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ぽかぽか春庭「新宿の建物」

2023-05-20 00:00:01 | エッセイ、コラム
20230520
ぽかぽか春庭アート散歩>2023建物散歩初夏(3)新宿の建物

 新宿歴史博物館で「新宿建物100選」というパンフレットをもらいました。新宿御苑の中の建物は、96-99の4つ、楽羽亭、御涼亭、旧御休所、温室が出ていますが、楽羽亭は戦災で焼失した茶室を1987年に再建したもの、温室は2012年の建物なので、御涼亭、旧御休所を見学しました。

 新宿歴史博物館から曙橋へ。新宿三丁目まで都営地下鉄でひと駅だけ乗りました。シルバーパスを使わなきゃね。目的地は新宿御苑なのに、駅を降りてスマホの地図を見て歩いていったら、伊勢丹前に出ました。ありゃりゃ。これでは新宿へ行ってしまう。いつものような方向音痴でした。伊勢丹は旬塾建物100選のNo.76。1933(昭和)9年の竣工。昭和11年に外装改修。アールデコ装飾のデパートです。デパートの中のほうは、いままであまり縁がありませんでした。デパートで買い物をするというのは、デパ地下の食品が割引になったときに買うだけ。


 反対方向へ戻って新宿御苑新宿門から入苑。11時半。
 新宿御苑の中に皇室ゆかりの建物があります。5月16日の新宿御苑散歩は時間もゆったりありましたので、いつもちゃっちゃっと見てすぎる旧御涼亭と旧洋館御休所をのんびり見てすごしました。

 新宿御苑内の旧洋館御休所。1906年、片山東熊設計。1994年まで新宿御苑管理事務所として使われていました。風呂場の増築他の改築を経て、2001年、大正13年当時に復元され重要文化財となりました。

 東側外観

 屋根の装飾

 メインエントランス    屋根の装飾

 エントランスの屋根裏




 南西からの外観と南西の第2出入口


 食堂 次の間(Anteroom)
 居間

廊下


 平面図が出ているパンフレットは、英語中国語韓国語があり、日本語は「現在配布中止」とのことでした。
 1922年に増設された風呂場が、職員用、殿下用妃殿下用と並んで作られていました。当初は休憩だけの御休所だったのでしょうが、植物好きの皇太子(昭和天皇)がついつい長居をしてしまい、お風呂で汗を流してから皇居へ戻るっていうことになったのかな、なんて想像しました。

 もうひとつの皇室ゆかりの建物は旧御涼亭(台湾閣)。 
 昭和天皇(結婚当時は皇太子)の御成婚を記念して、当時の台湾在住邦人の有志の方々から寄贈された建物で、建築家、森山松之助の設計により、1927(昭和2)年に竣工されました。
 この建物は中国南方地方(福建省)の建築(ビンナン建築)と同じ様式で造られており、本格的中国風建築の日本における数少ない建物として、貴重なものと評価されています。


 皇太子(昭和天皇)の台湾訪問を記念して台湾在住邦人から寄付をつのり、集まった資金で建設した、という由来がプレートにかかれていました。

 1924(大正13)年に結婚する前、1921年から病身の大正天皇のかわりに摂政宮として国事に当たったので、はたしてどれほどの時間、御休所や御涼亭で過ごすことができたのかなあと思います。昭和天皇はおりにふれて「牧野はどうしている」と質問したそうで、牧野富三郎のように植物研究一筋の生き方を心からうらやんでいたのではないかと想像します。

 御涼亭からの眺め

 
 <つづく>
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