて、年末いきなりのオミクロン!「O」
変異株のなかでも、とっておきに強烈でワクチンすりぬけ、感染力最大なんだって。政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長「 オミ苦労ん」とゴロがあうし。
早いとこオミクロン対策できますように。という願いを胸に2022年もがんばります。
2020年の流行語のうち、2021年にも残って使われていたのはやはりコロナ関連の語句でした。
たとえば、帰省警察マスク警察なんていう、他者をとがめだてする人達の氾濫。
2021年夏には、田舎の庭に他県ナンバーの車が止めてあると、近所から白い目で見られたなんてこともあったらしいです。さすがに、2021暮れ2022正月には、帰省ができた人も多くなりました。
昨年のニュースのなか少々がっかりのマスク警察の話。
マスクしてない人見ると「マスクせえよ」と説教して回っていたおっさんがいましたとさ。説教されてブチ切れたワカゾーに殴り倒され、うちどころ悪く下半身不随の重傷に。殴ったほうは、無論、傷害罪になります。
残念に思ったのは一生車椅子生活になると知り、「マスクの咎め立てを後悔している」と語ったこと。信念を持って「自分は世のため人のためにマスクしてない人に注意をしたのだ」と思っていたのなら、後悔する必要はない。自分の行動に信念があり、行為の結果に対する覚悟があったのだったら、誇りを持って車椅子に乗っていたらよい。他者を咎めることが楽しくて「マスクせえよ!」と、たいした覚悟もなく言っていただけだったのか思います。それゆえの後悔だったんじゃないか。
なんらかの行動をとるには、その結果に責任が伴うということをわかっての行為であってほしかった。エラソーにするのが大好きな春庭ですから、自戒をもってこのニュースを読みました。
喘息の持病を持つ高校生が、電車のなかで喫煙していた若い男性にやめてほしいとお願いしたら、ブチ切れた男が高校生を殴り倒し、大けがをさせた、というニュースも。男は警察で正当防衛だと主張したのだとか。このニュースなどきくと、思い切って注意をした高校生の勇気はみとめるけれど、世の中にはこのような喫煙注意にブチ切れるバカ者も多いのだから、別の人に協力を頼み、急いで電車車掌に連絡して駅で鉄道警察に突き出すのがよかったのではないかと感じます。
自分を正義の側にして他者の不備不実をなじる人が、コロナ以後増えてきたように感じます。喫煙注意された男も何の根拠で「正当防衛」だと主張したのか、自分は正しいと思い込んでいるのでしょうか。(高校生にケガをさせ、土下座までさせて殴り続けた加害者は精神鑑定されることになり、「心神喪失により無罪」となりそうだと。やりきれないなあ)
帰省警察もマスク警察も、自分の閉塞感を打ち破ろうとしての「人様への文句つけ」でうっぷん晴らしをしているのでしょうか。
世の中に絶対の正義も、絶対の真理もなく、簡単には主張できないということを考えずに、自分一人が正義と思い込む人のなんと多いことか。
という自戒をもちつつ、人様の落ち度を責める春庭。
米軍兵士の来日時、PCR検査もワクチン証明書の提出もさせないで入国させていた政府。「米軍へのおもいやり」だったのでしょうが、沖縄では米軍基地からコロナが広がった、ということです。これまでコロナ感染者が少なかった某県も、基地があるゆえか、新年になって感染拡大。
責めたくもなります。留学生が来日できないのです。
空港で陰性証明ができた留学生の入国を許可してほしいよ。
2週間の缶詰待機ちゃんと守るから。
留学生が来日できない日本語学校、どこも経営たいへんです。日本語学校の倒産も増えています。
もう2か月がすぎてしまいましたが、皆様の2022年のために、縁起のよい七福神を(江戸期の浮世絵です)
大黒様、ちとメトボすぎですが、きっと2022年に福が来ます。
<つづく>