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ぽかぽか春庭「水織ゆみ35周年記念リサイタル2023」

2023-05-02 00:00:01 | エッセイ、コラム

 公演パンフレット

20230502
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2023ふみ日記初夏(1)水織ゆみ35周年記念リサイタル2023

 水織ゆみさんは、私と出会った1984年には、老舗菓子店の奥さんでした。ジャズダンスサークルのほか、フラメンコも踊るゆみさんは、「歌がじょうずな奥さん」でしたが、あれよあれよという間にシャンソンコンクールで歌唱賞を受賞して、40歳でプロデビュー。娘さん息子さんの子育て、菓子店の倒産、ご主人の介護と激動の生活の中、歌手活動をつづけてきました。尊敬している先輩です。

 2023年のコンサートは、35周年記念リサイタルです。ゆみさんは、日本訳詞家協会の副会長もなさっているほか、作詞も手掛けます。(日本訳詞家協会会長は加藤登紀子さん)
 宝塚出身スターなど、他の歌手公演の演出も手掛ける才女です。もちろん、ご自身のリサイタル演出もすべて自分でなさいます。

 40歳から35年てことは、今年は75歳。しかし、プロの歌手ですから、舞台のゆみさんは、はつらつとしていて、とてもきれいです。
 ただし、やはり「ジャズダンスの動きにはついていけなくなった」ということで、ミサイルママたちのサークル「Aダンスィング」は退会しました。Aダンスィングのミニ発表会を見たあと、いっしょにコーヒーを飲む時に隣の席に座り、いろいろうかがいました。そのおり、2023年4月に北とぴあの会場予約ができたので、e-Naちゃんにもチラシを送るから、予約してねとお話をいただいたので、チラシがきてさっそく席を予約。
 昨年ゆみさんが北とぴあホールの予約をしたときは、まだ2023年のコロナ状況がどうなっているかわからないうちで、いつも週末や休日は、1年後2年後の予約もむずかしいホールが、奇跡的に祝日土曜日に予約できた、と喜んでいました。よい日によいホールで35周年記念リサイタル、やはりゆみさんは「もっている人」なんだと思います。

ゆみさんの「35周年記念リサイタルご挨拶」
  とうとう、4月になりました。桜も満開、コロナも収まり、
  少しほっとしたような、街の雰囲気です。
  35周年リサイタルも29日に、北区王子、北とぴあで開幕します。
  お陰様で、日本中からお客様が集まって下さいます。
  生まれた時から、最近出会った方まで、歌のお陰で、つながったご縁。
  幸せな感謝祭です。

  赤の時代、青の時代、白の時代、という3部構成で、
  30曲歌う予定です。
  その内、27曲は自分の作詞、訳詩です。
  お出で下さる皆々様、心より御礼申し上げます。
  また、遠くから見守って下さる皆様、ありがとうございます。
  がんばります。

 35周年記念のリサイタルには、40年間いっしょにダンス練習に励んでいた仲間たちは、ミサイルママのほか、みな「同窓会」のように集まりました。私の隣は、AダンスィングのKさんSさん。ふたりともばっちりおしゃれをしています。

 4月29日土曜日。私の席はミサイルママとそのお連れ合いジンさんとは離れていましたが、前から6番目のF列中央で、とてもよい席でした。ただし、前の方が右に左に頭を揺らすので、私も見えなくなると右に左に頭を動かす。

 16時開演。19時終演まで3時間ひとりで歌いっぱない、出ずっぱり。すごいエネルギーです。最後まで朗々の歌声は響き渡りましたが、さすがに何曲かは椅子に座っての歌唱でした。昨年の公演で転び骨折。手術をし、リハビリに励んで回復したものの、やはり足の状態は完全ではないようです。しかし、骨折後の75歳とは思えない美しくはつらつとしていた舞台でした。

 演出舞台構成もご自身で。「婚家が倒産、家を売却。息子さんが離婚」などご自身の人生の流れを構成した演出なので、歌いながら涙する場面もたびたびでした。私たちAダンスィングの仲間は、ゆみさんが語る人生模様をいっしょに見つめながら40年間ともに踊ってきたので、歌の一節ひとふし、語りのひとこと一言に、やはり涙しながら聞き入りました。

第1部 赤のシャンソン
 幕が開くと後ろ向きのゆみさん。100メートルの生地を使って仕立てたというピンクのゴージャスな姿を披露。ピンクの帽子もかわいく、扇をあやつりながらバレンシアを歌いました。観客は一気にゆみさんの世界に引き込まれました。


第1部
1バレンシア 2待ちましょう 3シャンソンポピュレール 4ソンブレロと娘たち 5越鳥南枝~ケサラ 6北のふるさと 7ふるさとに生きる 8見ロール 9ラブミートゥナイト

第2部 青のシャンソン
1水の詩 2競売 3闘牛士 4息子よ 5水の永遠 6ラリベルテ 7ジェザベル 8愛の讃歌 9水に流して 
 愛の讃歌は、岩谷時子の甘い愛の歌になっている訳詞が知られていますが、訳詞家ゆみさんが原詩を生かした激しいエディットピアフとマルセルセルダンの愛と死の物語になっていました。7月13日のパリ祭公演では、ゆみさんが愛の讃歌を聞けるので、テレビ中継があったら、ぜひお聞きください。すばらしい歌声ですから。ゆみさんが越路吹雪物まねコンクールでチャンピオンになったことから歌手デビューへ向かった、というエピソード、はじめて聞きました。

第3部 白のシャンソン
1劇場園遊会 2ターザンはすてき 3リベルタンゴ 4ロンドンに雨が降る 5自由のバラ 6北区我が町 7ラボエーム 8愛のかたち 9おお我が人生

 私が座ったF列のうしろG列に陣取ったのは、ゆみさんの慶応大学時代のお知り合いの男性グループ。大学卒業が1969年だと語っていた75歳のゆみさんの大学仲間ですからみな、じいさんですが、とても楽しそうに聞き、曲の合間におしゃべりなさっていました。客席はそれぞれ、小学校時代のクラスメート、中高の同窓生など、お知り合い同士がまとまっていて、第3部のはじまりには「劇場園遊会」というゆみさんが客席を回ってグループに挨拶していました。私もあわててミサイルママに1枚ゆみさんとツーショットを撮ってもらったのですが、あわてているのでいつものアホ面丸出しになってしまいました。
 

 3時間を歌い切ったゆみさんに圧倒されつつ、すばらしい時間をすごせました。プログラムにはない「北区民からのリクエスト」という津軽じょんがらも、シンセサイザーによる津軽三味線の音色ですばらしい歌声でした。シャンソン歌手ゆみさんの津軽じゃんがら、リクエストしてくれた人、ありがとう。

 最前列に座っていたゆみさんのお孫さんが「ありがとうございました」と立派なご挨拶をしました。
 アンコールの「サンバカリバ」は逆読みで「バーさんばかり」の意味。ゆみさんのシャンソンのお弟子さんたちがダンスで参加。さいごは「友よめざめよ
」でおひらきに。

 さいごに「おみおくりします」と出口に立つゆみさんにあいさつしたかったけれど、混んでいそうなので、遠慮して北とぴあをあとにしました。

<つづく>
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