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ぽかぽか春庭「ふつうの系譜 in 府中市美術館」

2022-05-01 00:00:01 | エッセイ、コラム


20220501
ぽかぽか春庭アート散歩>2022アート散歩春(1)ふつうの系譜 in 府中市美術館

 近年は、若冲や蕭白などの「奇想の江戸絵画」が大人気です。
 私も2019年「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」を 東京都美術館に見にいきました。3月9日上映の『山中常盤』の映画を午前午後の2回も見て、プログラムに羽田澄子監督のサインももらうというミーハーぶり。

 ですが、江戸絵画の「奇想」ではなく「普通」を忘れちゃいけない、という府中市美術館の展覧会。
 どちらかというと、私も「奇想」のほうに惹かれるほうだったのですが、せっかくの祝日春分の日なのに、「展示替えのため休館中」などの美術館もあり、遊びに出る場所として美術館博物館しか知らないのに、どこに行こうか迷いました。結果、あまり観覧する気もなかった府中市美術館にひとりで出かけました。一般700円。
 前後期で半数近くの作品が入れ替わります。私は前期を観覧しました。

会期 前期:3月12日―4月10日
   後期:4月12日ー5月8日

 府中市美術館の口上
 いま、江戸時代の画家の中で、伊藤若冲や曽我蕭白ら「奇想の画家」が人気です。鮮やかな色やおかしな形にあふれた若冲の絵も、蕭白の奇怪な人物画も、強烈で奇抜で、心を揺さぶります。
 しかし考えてみれば、「奇想」という魅力は、「そうではないもの」、つまり「ふつう」があって初めて成り立つのかもしれません。
 実際、若冲や蕭白がセンセーショナルに登場した時代、一方には、誰もが美しいと思うものを描く画家がいました。平安時代に生まれた美に命を与え続けてきた「やまと絵」の流派の画家もいれば、中国伝来の水墨画の良さを浸透させた「狩野派」の画家もいます。また、若冲や蕭白と同じ時代に、同じ京で、未知の美に挑み、彼らに劣らない人気を得た円山応挙おうきょや原在中、岸駒(がんく)らもいます。
 敦賀市立博物館には、300点を超える江戸時代から近代にかけての絵画コレクションがありますが、若冲や蕭白くの作品は一点もありません。いわば「ふつう」の美しさをたたえる作品が、徹底的に収集されているのです。
 これまで、府中市美術館でもその一部を展示してきましたが、今回の「春の江戸絵画まつり」では、同館の全面的な協力を得て、選りすぐりの作品およそ100点をご覧いただくことにしました。
 美術はすべて「驚き」です。奇想の作品のように、呆気にとられたり気持ち悪かったりすることもあれば、きらきらした美しさにときめいたり、あるいは、穏やかな夢心地を味わえる絵もあります。描き手たちは、一枚の平らな画面の上に、見た人の心をさまざまに動かすための技術や工夫を込めてきたのです。
 「奇想」への注目によって「ふつう」になってしまった江戸時代の「きれいなものづくり」ですが、そこには、豊かな歴史と美の手法が生きています。そんな「ふつう」の魅力を知れば、奇想も、そして「日本美術史」という更なる広い世界も、もっともっと輝いて見えることでしょう。
 ぜひ「きれいなもの」を見に、春の江戸絵画まつりへお出かけください。

 長沢蘆雪 《紅葉狗子図》 敦賀市立博物館蔵   
 
 フツーにかわいい子犬。すずめものんびりしています。

原在中 《嵐山図》 敦賀市立博物館蔵 


 岸駒 《猛虎図》 敦賀市立博物館蔵 


 岸駒の猛虎図の猛虎図「ぬり絵」が来館者体験コーナーにありました。見本を見ながら、自分流に墨絵を完成させるのです。絵心ゼロの春庭ですが、挑戦してみました。う~ん、やっぱり絵心ゼロを思い知りました。
 筆ペンは、「濃い墨、薄い墨、水」の3本があり、水で紙を湿らせながら、薄いところ濃いところに墨を入れていきます。

 虎らしい迫力がありつつどこかかわいらしい岸駒の虎とは似つかぬ、なんだかしょぼくれた虎になりましたが、春分の日の「初・墨絵塗り絵体験」、たのしかったです。  

 左春庭の塗り絵。右墨を塗る前

 
 美術館のカフェでワンプレートランチ1050円を食べて帰宅。

<つづく>
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