20220507
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩新緑薫風(1)新しいコレクションもなじみの絵も in 近代美術館
水曜日は歯科眼科内科に行かねばならず、ゆったり休めるのは月に1回くらいですが、外歩きにちょうどいい季節になってきたので、春のアート散歩、あちこち出かけています。
連休のさきがけとして、4月27日に竹橋の近代美術館へ。
常設展は、65歳以上は無料です。ボナールの新収蔵があるときいて、楽しみに出かけました。
新収蔵絵画について美術館の口上
昨年度収蔵されたピエール・ボナールの絵画作品《プロヴァンス風景》(1932年)を、初めてお披露目します。
ボナール(1867–1947)は、19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍したフランスの画家です。60年近くに及ぶ長いキャリアの中でボナールは何度か作風を変化させますが、とりわけ1920年代以降の豊麗な色彩や抽象度の高い表現を特徴とする作品は、「視神経の冒険」(ボナール本人の言葉)、「絵画の中の絵画」といった形容で語られてきました。20世紀を代表する画家の一人アンリ・マティスは、「ボナールが今日でも、そして確実に未来まで偉大な画家であることを私が証明する」と、ボナールの作品の革新性について予言的な言葉を残しています。
ボナール(1867–1947)は、19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍したフランスの画家です。60年近くに及ぶ長いキャリアの中でボナールは何度か作風を変化させますが、とりわけ1920年代以降の豊麗な色彩や抽象度の高い表現を特徴とする作品は、「視神経の冒険」(ボナール本人の言葉)、「絵画の中の絵画」といった形容で語られてきました。20世紀を代表する画家の一人アンリ・マティスは、「ボナールが今日でも、そして確実に未来まで偉大な画家であることを私が証明する」と、ボナールの作品の革新性について予言的な言葉を残しています。
ピエール・ボナール プロヴァンス風景 1932

65歳以上無料の常設展。季節ごとに展示が変わっていつ来ても楽しめますが、今回は新収蔵展示が何点もあって、充実していました。新収蔵のほか、めったに展示されない特別公開作品も充実していました。しかも撮影自由。
並みの美術館だとこれだけの点数集めれば、それだけで「特別展」銘打って1500円くらいはチケットかかるだろうに、そこは税金もつかっている公的な面もあるので(独立行政法人だけど)。
岡鹿之助 群落(A) 1962

佐伯祐三 雪景色 1927

新収蔵品は購入作品のほか、↑の牛島憲之からの寄贈というものもありました。府中美術館に牛島憲之記念室があり、また長く世田谷に住んでできた縁から世田谷美術館にも何点かあって、見てきましたが、近代美術館で見たのは初めてでした。)見ていたのかもしれないけれど、印象になかっただけかも)。
牛島憲之「立秋」1942

たくさんの絵を見ても、覚えていないこともあるのに、なぜ絵について何も知らない素人が絵を見たいのか、絵を見に出かけたいのはなぜなのか、ときどき考えます。よその国では戦争で人が死んでいるのに、こうやって、私は安全に絵なんぞ見ていて、のんきな話だなあと思います。
絵を見るのは、好みの色や形を見ることで目の喜びを感じることのほか、自分が見ているのとは異なる世界、異なる視点を知るということ。自分が知らない世界があることを見ることが、絵を見る喜びのうちのひとつであると思っています。自分とは違う世界を知ることは、他者を理解するひとつの方法です。画面を通じて他者と対話することができます。
ボナールは絵をみる愉しみについて「視神経の冒険」と言ったのだとか。この先にどんな「視神経の冒険」があるか、72歳の散歩は続きます。

<つづく>